木材保存
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49 巻, 2 号
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研究論文
  • 大澤 朋子, 栗本 康司, 土居 修一
    2023 年 49 巻 2 号 p. 44-59
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    わが国の木造住宅の床下環境は構法の変遷とともに変化しており,現在は床下土壌現しよりも床下防湿コンクリート打ちが主流で,寒冷地を中心に床下換気孔を持たない基礎断熱工法も広まってきている。そこで本研究では,居住者のある住宅を対象に,至近に建つ4棟の木造住宅の床下温湿度を1年間実測する調査,新しい基礎仕様である基礎断熱の木造住宅1棟の床下等の温湿度および木材含水率を17年間の長期にわたり実測する調査の2つを行い,異なる基礎仕様が土台等の床下木材に与える影響を検討した。その結果,基礎断熱の住宅の床下環境はいずれも年間を通して相対湿度40~80%の低湿に保たれており,床下木材が高含水率となる危険性はなかった。一方,床下換気孔を持つ在来型の基礎の場合は夏季に相対湿度が80%を超える高湿度期間が確認され,床下木材が高含水率となる懸念があった。さらに床下防湿コンクリート打ちの住宅は床下土壌現しの住宅よりも高湿度の影響が大きく,これは床下が低温となることに起因することが分かった。
  • 黒沼 誠也, 江口 文陽, 大林 宏也
    2023 年 49 巻 2 号 p. 60-68
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/01
    ジャーナル オープンアクセス
    木材を利用する場合,用途に合わせて塗装することがある。多孔質構造である木材では木材中への塗料の浸透が起こり,塗装した木材の耐候性や着色性に影響する。木材中への塗料の浸透を増加させる方法として,ラフソーン仕上げやマイクロレーザーインサイジングが検討されている。本研究では微細な加工や表面改質の際に用いられるプラズマ処理に着目し,プラズマ処理したスギ材における亜麻仁油の浸透について検討した。その結果,浸透した塗料の割合が無処理よりもプラズマ処理を30分間,120分間処理した場合の方が比較的多かった。どの処理条件でも無処理に比べてプラズマ処理を行った方がより深くまで浸透しており,早材部,晩材部ともにプラズマ処理の効果が認められた。
情報
防耐火から見た木造建築探訪 縦横無尽
クローズアップ木材保存
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