日本原子力学会誌
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46 巻, 9 号
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巻頭言
解説
  • X線・ガンマ線検出器について
    平山 英夫
    2004 年 46 巻 9 号 p. 610-616
    発行日: 2004年
    公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

     計算機の性能の大幅な向上と計算コードの発展に伴い, 計算に基づく放射線検出器の特性研究や開発への活用の可能性が飛躍的に増大してきている。計算コードの使用により, 実測では得ることができない情報を調べたり, 実際に測定器の試作を行う前に特性の検討を行い, より効率的に目的とする検出器の開発を行うことも可能になっている。一方, 計算コードを用いて得られた情報を無条件に正しいものとして, その限界や使用条件を考慮しないで使用している例も増えているように思われる。しかしながら, 計算コードを用いて得られる情報は, 現実の放射線検出器の中で生じている複雑な現象に比べると限られたものであり, 計算結果の解釈や, そこから得られた情報に基づき放射検出器の開発を行う場合には, このことを十分理解しておく必要がある。
     本稿は, 代表的なX線・ガンマ線検出器について, 計算で得られる情報と検出器中でのエネルギー吸収後, 実際に「出力」として得られるまでに存在する様々な物理現象についての紹介を通じて, 計算コードを使用する上で知っておく必要があると思われることの理解を深めることを目的としたものである。

  • 前田 幸基, 大戸 敏弘, 三次 岳志, 仲井 悟, 鈴木 惣十, 原 広
    2004 年 46 巻 9 号 p. 617-623
    発行日: 2004年
    公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

     高速実験炉「常陽」は, 国のプロジェクトとして国産技術により設計, 建設および運転されてきたナトリウム冷却型の高速中性子炉である。「常陽」では, 増殖炉心 (MK-Ⅰ炉心) および照射用炉心 (MK-Ⅱ炉心) による四半世紀に及ぶ運転により, 高速増殖炉に関する技術的経験を蓄積するとともに, 高速中性子照射炉として燃料・材料の開発に活用され, 数多くの成果を上げてきた。2000年からは,「常陽」の照射性能を飛躍的に向上させるMK-Ⅲ炉心への改造を開始し, 2003年11月に改造工事を完了, 本年2004年5月からMK-Ⅲの本格運転を開始したところである。本稿では,「常陽」の高度化計画 (MK-Ⅲ計画) の概要を述べるとともに, 高性能化した「常陽」の今後の活用計画について紹介する。

講演
私の研究から
  • 柴田 惠一, 中川 庸雄, 河野 俊彦
    2004 年 46 巻 9 号 p. 634-638
    発行日: 2004年
    公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

     原子力を支える基盤データベースとして, 多くの研究者の協力により中性子と原子核の反応確率を表す核データベースJENDLを開発してきた。その開発は1970年代半ばから始まり, 最新版として2002年にJENDL-3.3を公開した。JENDL-3.3では, UやPu同位体の核分裂断面積および核分裂中性子スペクトルを改良するとともに, 中重核領域において理論計算による測定データの再現性向上を実現した。その結果として, 旧版JENDL-3.2で問題であった熱中性子炉での臨界性過大評価を解消し, 世界一信頼度の高いデータベー スとなった。今後, 革新的原子炉の研究開発等のために, 質・量とも充分対応できるJENDL-4を開発する予定である。

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