近年,木材保存剤を使用せずに熱処理によって耐朽性を付与したとする木材製品が欧州からわが国に導入されており,その一つにオランダPlato社の製品(Plato処理材)がある。
EU規格によるPlato処理材の褐色および白色腐朽菌を用いた腐朽試験では耐朽性があるとされている。しかし,対照材(コントロール)として使用されたオウシュウアカマツ辺材や無処理材の腐朽による質量減少率が小さいことから,処理による耐朽性向上効果を明確に判断し難い。こうしたことから,わが国でこの製品を適正に使用するため,Plato処理材の耐朽性および耐蟻性について再検討を行うこととした。
JIS Z 2101に準じた腐朽試験の結果,最も質量減少率が小さかったPlato処理材でも(ベイマツ材,カワラタケ暴露,耐候操作なし)その重量減少率は10.0%であり,防腐薬剤処理材の代替にはならないと判断した,また,Plato処理材の耐蟻性に対する影響を検討したが,樹種により影響は異なった。処理によってシロアリの摂食量が大幅に増加する樹種もあることが明らかとなった。
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