日本血管外科学会雑誌
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16 巻 , 4 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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巻頭言
特別寄稿
原著
  • 瀬名波 栄信, 末永 悦郎
    16 巻 (2007) 4 号 p. 615-618
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    近年, 診断技術の向上および手術手技の進歩により腹部大動脈瘤(AAA)に対する手術手技は安定したものとなっているが, 破裂例はいまだ成績不良である. 今回, われわれは当院における腹部大動脈瘤破裂症例(RAAA)に対し臨床経過と治療成績を検討した. 1998年 7 月より2005年12月までに当院で行った腹部大動脈瘤手術症例は207例であり, そのうち腹部大動脈瘤破裂症例38例(男性27例, 女性11例, 平均74歳)で10例(26.3%)の手術死亡を認めた. 来院時ショックを呈していたのは25例で, 死亡群はすべてショック例であった. 生存群と死亡群を比較すると, 術前に意識障害(JCS-II 以上), ショック状態を呈した症例, 術中輸血量に関し有意差を認めた. 死亡原因では, 10例中 5 例が出血でそのうち 4 例が術中死であり, 多臓器不全が 2 例, 心筋梗塞が 2 例, 呼吸不全が 1 例であった. RAAAの救命率向上のためには迅速な診断, 手術待機時間の短縮が重要であり, 地域医療施設への啓蒙が重要であると考える.
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症例
  • 東 隆, 平山 統一, 三隅 寛恭, 上杉 英之, 出田 一郎
    16 巻 (2007) 4 号 p. 619-623
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    大動脈人工血管置換術後の遠隔期に起こりうる合併症に吻合部仮性動脈瘤がある.不適切な縫合糸の使用が主因と考えられる症例を経験した.症例は75歳の男性.1990年に腹部大動脈瘤に対し人工血管置換術を行った.15年後の2005年に腹部大動脈瘤破裂を発症し,緊急手術を行った.前回ラッピングした瘤壁内の近位側,遠位側吻合部とも血管縫合糸は断裂し吻合部仮性動脈瘤を形成していた.術中採取した縫合糸の分析の結果,モノフィラメントナイロン糸(松田医科工業社製エムレーン)が使用されていた.現在の縫合糸は強度,柔軟性を考慮し,生体内で安定であるモノフィラメントポリプロピレン糸が多く使われているが,一世代前にはナイロン糸が多く使用されていた.ナイロンは生体内で加水分解され劣化する可能性がある.分析の結果,生体内で加水分解され劣化した状態に血行力学的ストレスが引き金となり縫合糸は破断し仮性動脈瘤の形成につながったと考えられた.
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  • 石井 利治, 角野 聡, 平本 明徳, 斉藤 隆之, 山中 雄二
    16 巻 (2007) 4 号 p. 625-628
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は38歳, 男性. 嗄声を主訴に近医を受診した. 胸部CTにて遠位弓部大動脈瘤の切迫破裂と診断され紹介入院となった. 緊急手術中, 亀裂の入った大動脈内膜がフラップ状に存在し, 偽腔内に血栓を有する限局した大動脈解離と診断し, 部分体外循環下に胸部大動脈置換を行った. 術後経過は良好にて一旦退院となったが, 手術 3 カ月後の胸腹部CTでは肝, 腎, 膵などの多臓器に腫瘍性病変が認められた. 腎生検では非上皮性悪性腫瘍と診断され, 化学療法を施行したが手術半年後に多臓器不全で死亡した. 剖検では胸部大動脈原発の血管肉腫と診断され, 多臓器に転移巣が認められた.
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  • 橋詰 賢一, 鈴木 暁, 朝見 淳規, 秋好 沢林
    16 巻 (2007) 4 号 p. 629-632
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    腹部大動脈瘤術後の消化器合併症として腸閉塞は一般的であるが, 小腸とくに十二指腸閉塞による腸閉塞は稀である. 今回われわれは, 破裂性腹部大動脈瘤術後, 人工血管周囲の漿液腫による十二指腸第 3 部閉塞による腸閉塞の 1 例を経験したので文献的考察を加え報告する. 症例は77歳, 男性. 破裂性腹部大動脈瘤に対し人工血管置換術を施行した. 術後, 経口摂取開始後から頻回の嘔吐を認めたため腸閉塞を疑いCT検査を施行し人工血管周囲の漿液腫による十二指腸第 3 部閉塞と診断した. イレウスチューブによる十二指腸減圧と中心静脈栄養による保存的療法にて術後45病日に軽快退院した.
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  • 大澤 久慶, 前田 俊之, 川原田 修義, 森下 清文, 樋上 哲哉, 栗本 義彦
    16 巻 (2007) 4 号 p. 633-636
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は98歳, 女性. 他院にて 2 枝病変に対して冠動脈形成術を施行した際に, 胸部下行大動脈に最大径78mmの動脈瘤を指摘され当院紹介となった. 高齢ではあるが認知症も認めず, 解剖学的にも血管内ステントグラフト内挿術可能と判断, 患者・家族の強い希望もあり十分なinformed consentのもと手術を施行した. 手術は全身麻酔下に右大腿動脈, 左腋窩動脈を露出しtug of wire法にてATPによる心停止下にステントグラフトを挿入した. 術中・術後経過に問題なく, 術後造影CT検査でもエンドリークを認めず, 術後10病日転院となった. 胸部大動脈瘤に対する従来の外科手術は, 高齢者にとって過大な手術侵襲であり, これまで非適応とされていた症例も少なからず存在していたと思われるが, ステントグラフト内挿術はその低侵襲性から有用性も高く, 高齢者の治療の選択肢が増えることは意義があると思われた
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  • 國重 英之, 明神 一宏, 石橋 義光, 石井 浩二, 川崎 正和, 岡 潤一
    16 巻 (2007) 4 号 p. 637-640
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    われわれは腸管虚血を合併したDeBakey IIIb型急性大動脈解離に対して緊急上腸間膜動脈バイパス術を施行した症例を経験したので報告する.症例は68歳女性.背部から腹部にかけての激痛出現し,3D-CTおよびMD-CTにて遠位弓部から右総腸骨動脈までのDeBakey IIIb型急性大動脈解離および上腸間膜動脈に解離所見を認めた.腸管血流障害を合併した急性大動脈解離と診断し,左総腸骨動脈から上腸間膜動脈への緊急バイパス術を施行.術後腹痛は消失し経過は良好であった.本症例のように腸管虚血が疑われる症例に対しての迅速な診断には3D-CTおよびMD-CTは有用であり,虚血責任血管へのバイパス手術は有効であると考える.
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  • 新谷 恒弘, 三岡 博, 吉田 佳嗣, 東 茂樹
    16 巻 (2007) 4 号 p. 641-644
    公開日: 2007/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は59歳,男性.41歳時に,冠動脈 2 枝病変に対し冠動脈バイパス手術(LITA-LAD,Ao-SVG-4PD)が施行されている.49歳時に施行された心臓カテーテル検査にてLITA-LADは閉塞と診断されていた.今回,左上肢の冷感と疼痛を訴えたため精査したところ左鎖骨下動脈の狭窄を認めた.左鎖骨下動脈の血管拡張術を施行したところ,LITAからLADが良好に造影されるようになった.本症例はいわゆる冠動脈鎖骨下動脈盗血症候群と考えられるが,鎖骨下動脈盗血症候群と同様に手術治療以外の新たな治療戦略として血管内治療が有用であることが示唆された.
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