北関東医学
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51 巻, 5 号
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  • 黒岩 実, 鈴木 則夫, 高橋 篤, 池田 均, 村井 秀昭, 土岐 文彰, 土田 嘉昭
    2001 年 51 巻 5 号 p. 295-299
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    【はじめに】開院以来, 我々は肥厚性幽門狭窄症に対し右上腹部横切開で幽門筋切開術を行ってきた.1998年以降.創瘢痕の軽減を目的に臍部弧状切開を導入したのでその成績につき, 文献的考察を加え報告する.【対象と方法】1998年以降我々が幽門筋切開術を行った症例は29例であった.対象はこれら29例中臍部弧状切開 (UMB) を受けた25例である, 対照としては同期間に右上腹部切開 (RUQ) が行われた4例と1997年に経験した12例の計16例とした.これら2群について背景因子, 術時間, 手術に関係した合併症, 術後の外観について検討した.なおUMB25例中17例は腹腔内で, 残る8例は幽門腫瘤を腹腔より脱転し (うち3例では腫瘤脱転のため臍上部正中切開が追加された), 幽門筋切開が行われた.【結果】両群の出生体重, 発症および入院日齢, 入院体重には差を認めず, 術前の動脈血pH, HCO3-, SBEや血清電解質 (Na, Cl) にも差はなかった.術時間はRUQ25分, UMB49.3分とUMBが約2倍を要した.RUQでは術中, 術後合併症を認めなかったのに対し, UMBでは術中の胃壁漿膜損傷 (5) および術後創感染 (2), 筋層切開が不十分で再手術 (1) などが認められた.術創に関してはRUQで明瞭な瘢痕 (4-~5cm) が存在するのに対し, UMBでは瘢痕が臍の皺に一致し, 極めて目立たなかった.しかし, 正中切開が追加された3例における瘢痕は明瞭であった.【まとめ】UMBは美容的に優れた術式であるが, 幽門腫瘤から遠い小さな創で術操作を行わねばならず, 技術的に難度が高い.合併症は幽門腫瘤の脱転操作と深い関係を有しており, 脱転困難例では無理することなく腹腔内で幽門筋切開を行うことが望ましい.この術式は周術期合併症や補助切開の追加なく行われて初めてその意義を正当化し得ると考えられる.
  • 訪問看護記録による訪問看護の分析
    大山 ちあき, 藤野 文代
    2001 年 51 巻 5 号 p. 301-305
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    【目的】患者及び家族の希望で訪問看護を受けながらターミナル期から死亡までを在宅で過ごし, 死亡したがん患者についての訪問看護の内容を明らかにし, 在宅療養を可能にする条件を探求することである.【研究方法】訪問看護記録・外来カルテ・入院カルテの分析と訪問看護者との討議内容を分析する方法とした.これらのデータを基に文献との比較を行い, 考察した.【結果】5事例のうち患者自身が在宅ケアを選択し意思決定した人は2名であり, 他の3名は娘や息子夫婦が在宅ケアを決定した.ターミナルの期間は, 最も短い人で2ヶ月, 長い人で7ヶ月であった.訪問期間は9日から5ヶ月半であった.死亡場所は, 在宅2名, 病院3名であった.病院で死を迎えた人の理由は, 本人の苦痛が強くなったため本人が入院希望をした人が2名, 家人が患者を看ていることに耐えかねて入院希望した人が1名であった.
    訪問看護の内容としては, 医療処置・清潔ケア・介護方法の助言・家族の健康管理・連絡調整であった.訪問看護婦は, 患者及び家族の希望に沿いながら, 看取りのための準備を実施していた.また, 訪問看護婦は患者や家族にとって頼れる存在であり, 病院とつながっている安心感を与える存在であった.【結論】本研究から, 在宅ターミナルケアを可能にする患者・家族・看護者のそれぞれの条件は, 以下のような内容であることが明らかになった.
    1. 患者の身体的条件においては, 疼痛コントロールができていることと, 精神的な条件においては, 死を受容しながら生きる希望を持っていること.
    2. 患者にとって強力なキーパーソンが存在すること.
    3. 家族が患者の死を受容して, 家族の介護の意思が他者から支えられていること.
    4. 家族がケアの学習意欲を持っていることと, 看護者がケアの指導技術を持っていること.
    5. 病院と地域の連携のシステムがあること.
  • Kiyoko Kanda, Taro Kano, Takeaki Nagamine
    2001 年 51 巻 5 号 p. 307-311
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    Background : Many patients of chronic diseases in Japan use folk medicine in addition to the Western medicine. The situation has caused much controversy in the clinical fields regarding its advantages and disadvantages. The purposes of this study are to identify the situation where hepatoma patients use alternative folkmedicine. Methods : We conducted questionnaire survey of 500 chronic liver disease patients. The numbers of responders were 413 (82.6%), who were then analyzed. This paper reports the result of 69 hepatoma patients 46 male, 23 female, average age 67.3 (SD ± 8.5) years old. Results : About seventy percent of patients had used folk medicine some time in the past up until the time of survey. The folk medicine they had used includes “Indian Saffron” (64.6%), “Megusuri-no-ki” (41.7%) and Chorella (22.9%). The purposes of the use are to promotion of health (33.3%) and to improvement of symptoms (27.1%). Only 14.5% of them had consulted their doctor on folk medicine before using them. The authors studied the relationship among frequency, gender, age, and satisfaction to the medicine, perception of severity, religion and truth telling status. The frequency was 85.7% for the patients younger than 65, 71.4% for those between 65-74, and 38.5% for those over 75. There is a significant negative correlation between age and frequency (p<0.01). Another significant positive correlation the authors identified is between perception of severity and frequency (p<0.001). Conclusions : Many of hepatoma patients were found to be on folk medicine at one time or other. It is our responsibility as medical professions that we show guideline concerning use of alternative folk medicine so that patients can better coordinate Western medicine and folk medicine.
  • 小池 潤, 齋藤 やよい
    2001 年 51 巻 5 号 p. 313-319
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    【目的】情報収集と看護記録の実態から, 触覚情報が記録に至るまでの看護職者の思考プロセスを明らかにすること.【方法】対象は看護婦28名とし, 方法は参加観察法と面接による調査であり, 看護婦が患者の身体に触れる目的と部位との関係, 触覚情報の情報化のプロセスについて検討した.【結果・考察】 (1) 触れた目的は「意識して観察」「観察補助手段」「看護ケアの一部」「無意識」の4つに分類され, 部位と目的には有意な関係があった. (2) 収集された情報は20.2%であり, 脈拍数だけが100%記録された. (3) 記録に至るまでには「触覚情報の評価」「過去の触覚情報との比較」「他のデータへの置き換え」「優先度」「記録」の5段階のプロセスがあり, 10思考パターンに分類された. (4) このうち3パターンでは完全な情報の欠落があったが, その他は感覚情報として情報化されたり, 他の情報への置き換えや, 補助として活用することによって統合されていた.
  • 上吉原 光宏, 坂田 一宏, 大谷 嘉巳, 川島 修, 菅野 雅之, 伊部 崇史, 森下 靖雄
    2001 年 51 巻 5 号 p. 321-324
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    症例は69歳, 男性.2000年10月大腸癌に対し右半結腸切除D3を施行した.精査時に左上葉, 右S3, S4, S8に肺腫瘤も認められていたため転移性肺癌を疑い, 同年11月に胸骨横切開 (clamshell切開) で左上葉切除, 右S8区域切除, S3, S4部分切除を施行した.術後心不全を合併したが徐々に軽快し, 第17病日目に退院した.術後8カ月の現在健存中である.胸骨横切開法は視野が良好で, 病巣の検索やその処置を容易に行えるため, 両側肺腫瘍に対して積極的に選択すべき術式と考える.しかし, 術後胸郭運動の低下を認めるため, 症例の選択及び術後管理には注意を要する.
  • 高野 淳志, 茂木 健司, 笹岡 邦典, 狩野 証夫, 斎藤 忠, 今井 正之, 中曽根 良樹, 星野 慶子, 根岸 明秀
    2001 年 51 巻 5 号 p. 325-329
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 未治療糖尿病のために, 爪楊枝によるほんの些細な外傷により, 重篤な頬部蜂窩織炎を生じた1症例を経験したので報告する.患者は64歳男性.未治療の糖尿病があり, 爪楊枝により頬粘膜に些細な外傷を受傷.炎症は同部より始まり, 下唇, 口底, 顎下部に急速に広がった.患者は, 切開排膿に続き抗生剤による化学療法, 糖尿病の治療を受けた.
    今回の報告は, 未治療糖尿病患者の感染症の臨床的症状と治療を示唆する.
  • 杉本 博之
    2001 年 51 巻 5 号 p. 331-333
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 森 淑江
    2001 年 51 巻 5 号 p. 335-336
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 51 巻 5 号 p. 337-340
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 51 巻 5 号 p. 341-344
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 51 巻 5 号 p. 345-347
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 51 巻 5 号 p. 349-363
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
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