動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
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13 巻, 1 号
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Original Article
Case Report
  • 濱岡 美緒, 佐藤 常男, 渋谷 久, 浅野 和之, 亘 敏広, 阿部 葉子
    2004 年13 巻1 号 p. 5-10
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/11/02
    ジャーナル フリー
    6歳10カ月齢、避妊雌のラブラドール・レトリーバーが血尿を主訴に来院した。超音波検査およびX線検査にて右腎をまきこむ腫瘤が確認され、摘出術が行われた。腫瘤は嚢胞状に厚い被膜と圧排された腎組織からなる壁を有し、内部にはカリフラワー状に増殖した灰白色の腫瘤塊が認められた。腫瘍細胞は紡錘形で抗ビメンチン抗体に陽性を示した。また抗ケラチン/サイトケラチン抗体で陽性を示す移行上皮様細胞への分化を示す細胞や抗デスミン抗体、抗アクチン(α-SMA)抗体に陽性を示す筋系細胞への分化を示す細胞が混在していた。電子顕微鏡学的に、腫瘍細胞はN/C比が大きく、大型、異型核を有し、細胞質内にはミトコンドリア、粘液顆粒および多数のリボソームを含んでいた。原始糸球体や原始尿細管は認められなかったが、上皮系そして筋系の分化が示唆されたことから、腎芽腫と診断した。
  • 野山 順香, 片岡 智徳, 高島 一昭, 山根 義久
    2004 年13 巻1 号 p. 11-15
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/11/02
    ジャーナル フリー
    12歳齢の雄の雑種犬が食欲不振を主訴に来院した。単純X線検査にて、胆嚢内にガス貯留が認められ、気腫性胆嚢炎と診断し抗生剤などの投与を行った。しかし、翌日ガス像は消失し、腹部超音波検査においても胆嚢穿孔が疑われたため、開腹手術を実施した。腹部前方の正中線切開によって開腹し腹腔内を精査した結果、胆嚢穿孔および胆汁の漏出が認められた。採取した腹水の細菌培養にてClostridium(1)が検出され、胆嚢の病理検査では壊死性胆嚢炎と診断された。術後、犬の経過は良好に推移し、術後8日目には退院した。
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