-
―教育学科と看護学科の学生を比較して―
岩間 淳子, 松原 静郎
セッションID: 3G3-H1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本報では,大学の教育学科316名及び看護学科265名の学生を対象に,生命倫理問題に関する質問紙調査を実施し,学生の「生命倫理問題」に対する関心及び意見の相違を分析した.
「遺伝子診断」に関しては,教育系は80%,看護系は67%が肯定的な意見を持っており,「羊水検査」は,教育系75%,看護系62%が肯定的な意見を持っていた.「臓器移植・脳死」は,教育系76%,看護系79%の学生が推進的な意見を持っており,「着床前診断」は,教育系72%,看護系74%の学生が否定的な意見を持っていた.学科による相違を分析した結果,「遺伝子診断」「羊水検査」「臓器移植・脳死」では有意差が認められた.生命倫理問題に対する関心は,教育系の学生が看護系の学生より低かった.生命倫理は,将来,自分自身が直面することになる問題も含んでおり,学校教育では,生命を扱う理科(生物)においても適切に指導していくことが必要であると考える.
抄録全体を表示
-
髙橋 修
セッションID: 3G3-H2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は、能力開発型学習システム(パフォーマンス課題を単元の最後に位置付け評価すると同時に、能力開発を一体化して進める学習評価システム)の方略のもと、実証的な研究を行い、その学習方略が探究力の育成に効果のあることを明らかにすることである。また、探究的活動を4要因に分類し、その活動要素の質的、計量的な分析を行い探究的行動が科学的思考力の育成にどのように関わるか考察することである。
抄録全体を表示
-
-TIMSS授業ビデオの談話分析を通して-
土佐 幸子, 喜多 俊介
セッションID: 3G3-H3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
中学校理科授業において,教師の教えたい科学的概念と生徒の理解の間にギャップが生じていることが少なくない。本研究では,3つのTIMSS 理科授業における教師の発問と発話パターンの分析を通して,どのようなときにギャップが縮まるのかという問題について,その特徴を明らかにした。
抄録全体を表示
-
- 評価方法に注目して -
岡田 祐輔
セッションID: 3G3-H4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は,動的幾何ソフトを使用した学習活動で拡散性を定量的に評価する方法について考察することが目的である。その方法として,筆者(岡田, 2015)の評価方法が,拡散性を評価するには不十分であったことを,2 ペアが動的幾何ソフト上で観察していた図形数と,ワークシートに記録された図形数の違いから示す。その結果,「動的幾何ソフト上で観察していた図形数」は「生徒らがワークシートに記録した図形の数」の約5 倍であり,差があることが示された。
抄録全体を表示
-
松島 充, 熊野めぐみ
セッションID: 3G3-H5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本稿では算数科の問題づくりの学習において,協調学習を生起させるためのデザイン原則を抽出することを目的とした。事例研究法を用いて授業実践を分析した。協調学習の生起の確認には,ディスコース分析ツールのKBDeX を用いた。その結果,明確な目標提示による子どもの学習への主体性の喚起,問題の数学的な構造に着目させるためのワークシートの設定,数学的に高まるための分類の視点の明示,子ども自身による自由な問題分類の活動を2 回取り入れること,というデザイン原則が得られた。
抄録全体を表示
-
岸本 忠之
セッションID: 3G3-I1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本稿の目的は,小学校の統計資料を活用した社会環境問題に関する地域教材を開発することとする。まず環境問題に関する地域教材の展開過程を示した。合掌造りの構造が積雪に対してうまく適合していることを積雪荷重や五箇山と白川郷と比較する展開例を示した。水力発電が大規模と小規模に二極化していることや河川勾配のグラフから発電量が落差と流量に関係していることを理解する展開例を示した。
抄録全体を表示
-
槇 誠司, 堀田 龍也
セッションID: 3G3-I2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は,市販のトランプカードを用いて,カードを当てるマジックの教材及びマジックの仕組を解明するための指導案を提示することである.マジックの仕組みについては,(木村2005)により提唱された「とらえ→あつめる→まとめ→よみとる→いかす」(以下:統計的リテラシーのプロセスと略記)を手順にして解明することにした。今後は,マジックの教材を発達段階ごとに実践し,統計的リテラシーの有効性について検討することが課題である.
抄録全体を表示
-
―エルランゲン・プログラムと「四角形の厚紙問題」に着目して―
大川 健史
セッションID: 3G3-I3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究のねらいは,エルランゲン・プログラムにおける変換群の考えをもとに,「四角形の厚紙問題」を分析し,実際の厚紙を用いた数学的活動を想定することである。エルランゲン・プログラムについて,春木・小澤(2013)を参照し,4 つの変換群の定義と特徴を挙げた。それをもとに,「四角形の厚紙問題」について,問題の特徴を挙げ,正方形の影ができる図形を,平行光線によってできるものと点光源によってできるものに分類した。
抄録全体を表示
-
奥田 宏敬
セッションID: 3G3-I4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本稿の目的は,論証教育に焦点を当てたグラフ理論の教材開発として「グラフの同型性判定問題」を取り上げ,その有効性を考察することである。本稿の目的に対して,以下の結論が得らえた。「グラフの同型性判定問題」では,与えられた具体的なグラフを考察したり,条件を満たすようなグラフを自分で考えながら考察したりすることにより,学習者の議論をスムーズに進めることができ,そこでうまれるいくつかの考えを批判的に考察する活動を促すことができることがわかった。
抄録全体を表示
-
田村 篤史
セッションID: 3G3-I5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
数学の大学入試問題の背景を,大学で学習する「曲率」の概念を用い,また,3次元化することによって生徒に説明した.本研究は,それが生徒の学習に対する意欲や理解度に影響を与えるか分析をしたものである.生徒に対してアンケートを調査を行い,理解度の累積比率とスピアマンの順位相関係数を求めることによって,生徒が問題の背景に対して知的好奇心をもつことや,教材の内容が,入試問題を解くことと直接関係するか否かによって学習意欲と理解度の相関に差が生じることを示した.
抄録全体を表示
-
北澤 武, 藤谷 哲, 福本 徹
セッションID: 3G3-J1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究では,教員養成系大学の「理科教育法」を対象に,ICT 活用指導力向上を目指したカリキ ュラムを検討した。具体的には,実際にICT に触れながらICT の長所や短所について議論させた後,ICT を活用した小学校理科の模擬授業を行わせた。教員のICT 活用指導力のチェックリスト(小学校版)(文部科学省 2007)を用いて,授業の前後をt 検定(対応有り)で比較した結果,「A教材研究・指導の準備・評価などにICTを活用する能力」の全てと,「授業中にICTを活用して指導する能力」の3 項目に,有意な向上が認められた。
抄録全体を表示
-
金子 真隆, 高遠 節夫
セッションID: 3G3-J2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は,数式処理を背景とした静的な図の提示と,動的幾何による動的な図の提示のもつ教育効果の違いに着目し,これらを連携させるシステムKETCindy を開発して,授業実践を行った。その結果,連携ならではの効果を発揮させ得るような数学の授業設計に関する一定の知見を見出した。
抄録全体を表示
-
杉野 裕子
セッションID: 3G3-J3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
算数の授業における図形概念の発達の様相モデルに着目し,プログラミングが活用できることを実証的に示すために,教材コンテンツの開発を行った。児童にプログラミングをさせる授業実践研究を行い,プログラミングがどの場面でどのような概念形成に有用であるかについて見出し,考察をした。
抄録全体を表示
-
-iPad 版Excel を使って-
増田 朋美
セッションID: 3G3-J4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本稿では,「データの分析」の授業のグループや個人の探究活動において,タブレット端末で「iPad 版Excel」を使った場合とノートPC で「Excel」を使った場合にどのような違いがあるかについて考察した.PC よりも機能は制限されるが少なくとも三つの学習目標に関しては問題なく使えることと避けたい二つの使い方が明らかになった.
抄録全体を表示
-
谷塚 光典, 安達 仁美, 藤井 善章, 森下 孟
セッションID: 3G3-J5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
信州大学教育学部では,1年次に履修する臨床経験科目の中で,教育実習生による授業を参観する機会を設定しており,授業参観の視点を明確にしてから授業参観に臨むようにしている。本研究では,教員養成初期段階の学生が教育実習生授業を参観する際,どのような授業参観の視点を有しているのかを明らかにし,授業参観の事前指導の効果を検証することを目的とする。分析の結果,1年次生は,①教育実習生の進め方や授業計画,②児童・生徒の学び,③教育実習,などの視点を有していることが明らかになった。大学での事前指導の内容と重なる視点だけではなく,教育実習そのものにも注目していることがわかった。
抄録全体を表示
-
−“Next Generation Science Standards”の内容構成に着目して−
内ノ倉 真吾
セッションID: 3G3-K1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
アメリカの科学スタンダードである“Next Generation Science Standards” (NGSS) に着目し、そこでの数 学的能力の基本的な枠組みを把握した。NGSS では、第一に、科学でも、数学に関わる教育内容が明 確に位置付けられていた。第二に、科学での数学的な概念や表象とその操作は、教科数学との関連が図られていた。第三に、文脈に即して、科学的・メタ科学的・数学的な概念的知識、数学的な表 象を構成・操作する手続き的知識を総合的に扱う行為能力としての数学的能力が求められていた。
抄録全体を表示
-
坂谷内 勝
セッションID: 3G3-K2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
これまでのIEA のTIMSS やOECD のPISA 等の国際学力調査結果によると、日本の生徒は統 計に関する学力が高いといえる。TIMSSの経年比較調査でも良好な結果である。しかし、約15%の生徒は簡単な統計に関する問題ができないという調査結果については今後の課題である。
抄録全体を表示
-
松浦 拓也, 宮崎 兼志, 雲財 寛
セッションID: 3G3-K3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究では,科学的な問題解決における思考の具体として推論に着目し,小学4年生から中学3年生までの児童・生徒を対象に横断的な分析を実施することを目的とした。調査においては,推論を演繹,類推,枚挙的帰納という3種に区分し,それぞれについて評価する調査問題を作成した。そして,小学生1,101 名,中学生1,190 名を対象に調査を実施した結果,類推は小学4年生から中学3年生に向けて緩やかに向上すること,帰納は小学4年生から小学6年生に向けて大きく向上すること,演繹は小学4年生から中学2年生まで顕著な向上が見られないことなどが明らかとなった。
抄録全体を表示
-
-教科書分析を通して-
小泉 健輔
セッションID: 3G3-K4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本稿では、角の導入段階、すなわち角およびその大きさについていかにして導入するべきかを考える立場から、教科書における角の導入段階の取り扱われ方について、直角、角(図形として)、角(量として)の各概念・用語が導入されるまでに教科書上にどのような問題場面、文脈があるかに着目して分析を行った。そしてそれをもとに、角の導入段階での検討課題として、①いかにして角の大きさという量に目を向けさせるか、②図形から量へ、という指導の流れをいかにスパイラルに形作るか、③図形としての角も考慮に入れて児童の思考の様相を明らかにすること、の3点を指摘した。またその上で、直角についての学習を参考にした教材開発等の方向性について示した。
抄録全体を表示
-
𠮷岡 亮衛
セッションID: 3G3-K5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
OECD 国際成人力調査(PIAAC)の結果,日本の成人の読解力と数的思考力は世界一であった. 他方,OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)の2012 年の結果では日本は第2位グループに甘んじている.本研究は,この調査結果のギャップは何に起因するのかを明らかにすることで,成人の読解力と数的思考力が世界一であることの理由を解明することを目的とする.今回は研究の背景とデザインについて発表する.
抄録全体を表示
-
高山 琢磨
セッションID: 3G4-D1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は中学校数学科におけるiPad 用オーサリングソフト「ShowMe」を用いた授業の実践研究である。「ShowMe」により作成した教材を自宅で事前に学習し,授業ではそれに関連する課題を少人数グループで話し合い解決する発展的課題学習を行う。今回の授業実践を通して,アクティブ・ラーニングのひとつの授業形態を提案する。
抄録全体を表示
-
漆畑 文哉, 吉田 淳, 平野 俊英
セッションID: 3G4-D2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は小学校理科の水の温まり方の学習で,模型・アニメーションを用いた指導による科学的な表現獲得の有用性を明らかにすることを目的とする。分析の結果,表現活動が特に学習支援の必要な児童の表現獲得に有効であると考えられる。一方,児童の間で負の影響を与える可能性も示唆された。
抄録全体を表示
-
福田 大展, 岩崎 茜, 新井 真由美, 谷村 優太, 池辺 靖
セッションID: 3G4-D3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
「エネルギー」をテーマに生徒どうしが意見を交わし、お互いの価値観の違いに気づく対話型授業を開発した。問題を自分ごととして捉え、自分で考えて行動する姿勢の向上が見られた。
抄録全体を表示
-
奥村 仁一, 熊野 善介
セッションID: 3G4-D4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
新学習指導要領高等学校「生物基礎」「生物」の教育目標では「日常生活や社会との関連を図りながら生物や生物現象への関心を高め、目標意識を持って観察、実験などを行い、生物学的に探究する能力と態度を育てる」としている。しかし現代の高校生は実体験に培われる生命観が希薄で学習内容が実感を伴って理解されにくく、生物や生命現象を分析的にとらえ総合的・発展的に考察する基盤となる知識に結び付きにくい傾向が強い。「鳥類の胚の発生」についても、孵卵34、46 時間の観察胚がその後ヒヨコになるとは想像できない生徒が毎年多数見られるため、胚の観察後、孵卵操作を継続した発展学習を実施し、雛の人口孵化・誕生を目指した米国Bio-STEM 的実験をプロジェクト学習により生徒に主体的に行わせた。その結果、生物学的知識の拡張が促進されたばかりか、更なるSTEM 的発想が生徒から喚起され、日本の文脈における学習目標達成の促進のみならず米国STEM 教育の見地からも教科横断的な科学的思考の育成に効果的であることが示唆された。
抄録全体を表示
-
坪田 幸政
セッションID: 3G4-E1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
気候変動については,仮説検証型の科学的方法が適用できず,理科の枠組みで行うには困難が指摘されていた.本研究では気候変動教育における統計学的見方の重要性に着目し,新学習指導要領で拡充された数学教育における統計の扱いに関して,中学校と高等学校における検定教科書を調査した.その結果,ほとんどの教科書で気候や気候変動に関するデータが使用されていることがわかった.また,理科では平均気温の経年変化が中心となっているが,数学では平均気温の変動性に関する言及もあり,気候がより本質的に取り扱われていた.調査結果を踏まえて,理科と数学の連携強化を指摘すると共に気候変動教育を目的とした統計教材の方向性を提示する.
抄録全体を表示
-
-気象庁数値予報モデルDVD-NHM を用いた授業実践-
名越 利幸, 山本 桃子, 藤原 優
セッションID: 3G4-E2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は,気象庁の現業で使用される「気象庁数値予報モデル」を中学校現場での利用を視野 に入れ,身近な地域の大気環境教育に利用することをねらいとした。そこで,中学生でも数値シミュレーションを行うことができるように,数値入力や実験の設定が簡単にできる数値シミュレーションソフトを活用した。 高速CPU を搭載したポータブルパソコンに、DVD-NHM(気象庁)を挿入し,現業で使用している「気象庁数値予報モデル」を用いて地形データを入力後,3D 大気環境数値シミュレーションを行うことで将来の天気を予報することができる。得られた実験結果を可視化することで気象現象のイメージ理解が容易になる。
抄録全体を表示
-
伊藤 英樹, 山下 修一
セッションID: 3G4-E3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は,中学校第2 学年で学習する「雲の発生」について,粒子のモデルを使って生徒の理解を促し,一貫した説明を引き出す授業法を開発する前段階として,大学生(N=56)を対象にした試行授業を行い,その課題となる点を明らかにした.事前調査実施後に雲の発生についての断熱膨張のモデル実験と授業を行い,事後調査に回答させた.事前調査の結果から,大学生の87.5%がLevel 0 であり,断熱膨張の理解に課題があることが分かった.事後調査においては,32 名(57.1%)がLevel 1 以上の説明をすることができるようになっていた.誤答とした説明の分析から,粒子の衝突回数が減ったことにより熱が発生しなくなったと説明した大学生の数にはほとんど変化がなく,粒子のモデルで断熱膨張をとらえたときの課題であると考えられる.中学生に対する授業法の開発を行うときに,この点についての検討が必要であることが分かった.
抄録全体を表示
-
山下 修一, 伊藤 英樹, 柴田 道世
セッションID: 3G4-E4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究では,月の満ち欠けを科学的に説明させるために.従来モデルを改善し,モデルの操作を月の満ち欠けの理解に結びつけるための読み物を開発して,小学校教員(N=57)と理系学生(N=33)を対象にして試行した.そして,新たに開発したモデルと読み物で,中学生(N=256)でも科学的な月の満ち欠けの説明ができるようになるのかを検証した.その結果,小学校教員と理系学生の比較からは,事前調査では,小学校教員の49 名(86.0%),理系学生の21 名(63.6%) がLevel 0 となり,小学校教員や理系学生にとっても,月の満ち欠けの説明は困難であった.事後調査では,小学校教員の55 名(96.5%),理系学生の全員がLevel 1 以上の説明ができるようになり,地球の影・自転での説明は見られなくなった.中学生の試行からは,授業で月の満ち欠けの学習を終えたばかりなので,事前調査の段階でも地球の影は関係しないことを理解していたが,30%以上の生徒にとっては,科学的に月の満ち欠けを説明することが難しく,地球の自転で説明している生徒も10%以上いた.事後調査では,Level 1 以上が目安の80%を上回り,中学生にも月の満ち欠けを科学的に説明させることができた.
抄録全体を表示
-
~Saitama CST としての研修活動~
井形 哲志
セッションID: 3B3-F1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は,教員の理科指導への苦手意識に着目し,CST が指導者として様々な理科に係る研修会を行った。その結果,教員の理科指導への苦手意識が改善した。
抄録全体を表示
-
―「小水力発電から自然エネルギーについて考えよう」の開発を通して―
鈴木 哲也
セッションID: 3B3-F2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は地域の小学校支援を前提とした環境教育教材制作に関する基礎的研究の一環として行われたものであり、パワーポイントを用いてデジタル紙芝居を作成した。本紙芝居では環境モデル都市の一つである高知県梼原町で行われている小水力発電を取り上げ、第六学年理科「電気の利用」で用いることができるように開発した。
抄録全体を表示
-
桑原 奈見 , 出口 明子
セッションID: 3B3-F3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
筆者らは科学絵本を題材とした家庭における科学教育の実践として,科学絵本,及びそれに関連した観察や実験に親子で取り組む環境を合わせて提供する体験プログラムに関する研究を行ってきている.本稿では公立小学校の低学年児童とその保護者を対象として開発した数ヶ月間にわたるプログラムの概要を解説する.
抄録全体を表示
-
出口 明子, 関口 有人, 大久保 達弘
セッションID: 3B3-F4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
筆者らは里山林の植生遷移,及びその管理や利活用についての理解支援を目的とした環境学習教材として,栃木県内の里山林を舞台にしたすごろくゲームを開発した.本稿では開発したゲームの概要を解説するとともに,大学生及び大学院生を対象とした予備的評価の結果を報告する.
抄録全体を表示
-
- カンタンに作れるペットボトルロケットをめざして -
山崎 光, 芳谷 直治, 小林 靖之
セッションID: 3B3-F5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
ペットボトルロケット(水ロケット)は比較的容易に作成でき,手軽に打ち上げを行うことが可能でありながら,様々な物理法則を学習可能な,大変優良な教材である。しかし,ペットボトルロケットを授業に取り入れるのは,授業時間や人員が限られる学校現場では難しい場合がある。そこで本研究は,ペットボトルロケットを授業に取り入れやすいよう,作成工程を簡易化することを目的とした。ロケットの,スカート及び翼部分と先端部分の作成法を工夫することで,より簡易に早く作成することができた。本研究で提案する作成法を用いれば,ペットボトルロケットをより授業に取り入れやすくなると考えられる。
抄録全体を表示
-
小倉 康, 永澤 明, 大越 聡一郎, 越湖 貴久
セッションID: 3B3-F6
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
Saitama CST は,科学技術振興機構(JST)からの資金援助を受け,平成24 年度からさいたま市,埼玉県,埼玉大学が共同で進めている教育事業である。教員養成段階と,生涯学習としての教員研修段階を含めて,埼玉県内の小中学校で理科を教える教員を支えるシステムの構築を目指して,中核的理科教員(Core Science Teacher)の養成と活用に様々な取り組みをしている。 今後の教員施策の検討に有用と思われる工夫や知見を報告する。
抄録全体を表示
-
高橋 B. 徹, 高橋 聡, 吉川 厚
セッションID: 3B3-F7
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本稿では,問題解決の初学者向けのe-Learning システムとしてどういった機能が必要であるかを検討するために,学習困難性を分類し,それが実態的にどのような頻度で起きるのかを調査した.結果として,i)問題と解決策を対応させる,ii)実行性のある解決策を立てる,iii)本質的な問題を探るという点について困難があることが明らかになった.
抄録全体を表示
-
高橋 聡, 高橋 B. 徹, 吉川 厚, 寺野 隆雄
セッションID: 3B3-F8
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究では、マンガケースメソッドにおける建設的相互作用を促進させる手法として、マンガカードソート法の提案を行った。実験により、マンガカードソート法が学習者自身の考えの整理と他者の考えへの理解を促進することが、確認された。
抄録全体を表示
-
高村 真彦, 牧下 英世
セッションID: 3B3-F9
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究は,インターネット環境等インフラがまったく整っていない教室で,教材作成アプリケーション“ShowMe”によって作成した教材をiPad を使って授業展開する場合,“MeoBankSD HS”に必要なデータを入れて,そこにWi-Fi でiPad と繋げることで解決することが確認できた。
抄録全体を表示
-
気体検知管の操作技能に着目して
大黒 孝文, 舟生 日出男, 竹中 真希子, 山本 智一, 黒田 秀子
セッションID: 3B3-G1
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は、タブレット端末で使用するマンガを用いた反転授業用教材の改良版Ⅱを 開発し,改良版Ⅰとの学習効果を比較することである。この反転授業用教材は、教員志望大学生が気体検知管の操作方法を身につけるために開発を重ねたものである。改良版Ⅱを使用する実験群と改良版Ⅰを使用する対照群に分けて実験を行い,操作感と学習効果に関する質問紙調査を実施した。その結果,改良版Ⅱの方が学習効果に関する11 項目の質問中 8 項目において有意に効果的であることが確認された。
抄録全体を表示
-
渡邉 裕, 九十九 徳将, 瀬戸崎 典夫, 森田 裕介
セッションID: 3B3-G2
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究では,高等学校物理基礎の文部科学省検定済教科書に,動画コンテンツを重畳表示させるAR 教材を試作した. また高等学校にてタブレット端末を用いた授業実践を行い,生徒への効果を検証した.試作した教材は,物理基礎の波動領域における気柱の固有振動に関する内容であった.高校2年生を対象にして授業実践を行った結果,物理基礎のAR教材は生徒の興味関心や学習意欲を高める効果があることが示された.
抄録全体を表示
-
「物の溶け方」単元の実践から
大黒 仁裕, 神山 真一, 山本 智一, 江草 遼平, 鳩野 逸生, 楠 房子, 稲垣 成哲
セッションID: 3B3-G3
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究では,「物の溶け方」の単元において,反転授業の導入が児童の理科に対する関心や学習内容の理解に及ぼす効果について検討する.この目的のために,現在,PACA 国際学校小学部日本語セクションへの継続的で介入的な参加観察を行っている.反転授業では, 動画と説明文からなるデジタル教材を作成し,児童にそれを用いた基本的な学習を授業前に行わせ, 対面授業では発展的課題や実験に取り組ませる.授業を実施した児童4 名とその保護者4 名への聞き取り調査の結果,(1)反転授業の形態が言語に問題のある子どもの学びを支援したこと, (2)デジタル教材の利用が自己学習の学習スタイルをつくる一助になったことが明らかになった.
抄録全体を表示
-
反論理由付けに着目して
神山 真一, 山本 智一, 山口 悦司, 坂本 美紀, 村津 啓太, 稲垣 成哲
セッションID: 3B3-G4
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
本研究の目的は,反論を含むアーギュメントの達成を阻害する要因について,反論理由づけに着目して探索的に検討することであった.Kamiyama et al.(in press)および神山ら(印刷中)によるアーギュメントの評価結果に基づいて,反論理由付けの達成が不十分であった児童5人を抽出して面接し,反論の構成要素に対する児童の理解を評価するための課題を実施した.また,神山ら(印刷中)のアーギュメント評価結果から誤答を抽出して分析し,反論理由付けの誤答パターンと出現度数を明らかにした.面接調査と誤答分析の結果を総合的に考察したところ,反論を含むアーギュメントの達成を阻害する要因は,反論の構成要素に対する理解の不十分さではなく,反論証拠と反論理由付けの結び付けの不十分さにあると推察された.
抄録全体を表示
-
高橋 庸哉, 割石 隆浩, 佐野 浩志, 神林 裕子, 朝倉 一民, 杉原 正樹, 佐藤 裕三, 土門 啓二, 小笠原 啓之, 新保 元康, ...
セッションID: 3B3-G5
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
地域素材『雪』を教育現場に普及されるため、どんなバックグラウンドを持つ教員でも雪の学習を容易に取り組めるように教材開発を進めてきた。ワークシート8種及びテキスト6種を制作した。テーマは雪の結晶や除雪、利雪、英語、随筆などである。また、教師向けに授業プラン集も2 巻制作した。ワークシートやテキストを利用した教員の評価は4.5(5 段階)で、授業に有効であることが示された。
抄録全体を表示
-
加藤 俊英, 標葉 靖子, 松田 良一, 真船 文隆
セッションID: 3B3-G6
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
東京大学教養学部では,2002 年より講義形式の高校生向け公開講座を実施してきた.開始から10 年以上が経ち,高校生を中心とする参加者の属性や講義の評価についての知見が蓄積されてきた.本研究ではこれらの知見を紹介すると共に,100 人規模の講義形式で実施される公開講座の高大接続における位置付け,今後の展開について考察する.
抄録全体を表示
-
旭山動物園のアザラシ展示における観察活動の事例分析
田中 維, 山口 悦司, 稲垣 成哲, 江草 遼平, 楠 房子, 奥山 英登, 木下 友美, 坂東 元
セッションID: 3B3-G7
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
動物園は動物の生態や形態を観察できることから,人々の科学教育の場として重要な役割を果たす.しかし,動物園来園者は学習ではなく,娯楽のために来園する傾向がある.そこで,本研究では,来園者の観察学習を支援するために紙芝居を用いて実施されたアザラシ展示でのワークショップについて,家族1組の観察行動を分析した.分析は観察行動を記録した後に,観察時の言語的・非言語的行為を書き起こし,その質的分析を行った.その結果,動物の形態とその機能を関連付けた観察をしていたことが示唆された.
抄録全体を表示
-
奥山 英登, 佐賀 真一, 坂東 元
セッションID: 3B3-G8
発行日: 2015年
公開日: 2018/08/03
会議録・要旨集
フリー
旭川市旭山動物園は,2006年より,これまで10年間遠隔授業を行ってきた。情報通信技術の革新により,使用機材の更新を行った。これまでの授業実践や実態などから,博物館は情報通信技術の革新と「教育の情報化」を見据えた遠隔授業を今後考慮する必要があると考える。
抄録全体を表示