木材保存
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48 巻, 3 号
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研究論文
  • 松永 正弘, 山田 昌郎, 小林 正彦, 神林 徹, 石川 敦子
    2022 年 48 巻 3 号 p. 114-128
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では各種処理法でアセチル化処理した木材の海洋暴露試験を実施した。実験試料はスギ(Cryptomeria japonica D. Don)心材試片を用いた。乾燥した試片を10~12MPaの超臨界二酸化炭素中,大気圧下の液相中,または減圧下の気相中でアセチル化処理を120℃で8時間行った。そして,アセチル化処理試片を神奈川県横須賀市の試験地に設置し,海中暴露試験および飛沫帯暴露試験を12ヶ月間実施した。その結果,海中暴露試験ではいずれのアセチル化試片においても質量や曲げ強度の変化はほとんどなく,高い耐海虫性が示された。また,寸法安定性についても一定の高水準を維持することが示された。一方,飛沫帯暴露試験においては,寸法安定性に関しては高い性能を維持し続けたが,コントロール試片以上の質量減少や曲げ弾性率の低下が生じることが明らかとなった。
  • 東畑 圭祐, 澤田 豊, 藤原 裕子, 簗瀬 佳之, 藤井 義久
    2022 年 48 巻 3 号 p. 129-141
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル オープンアクセス
    単板の裏割れは見栄えが悪いとして欠点とされ,合板の表板(フェース単板)は,裏割れの発生する面(木裏面)を内層側に向けて配置される。その一方で,木裏面を反転させて合板表面に露出させることで,裏割れを通じて単板内部まで塗料が浸透し,合板の耐候性の向上が期待される。本研究では,単板の木裏面を表側にして裏割れを露出させた合板(木裏合板)と木表を表側にした従来合板について,塗料の浸透率や強度性能を比較し,耐候性を評価するための暴露試験を実施した。強度試験の結果,曲げ弾性率および曲げ強度については木表合板の方が高く,有意な差も認められた。引張せん断強度については,2種類の合板に有意な差は認められなかった。また表板への塗料の浸透率は,木裏合板のほうが高かった。約10カ月の暴露試験の結果,木裏合板と木表合板の褪色の程度に大きな差は認められなかった。しかし,木裏合板では,裏割れ部の周囲の変形や隆起による表面粗さの増大が認められた。
情報
防耐火から見た木造建築探訪 縦横無尽
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