将来のクリーンエネルギーオプションとして, 水素エネルギーが注目されている。水素エネルギー技術開発プロジェクト (WE-NET) で実施された, 我が国における水素エネルギー導入ロードマップ策定の研究結果をロードマップ骨子案として示し, 合わせて主要な技術開発課題を解説する。
大学においては, 研究用原子炉を始めとして, 核燃料使用施設などの原子力関連施設が利用されており, 法人化後の大学における原子力工学教育研究の在り方を検討することが焦眉の課題となっている。この状況に鑑み, 主な教育研究機関としての北海道大学, 東北大学, 東京大学, 東京工業大学, 武蔵工業大学, 東海大学, 名古屋大学, 京都大学, 大阪大学, 近畿大学, 神戸商船大学, 九州大学の関係専攻等からの参加を得て, 研究用原子炉のみならず, 法人化後の大学における原子力工学教育研究の在り方を俯瞰する視点から, 広く原子力関連施設の課題と対策について検討した。本稿では, アンケート調査の結果とともに, 連携協力して対処すべき課題とその対策を示す。
米国マサチューセッツ工科大学およびハーバード大学の研究者の連名による標記の学際研究報告書は, その多岐にわたる検討内容と具体的な提言から, 米国内のみならず世界各国から注目を集めた。本稿は, その概要と, 米国内関連施策との関連や米国内外での反響を紹介するとともに, 今後, 日本として求められる対応について提案する。
平成14年夏に, 東京電力の原子力発電所の自主点検記録や原子炉格納容器の漏えい率検査に不正があったことが発覚した。これは, 原子力発電の安全に対する社会の信頼を大きく損ねた。このため, 原子力安全・保安院では, 東京電力に対する厳正な措置を講じるとともに, 不正事案の再発防止のために, 定期事業者検査制度および健全性評価制度の導入, 罰則の強化などの安全規制を抜本的に強化する電気事業法および原子炉等規制法の改正を平成14年秋に行い, 平成15年10月から施行したところである。
本稿では, 原子力発電所の不正問題とその再発防止策としての安全規制の強化策について, 原子力安全・保安院における取組について述べることとする。