症例の概要:54歳の男性.上顎右側前歯の痛みを主訴に来院された.診査の結果,2| に歯根破折を認めたため抜歯した.765|67,|56 の可撤性部分床義歯は装着時の違和感で使用していないとのことであった.上顎前歯部中間欠損および両側遊離端欠損,下顎左側臼歯部中間欠損による咀嚼障害と診断し,インプラントを用いた固定性補綴装置によって咀嚼機能の回復を図った.
考察:可撤性補綴装置装着時の違和感が強い症例に対し,インプラント支持による固定性補綴装置を装着することで,患者の高い満足度を得ることができたと考える.
結論:上下顎欠損歯列に対してインプラントを用いた固定性補綴装置は口腔関連QOLの改善に有効であることが示唆された.
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