獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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41 巻, 3+4 号
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総説
原著
  • 岡野 公禎, 安田 伸巨, 永岡 大典, 金谷 友広, 永岡 勝好
    原稿種別: 原著
    2010 年 41 巻 3+4 号 p. 71-77
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    健康な小型犬24頭の卵巣子宮摘出術に対して、モルヒネ(0.5 mg/kg, n=10 皮下投与)またはレミフェンタニル(0.6 μg/kg/分, n=7 および1 μg/kg/分, n=7の持続静脈内投与)を使用しイソフルランの減少効果を検討した。術中平均イソフルラン濃度はモルヒネ群が1.82 ± 0.21%であるのに対し、Remi-1 μg CRI群では0.69 ± 0.25%、Remi-0.6 μg CRI群では0.89 ± 0.25%であり有意差が確認された。体温、心拍数、終末呼気炭酸ガス分圧、平均動脈圧に群間の有意差はなかった。今回の検討から、犬の外科手術維持に必要なイソフルラン濃度は、レミフェンタニルの用量に依存して減少することが可能であった。
  • 近藤 優美, 高島 一昭, 木下 現, 永田 正, 和久井 康裕, HANSON Peter D., GROSS Sheila, LAURA ...
    原稿種別: 原著
    2011 年 41 巻 3+4 号 p. 79-85
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/07/12
    ジャーナル フリー
    日本において、運動器疾患に伴う疼痛および炎症を緩和する目的で犬にフィロコキシブまたはカルプロフェンを56日間経口投与した際の有効性と安全性を臨床の場で評価した。当該試験は多施設共同試験で、二重盲検と来院順に基づく試験群のランダム化を採用した。運動器疾患で跛行を呈した36頭の飼育犬を供試した。19頭の犬がフィロコキシブ群、17頭の犬がカルプロフェン群に割り付けられ、それぞれの薬剤を5 mg/kgおよび4.4 mg/kgの用量で1日1回経口投与した。投与前、投与中および投与後の疼痛および炎症の程度をスコア化し、改善度を評価した。試験終了時の56日目には、フィロコキシブ群の94.7%およびカルプロフェン群の88.2%が改善を示した。投与中の14、28および48日目には、フィロコキシブ群のそれぞれ73.7、89.5および100%が改善を示し、カルプロフェン群のそれぞれ94.1、88.2および88.2%が改善を示した。試験群間に統計学的な有意差はなかった。薬剤に関連する有害事象は認められなかった。本試験により、犬の運動器疾患に伴う疼痛および炎症の緩和に対するフィロコキシブおよびカルプロフェンの長期の良好な有効性と安全性が実証された。
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