流通研究
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2 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 高嶋 克義
    1999 年 2 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    品揃え形成および品揃え物の概念は流通論やマーケティング論において中核的な概念とされてきたが、その理論のほとんどは効率性のような経済的局面で広さと深さという2つの基準をベースに考えるものであった。それに対し現実の市場条件や企業行動に対応した品揃え形成の理論展開で必要とされるのは、個々の企業が主観的に形成する多様なミクロ的品揃え物の概念である。本研究ではこのミクロ的品揃え物が多様化する条件を考察するとともに、この新しい品揃え形成概念の理論的意味を提示するものである。
  • 大槻 博
    1999 年 2 巻 1 号 p. 15-30
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    この小論においては、まず最初にこれまでのプロモーション・マネジメント論およびそのの中でのSPの位置づけが批判的に検討され、代わりに新しいプロモーション・マネジメントの構造およびSP管理領域の新しい分類枠組が提示される。次に、その提示された枠組に沿って、メーカーのプロモーション経費の変化を過去15年間にわたり分析しまたそれについて取材するとき、そこからどのような知見が得られるかについて述べる。
  • 市場環境、競争、取引と企業能力
    黄 磷
    1999 年 2 巻 1 号 p. 31-41
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本論文の中心課題は、海外市場参入の選択に影響する市場環境、取引費用、競争戦略および企業能力の要因を、既存の国際マーケティング論、取引費用理論、競争戦略論と企業理論の研究においてどのようにとらえてきたのかについて論じることである。本論文ではまず、従来の研究が共通してもっている暗黙の前提の問題点を明らかにした。企業はその国際化プロセスから離れてすべての参入形態を同時に選択することができない。企業は市場環境と企業能力によって、さらに企業の国際化の歴史によっても選択が制約される。つぎに、諸理論のもつ問題点と関連性を整理することによって、それらの補完性を明らかにした。
  • 経験年数の媒介効果と知識獲得プロセス
    松尾 睦, 細井 謙一, 吉野 有助, 楠見 孝
    1999 年 2 巻 1 号 p. 43-57
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、自動車販売会社における営業担当者の知識獲得プロセスを検討することにある。販売方略に関する手続的知識は、定性的および定量的な質問紙調査によって測定した。分析対象となる108名の営業担当者を、経験年数に応じて新人群 (営業経験3年未満) 、中堅群 (3年~9年) 、ベテラン群 (10年以上) に分類した上で、手続的知識と販売業績について相関分析を行ったところ、営業経験を積むほど手続的知識と販売業績の正の相関が強まることが明らかになった。この結果は、営業担当者の知識が経験によって宣言的レベルから手続的レベルに変換されるというAnderson (1982、1983) の認知的スキル獲得モデルによって解釈できるとともに、エキスパート研究における10年ルールと対応するものである。
  • 広告のなかのメディア・コミュニケーション世界
    神原 理
    1999 年 2 巻 1 号 p. 59-70
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    本稿は、移動体通信サービスの広告をひとつの記号構造とみなし、社会・文化的文脈から解釈することで、当該サービスをとおして人々が実現しようとしている「理想的な生活像 (関係性) 」を明らかにしていくことを試みたものである。
    移動体通信サービスの広告は、メディアによる「関係の開/閉」という二項対立の構図から成り立っている。そこでは、既存の親密な関係をベースに、即時的に関係欲求を満たすことのできるメディア空間をもつことが「理想的な関係性 (コミュニケーションの世界) 」として描かれており、移動体通信は、「既存の親密な関係を維持・強化する目的で、いつでもどこでも即時的に『つながり (つながる可能性) 』を実感できる情緒性の高いメディア」として提示されている。
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