動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
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27 巻, 3 号
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特別寄稿
原著
  • 森岡 真也, 鈴木 敏和, 吉田 均, 上野 博史, 宇塚 雄次
    原稿種別: 原著
    2018 年 27 巻 3 号 p. 95-101
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2019/09/25
    ジャーナル フリー

    人の医療ではCT室内の散乱線量や散乱線分布に関する報告は数多くあるが,動物医療におけるCT撮影時の具体的な散乱線量の調査は見当たらない。そこで今回,動物病院におけるCT検査時のCT室内の散乱線量を測定した。実際の臨床現場で使用する撮影条件を用いてCT室内の散乱線空間マッピングを,頭部・胸部・腹部・骨盤撮影ごとに作成した。マッピングの測定は,床からの高さは50,100,150,200 cmの4平面で行い,全260箇所で行なった。その結果,骨盤撮影時のガントリー中心から尾側50 cm離れた寝台上で最大の133 μSvの散乱線量が記録された。また,床からの高さ100 cmが最も散乱線が大きく,次いで150,50,200 cmの順に小さくなった。ガントリー脇は最も散乱線量が小さいエリアとなった。ガントリーの100 cm四方は散乱線量が大きく,寝台から離れるに従って小さくなった。

症例報告
短報
  • 才田 祐人, 北野 寿, 才田 乃路子, 矢田 新平
    原稿種別: 短報
    2018 年 27 巻 3 号 p. 112-117
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2019/09/25
    ジャーナル フリー

    うっ血性心不全を呈する僧帽弁閉鎖不全症(MR)の犬において,予後指標となりうる心臓超音波検査パラメータが報告されている。しかしながら,急性肺水腫の犬において,直ちに検査を実施することが困難な場合もある。そこで,肺水腫を呈したMR犬において,ピモベンダン開始後の生存期間と関連する心臓超音波検査以外の予後因子について回顧的に調査した。肺水腫を呈したMR犬25頭が調査対象となった。ピモベンダン開始時の発咳(P < 0.01),心雑音の強度(P < 0.01),びまん性肺水腫の有無(P < 0.05)およびピモベンダン開始前の利尿薬投与期間(P < 0.05)は,生存期間と有意に関連した。また,びまん性肺水腫を呈した個体群の生存期間は,非びまん性肺水腫を呈した個体群と比較し有意に短縮していた(それぞれ219および883日; P < 0.01)。したがって,これらをピモベンダン開始後の予後因子として考慮する必要がある。

資料
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