礫浜の潜砂環境としての底質硬度について,湿潤密度との関係は殆ど知見が存在しない。本研究では,粒径や形状が一定で,密度が異なる6種類の基質(細礫)を用いて,海水で飽和させた地盤の湿潤密度を測定した。同時に,4種のベーンと2 種のトルク計によるベーンせん断抵抗及びデジタルフォースゲージによる貫入抵抗を測定し,礫底の硬度測定法としての適性を検討・考察すると共に,礫質硬度と湿潤密度の関係を明らかにした。湿潤密度と貫入抵抗との間に有意な相関は認められない一方,ベーン形状比が1以上では,湿潤密度とベーンせん断抵抗との間に高い相関があり,湿潤密度が高くなるにつれて,ベーンせん断抵抗が増加した。粒径が同等の礫で湿潤密度が異なる際の貫入抵抗とベーン形状比が1を下回る場合のベーンせん断抵抗は,礫浜の潜砂環境の測定法として不適であると考えられ,直径と同じ高さ程度以下のベーンを使用してせん断抵抗を測定する必要がある。