パラフィンワックスの熱溶融性に注目して,種々の融点のワックスで処理したスギ辺材の防水性を調べた。その結果,次の点が明らかになった。
1) パラフィンワックスを含浸すると,吸湿速度は遅くなるが吸湿性を完全に抑制することはできない。
2) パラフィンワックスを含浸すると,水の接触角は約120度になるが,摩耗を考慮して表層部を切除すると接触角が低下する。しかし,夏季の日照を想定して,摩耗した木材の表面温度をパラフィンワックスの融点以上に上昇させると撥水性が再生する。
3) 屋外暴露によるパラフィンワックス塗装材の撥水性の持続性は,ワックスの融点によって変化し,融点60-62℃でもっとも高かった。
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