乾式サイディングで外装仕上げされた枠組壁工法壁体モデルとして,通気のない普通壁体および通気層を設けた通気壁体の二種類の試験体を作製した。これら試験体を用い,通気層の有無のほか,防湿層や通気孔,日射を想定した外壁加熱の有無が壁体の断熱・防露性能に及ぼす影響について検討した。外壁加熱がない場合,壁体の防露性能を確保するうえにおいて,別付け防湿層の有効性が明らかになった。しかし,通気層および通気孔の除湿効果はほとんど認められなかった。外壁加熱がある場合,通気層や通気孔の効果は大きく,壁内結露の危険はほとんどないことが明らかになった。
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