日本原子力学会誌
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最新号
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巻頭言
Nuclear News
シリーズ解説
  • 佐賀山 豊
    2007 年 49 巻 3 号 p. 172-178
    発行日: 2007年
    公開日: 2019/04/05
    ジャーナル フリー

     2006年2月, 米国エネルギー省 (DOE) は, グローバル原子力エネルギー・パートナーシップ (GNEP構想) を発表した。GNEP構想は, (1)核燃料リサイクルによるエネルギー再生産とともに廃棄物を低減する, (2)化石燃料を低減, クリーンなエネルギー開発を奨励し, 世界の成長と繁栄を促進する, (3)最新の技術を用いて核拡散リスクを低減する, など米国を始めとする世界規模のエネルギー課題を巡る, まさに包括的なエネルギー・イニシアティヴとして登場した。
     本稿では, DOEによるGNEP構想の発表, 2トラックアプローチへの変更, そして現在に至るまでの日本原子力研究開発機構 (原子力機構) の係わりを中心にGNEP構想の背景, 経緯, のスタンスなどについて記載するとともに, 原子力機構で検討中のGNEP構想への協力内容・取組み方法について概説し, 原子力機構の立場から今後のGNEP構想の行方について総括的な展望を行う。

解説
  • 国吉 浩
    2007 年 49 巻 3 号 p. 179-183
    発行日: 2007年
    公開日: 2019/04/05
    ジャーナル フリー

     原子力政策円卓会議は, 1995年12月の「もんじゅ」事故を契機とする原子力に対する国民の不信・不安の高まりを受けて設置され, およそ4年間の活動の後, モデレーターによる提言を収りまとめてその役割を終えた。
     円卓会議は, いわゆる原子力反対派も参加し, 全面公開で行われるなど, 当時としては大胆な構想の下, 開催された。また, 手探りで始められたことからその形態は固定しておらず, 計23回の会議を通して, 円卓会議自体がその運営方法, 性格を変え, またモデレーターを含めた出席者の意識も変化し, 進化・発展していった。その結果, 「委員会等への幅広い立場の人の参加」の下, 「選択肢を示しそれに基づく評価を行う」という, その後の原子力政策やエネルギー政策の決定のあり方の先鞭をなす形となった。
     本稿は, このような円卓会議の過程を記録に残し, 再評価を試みるものである。

講演
  • ―室蘭から世界へ
    佐藤 育男
    2007 年 49 巻 3 号 p. 184-189
    発行日: 2007年
    公開日: 2019/04/05
    ジャーナル フリー

     本稿は日本原子力学会「2006年秋の大会」の記念講演の内容をまとめたものである。「2006年秋の大会」は北大で開催され, 北海道も原子力関連で頑張っているところを紹介するために「室蘭から世界へ」というサブタイトルをつけた。
     室蘭製作所は, 白鳥湾と呼ばれる天然の良港の地に民間最大の兵器会社として, 主に砲身と防弾鋼板を国産化するため, 1907年に創業を開始した。写真は, 大正10~15年当時に製造された軍艦用41cm榴弾砲の砲身である。終戦後の民需転換に伴い, これらの製造技術が原子力機器用材料等 (特に高品質鍛鋼品) の製造へ受け継がれた。
     近年, 世界各国では地球温暖化対策およびクリーンエネルギーとして原子力発電の役割が再評価され, 「原子力ルネッサンス」の声が大きくなってきている。新規原子力発電所建設が始まっているこの時に, 安全と信頼が不可欠である機器材料の開発の歩みを振り返り, 更なる信頼性向上へとつなげる材料製造を考えてみたい。

報告
「2006年秋の大会」から
  • 隈本 邦彦
    2007 年 49 巻 3 号 p. 192-198
    発行日: 2007年
    公開日: 2019/04/05
    ジャーナル フリー

     科学技術コミュニケーターとは, 科学者と一般社会の間の橋渡しをする人材をいう。理想的な科学技術コミュニケーターは, 科学的な基礎知識をバックボーンに持ち, 難しい科学の情報を, わかりやすく上手に一般の人たちに提供する。しかも, そうやって提供する情報は「科学者側か提供したいと考えている情報」ではなく「一般市民が知りたいと考えている, いわば素人の文脈に沿った情報」である。
     そのような観点から科学技術コミュニケーターを養成する「北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット (略称CoSTEP) 」の学生さんに, 2006年秋の大会を取材し, 見聞記をまとめてみることをお願いした。参加してくださったのは, 3人の女性の受講生。
     いずれも理科系の基礎知識は持っているが原子力が専門ではない, いわば「半分素人」の感覚をもった人たちである。そうした立場の彼女たちの目に, 原子力学会はどう映ったのか, 従来の客観的な学会報告とは異なる視点での3人のリポートを紹介する。

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