動物臨床医学
Online ISSN : 1881-1574
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27 巻, 2 号
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特別寄稿
原著
症例報告
  • 西村 紳, 島村 俊介, 園山 順子, 北村 憲彦, 佐々木 啓允, 伊月 恵子, 長谷川 貴史, 嶋田 照雅
    原稿種別: 症例報告
    2018 年 27 巻 2 号 p. 65-68
    発行日: 2018/06/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー

    12歳,雄のミニチュア・ダックスフンドの会陰部肛門右腹外側皮下に石灰化を伴う腫瘤を認めた。外科的摘出を試みたところ,腫瘤は外肛門括約筋,内閉鎖筋および尾骨筋の間に位置しており,摘出に際して腫瘤と連続する膜様構造物が骨盤腔内へ続いていた。この骨盤腔内へ通じる間隙をヘルニア孔と認め,外肛門括約筋,内閉鎖筋および尾骨筋を縫縮することにより閉鎖した。腫瘤は,変性した脂肪組織と結合組織,および分化した骨組織で構成されており,組織学的には骨形成を伴う嚢胞と考えられ,会陰ヘルニアとの関連性が示唆されたが,その由来については確定に至らなかった。

  • 山下 陽平, 小出 和欣, 小出 由紀子, 二村 美沙紀, 二村 侑希
    原稿種別: 症例報告
    2018 年 27 巻 2 号 p. 69-72
    発行日: 2018/06/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー

    7カ月前からの体重減少と肝性脳症を呈した8歳5カ月のミニチュア・ダックスフンドにおいて,後天性門脈体循環シャント(APSS)を併発した先天性肝動静脈瘻(HAVF)が認められた。外科治療として,HAVFを含む外側左葉の肝葉切除術およびAPSSの部分閉鎖術を行った。肝機能低下と高アンモニア血症は術後6カ月までに漸次改善し,その後も経過良好に推移した。

  • 澤 康二郎, 澤 慎太郎, 澤 邦彦
    原稿種別: 症例報告
    2018 年 27 巻 2 号 p. 73-76
    発行日: 2018/06/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー

    症例は10歳,雑種猫,雌。健康診断で行ったX線検査で腹腔内に腫瘤陰影を偶発的に確認した。CT検査より膵左葉に嚢胞性腫瘤を認め,術中の嚢胞液検査では嚢胞液中に膵酵素の貯留と上皮細胞が検出されたため切除を検討した。嚢胞のみの摘出が困難であったことから膵左葉部分切除術を施行した。切除した嚢胞は病理組織学的に非腫瘍性の真性嚢胞と診断された。本症例は無症候であったため嚢胞の鑑別に苦慮したが,CT検査と嚢胞液検査は膵嚢胞性疾患の存在診断に有用であり,また,嚢胞液の性状から腹腔内への漏出を考慮すると,縮小のみられない膵嚢胞性疾患では良性・悪性を問わず手術を積極的に考慮すべきであると考えた。

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