日本原子力学会誌
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45 巻, 8 号
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巻頭言
副会長就任挨拶
解説
講演
  • 内山 洋司
    2003 年 45 巻 8 号 p. 481-485
    発行日: 2003年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

     世界はエネルギー消費量の約9割を化石燃料に依存している。化石燃料の資源量は, 確認埋蔵量でみると,石油が1.05兆バレル, 天然ガスが150兆m3, 石炭が9,800億tと推定されており, さらに未確認埋蔵量として確認埋蔵量の4~5倍の資源があるといわれている。その総資源量は石油に換算すると36.7兆バレルにもなる膨大な量である。しかし, 世界が将来のエネルギー需要を現在と同じように化石燃料に依存し続けたとすると, その膨大な資源も23世紀の中葉には供給不足に陥ることになる。人類は古生代や中生代に1億年以上もかけて太陽エネルギーによって蓄積された貴重な化石燃料をわずか500年程度で使い果たそうとしている。その短い期間にすべての化石燃料を燃焼して窒素酸化物や硫黄酸化物, そして温室効果ガスである二酸化炭素を大気中に放出しようとしている。このままでは大気汚染や温暖化が地球規模で進行していくことは避けられない。とりわけ経済成長に伴ってエネルギー需要の伸びが著しいアジア地域においては, これからのエネルギー供給問題は深刻になっていく。

談話室
会議報告
私の研究から
  • 日高 昭秀
    2003 年 45 巻 8 号 p. 493-496
    発行日: 2003年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

     軽水炉シビアアクシデント時の炉心状態を模擬するため, 世界最高温度, 圧力条件を達成する実験装置VEGAを設計, 製作し, 雰囲気圧力が放射性物質の放出挙動に及ぼす影響を初めて実験的に定量化した。また, その結果に基づいて, 圧力の影響を説明するモデルを提案した。これらの成果に対し, 第35回 (平成14年度) 日本原子力学会賞論文賞が授与された。受賞対象となった研究は, 工藤 保氏, 中村武彦氏をはじめとする日本原子力研究所の共同研究者とともに行ったものであるが, 本稿では, 筆者が個人の立場で, 同研究との出会い, 思い入れ, 苦労した点, 今後の展開等について紹介する。

  • 橋本 哲夫
    2003 年 45 巻 8 号 p. 497-501
    発行日: 2003年
    公開日: 2019/01/08
    ジャーナル フリー

     簡便な高感度フィルムを使用したカラー写真撮影により, 放射線照射した火山噴出起源の石英粒子や陶磁器薄片から世界に先駆けて青色熱ルミネッセンス以外に赤色熱ルミネッセンス (RTL) 特性を見出した。これらのルミネッセンス特性には, Al不純物とともに含有水分や-OH基の放射線分解生成物であるH0ラジカルが大きな負の影響を与えていることがわかった。また, 石英や長石鉱物に加熱や光照射を行うときのルミネッセンス (発光) 量は, 過去に被曝した放射線蓄積線量に依存しているので, ルミネッセンス年代として, 数十万年より新しい年代測定や人為的被曝線量評価に利用できることを確認した。さらに, 万英/長石粒子のRTL測定用に, 小型X線発生装置を搭載したルミネッセンス (R&BTL/OSL/IRSL) 自動測定システムを開発できた。このシステム開発により, 遅れがちな我が国の放射線誘起ルミネッセンス分野の研究が進展することが期待される。本稿では, 20数年にわたるルミネッセンス研究の跡をたどるとともに, 現状および将来への展望をも記述する。

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