2014年1月から2018年6月の間に福井市の1動物病院で,蕁麻疹と診断した45頭に対し,犬種,性別,年齢,臨床症状,発症要因,既往歴,治療法と経過について解析した。今回,本疾患の発症率は0.3%(45/14,312)であった。犬種別発症率は,フレンチブルドッグが1.3%と最も高かった。性差では,雌の発症率は雄に比べて2.1倍で,避妊済雌の発症率は未避妊雌に比べて2.5倍高かった。発症平均年齢は5.2歳で,若齢での発症率が高齢に比べて高かった。臨床症状は45頭中35頭に眼瞼・口唇の血管性浮腫が観察され,最も多かった。発症要因は特定に至らなかった症例が20頭(44.4%)と最も多く,次に副食または主食の変更が14頭(31.1%),その他混合ワクチン,植物,薬が確認された。既往歴で,犬アトピー性皮膚炎およびアレルギー性皮膚炎18頭(40.0%),免疫介在性疾患3頭(6.7%),再発症例5頭(11.1%),既往歴なし19頭(42.2%)であった。
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