本報では新しい防蟻剤の開発に関する研究の一環として,研究,開発した床下土壌の防蟻と防湿処理を同時に行う新しい施工方法について,その試験結果を報告する。
試験した項目は防湿性能,物理的性能,防蟻性能,抗菌力性能である。
防湿性能は供試剤の透湿度を測定したが,30g/m
2dayを示した。野外における透湿性試験においても防湿性能を示した。造膜状態は防蟻剤の有無にかかわらず朗であった。引張搬は,膜厚1.2mm,防蟻剤添加区で25.5kgf/cm
2を示した。膜中からのクロルピリホスの溶出は試験した条件では認められなかった。シロアリに対する接触毒性試験では,試験した低濃度区でも高い効力値を示した。野外における防蟻効力試験においても,2年間,シロアリによる食害は認められなかった。
抗菌効力試験では4―クロロフェニルー3―ヨードプロパギルホルマール0.25%添加区で供試菌を阻止した。
以上の結果から,試験に供した防湿膜形成型土壌処理剤は防蟻防湿性能を有し,物性的にも実用可能な処理剤と考える。
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