木材保存
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38 巻, 6 号
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総説
解説
資料
  • 山田 昌郎
    2012 年 38 巻 6 号 p. 255-258
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/01/24
    ジャーナル フリー
    サーモウッド処理 (常圧・水蒸気存在下での熱処理) を施したスギ材の耐海虫性試験を, 神奈川県横須賀市長瀬の港湾空港技術研究所の海水循環水槽において実施した。処理条件を変えた7種類のT20mm×R20mm×L100mm の試験片を海水中に浸漬し, 3年目まで1年ごとに回収して観察と乾燥質量測定を行った。その結果, 高温・長時間の熱処理を施した試験片ほど, 海虫害が少ない傾向が見られた。220°C・2.5時間処理材と230°C・3時間処理材では, 早材部では食害が少なかったが, 晩材部がキクイムシによる食害を受け, 3年浸漬後の質量減少率がそれぞれ69%, 44% (3個の平均値) に達したのに対し, 237.5°C・5時間処理材では, いくつか小さな孔が見られたのみで, ほとんど無被害であり, 浸漬3年まで質量減少が生じなかった。
  • 長谷川 益夫, 北田 正司
    2012 年 38 巻 6 号 p. 259-266
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/01/24
    ジャーナル フリー
    防腐処理基材として, カラマツ小丸太 (長さ100cm, 末口径約11cm, 気乾比重約0.58) を剥皮し, 刺傷を施したものとしなかったものを使用した。処理区として, 防腐剤2種 (ナフテン酸銅-クレオソート油系油剤A, ナフテン酸亜鉛系油剤B) による塗布処理区, および比較対照として, フェノールフッ化物 (PF) 加圧注入処理区および無処理区を設定した。これらについて, 富山県射水市において31年間野外杭試験を行った。各処理区の被害度の経年変化を調べ, 刺傷や薬剤による保存処理が耐用年数に与える影響を調べた。
    刺傷による耐用年数延長の効果は, 評価部位 (頂部, 地際部, 底部) と薬剤処理の組み合わせで異なった。底部ではいずれの薬剤処理でも効果が認められず, 地際部では油剤A 塗布処理に, 頂部では油剤B 塗布処理にのみ認められた。また, PF 加圧注入処理では, いずれの評価部位でも刺傷による耐用年数延長効果は認められなかった。無処理では, 刺傷は耐用年数をやや短くした。
    地際部での耐用年数は, 耐用限界被害度2.5の場合, 油剤A 塗布処理 (塗布量: 約370g/m2) によって地際部では約15年の耐用年数が得られ, さらに刺傷を施すこと (同: 約470g/m2) によって約4年の耐用年数延長が可能であることがわかった。
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