反応性ポリマーである分子量20,000のアクリルコポリマーを木材中に含浸し,ブロックイソシアネートで架橋することで,巨大分子化したハイポリマーによる複合化材の耐候性を光沢保持率によって評価した。未架橋のアクリルポリマー自身は2-HEMA量の増加に伴い光沢保持率が低下したが,含浸処理材では2-HEMA量が10~
20%で光沢保持率が最大となった。また,架橋した複合化材では架橋剤添加量がNCO/OH=0.5(モル比)前後から光沢保持率は急激に上昇し,モル比1.0以上では一定になった。さらに,コポリ,マーの架橋密度も,木材―コポリマー間の相互作用も光沢保持率に関係した。複合化材の寸法安定性と光沢保持率にはかなりの相関関係が認められた。しかし,複合化処理のみで,長期にわたる屋外耐久性を確保することは困難であると結論した。
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