新規殺虫剤テネベナール
®(一般名:ブロフラニリド)の木材保存用防蟻剤としての性能評価を行った。テネベナール
®処理土壌のイエシロアリに対する強制接触試験では,土壌中濃度0.1ppmで効力を示し,既存の防蟻剤と同等以上の防蟻効力であった。テネベナール
®は合成ピレスロイド系薬剤やネオニコチノイド系薬剤に比べると遅効的であった。土壌貫通試験では,土壌中濃度100ppm のテネベナール
®処理土壌に対してイエシロアリが忌避する様子は観察されなかった。テネベナール
®を処理した木材の室内防蟻効力試験では,表面処理が処理液濃度0.0025%,注入処理が0.0005%で有効であった。また,テネベナール
®を処理した木材を室温で2年間静置した後の木材中の主剤残存率は85.5%となり,既存の防蟻剤よりも高い残存率を示した。以上の結果から,テネベナール
®は優れた防蟻効力及び木材中における高い安定性があり,木材保存剤として有望な薬剤であることが明らかとなった。
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