動物臨床医学
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29 巻, 3 号
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特別寄稿
原著
  • 吉行 里依子, 福島 隆治, 田中 綾, 町田 登
    2020 年 29 巻 3 号 p. 108-113
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2021/09/25
    ジャーナル フリー

    犬の肺動弁狭窄症(PVS) の評価には心エコー検査が通常用いられている。PVSでは右室機能不全がしばしば認められる。しかしPVS犬の心エコーによる右室機能評価の有用性は十分に検討されていない。本研究の目的は7頭のPVS犬と正常ビーグル犬10頭を比較し,断層心エコー法とパルスドプラ心エコー法を用いて右室機能評価に対する心エコー指標の有用性を検討することである。正常犬と比較してPVS犬はeccentricity index (p < 0.05) が有意に高値に, tricuspid annular plane systolic excursion (p < 0.05) が有意に低値に,パルスドプラ心エコー法で算出した右室E/Aが (p < 0.05) 有意に低値に,拡張期の肺動脈/大動脈比(PA/Ao) (p < 0.05)が有意に高値を示した。本研究よりPVSと心エコー法による右室機能指標には関連性があるものと考えられた。心エコー法はPVS犬の非侵襲的な心機能評価として有用である。

  • 立野 祐子, 加山 英, 山田 茂夫
    2020 年 29 巻 3 号 p. 114-118
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2021/09/25
    ジャーナル フリー

    2014年1月から2018年6月の間に福井市の1動物病院で,蕁麻疹と診断した45頭に対し,犬種,性別,年齢,臨床症状,発症要因,既往歴,治療法と経過について解析した。今回,本疾患の発症率は0.3%(45/14,312)であった。犬種別発症率は,フレンチブルドッグが1.3%と最も高かった。性差では,雌の発症率は雄に比べて2.1倍で,避妊済雌の発症率は未避妊雌に比べて2.5倍高かった。発症平均年齢は5.2歳で,若齢での発症率が高齢に比べて高かった。臨床症状は45頭中35頭に眼瞼・口唇の血管性浮腫が観察され,最も多かった。発症要因は特定に至らなかった症例が20頭(44.4%)と最も多く,次に副食または主食の変更が14頭(31.1%),その他混合ワクチン,植物,薬が確認された。既往歴で,犬アトピー性皮膚炎およびアレルギー性皮膚炎18頭(40.0%),免疫介在性疾患3頭(6.7%),再発症例5頭(11.1%),既往歴なし19頭(42.2%)であった。

症例報告
資料
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