主に,ピレスロイド系殺虫剤の効力増強剤として知られ,かつ,温血動物に対し低毒性であるオクタクロロジプロピルエーテル(S-421)を土壌および木材に単体で処理した場合の防蟻効力を,イエシロアリ職蟻を用いて,上市中の薬剤並びにクロルデンを対照薬として,種々の耐候操作条件下で室内試験を実施した。
その結果,S-421につき,次の知見を得た。
1)土壌処理剤としては,クロルデンとほぼ同等の初期効力並び1ζ効力持続性を示した。
2)木材処理剤としては,初期効力ではクロルデンとほぼ同等であるが,効力持続性の点で劣る。しかし,クロルピリホスやホキシムよりも,効力持続性がすぐれている。
以上のことから,S-421は,クロルデンの代替薬として有望な化合物の一つと考えられ,今後,野外試験,モデル・ハウス等の試験により,土壌および木材処理における有効処理濃度の確立が待たれる。
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