日本原子力学会誌
Online ISSN : 2186-5256
Print ISSN : 0004-7120
ISSN-L : 0004-7120
47 巻, 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
巻頭言
解説
  • 中性子ビーム制御デバイスと検出器の新展開
    鬼柳 善明, 曽山 和彦, 清水 裕彦, 田崎 誠司, 高橋 浩之
    2005 年 47 巻 3 号 p. 172-177
    発行日: 2005年
    公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

     中性子利用のさらなる進展を目指して, J-PARC中性子源が建設中である。中性子ビームを, 電子ビームのように自由にコントロールできれば, 実験装置の革新やサイエンスの新展開につながる。近年, 中性子ビーム制御デバイスの重要性が認識され, その開発が日本で精力的に進められている。本稿では, 反射, 屈折, またスピン制御による中性子ビーム制御デバイスの最近の進展と検出器の開発状況について解説する。

  • 伊藤 洋一
    2005 年 47 巻 3 号 p. 178-182
    発行日: 2005年
    公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

     原子力施設の廃止措置等においては, 低レベル放射性廃棄物以外に, 極微量の放射性物質しか含まず人の健康へのリスクが無視できることから「放射性物質として扱う必要のない物」も相当量発生する。これらの物は, 放射性廃棄物として扱うべき物と安全に区分し, 合理的に達成できるかぎり資源として再生利用を図るとともに再生利用が合理的でない物については, 適正に通常の廃棄物として処分されることが循環型社会形成の観点から重要である。このため, 放射性廃棄物から「放射性物質として扱う必要のない物」を区分する基準となる放射性核種の放射能濃度 (クリアランスレベル) を定め, 高い信頼性を持って合理的に確認する規制上の確認手続きを整備することが急務となっている。本稿では, 原子力安全・保安部会廃棄物安全小委員会で検討されたクリアランス制度検討の背景, 規制上の枠組み, クリアランス制度の社会での定着に向けた取組みについて詳説する。

インタビュー
報告
講演
  • 石井 吉徳
    2005 年 47 巻 3 号 p. 193-199
    発行日: 2005年
    公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

     昨年 (2004年) 9月9日 東京プレスセンターで日本原子力学会再処理リサイクル部会主催の講演会を開催した。前半の講演者米国原子力学会のベネデクト博士が「米国は燃料リサイクル (再処理) の研究開発を本格化すること, さらに輸送に使われる石油 (ガソリン) の1/4を原子力でまかなう計画である」と述べた。米国の方針転換の背景には, 安くて豊かな石油時代が終わることをきちんと認識しているからであろう。後半の石井吉徳氏の講演を同時通訳のイヤホンを耳に当て, しきりにうなづいていた。

     その貴重な講演を文章にしていただいた。

     「40年前も, 石油資源はあと40年しか持たないといったではないか」, 「国際機関IEAでは, まだまだ大丈夫といっているではないか」, 「メタンハイドレードなど代替資源もあるではないか」との疑問にも適切に答えていただいた。

     車社会米国では石油の7割以上が輸送に使われている。日本でも石油の4割以上が輸送に使われている。車社会からわれわれはどのように脱皮していくのか。便利なガソリンの代替をどうするのか。現在の農業も大型機械や肥料など石油が支えている。天然ガスも10から20年遅れてピークを迎える。天然ガスは発電の1/3を占める。この影響も大きい。

     リサイクルも熱力学から見れば, 流れが逆であり, その分エネルギーが要る。今の社会は, 安くて豊富な石油で成り立っている。われわれの生活にどのような影響があるか。どのような対策, 研究が必要か。みんなが考える問題である。本稿は皆様に考える原点を与えてくれるものと信じる。

     石油減耗への対策は, まだ世界的に解が得られていない。このような挑戦的な問題こそ, 大学, 研究機関が競って, 研究すべき課題である。

連載講座
会議報告
談話室
日米欧原子力国際学生交流事業派遣学生レポート
新刊紹介
feedback
Top