腸内細菌学雑誌
Online ISSN : 1349-8363
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15 巻 , 2 号
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  • 光岡 知足
    2002 年 15 巻 2 号 p. 57-89
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    世紀後半, 腸内フローラの研究は飛躍的に進展した.すなわち, 腸内フローラの検索・培養法の開発に始まり, 腸内嫌気性菌の菌種の分類・同定法が確立され, 多くの微生物生態学的知見が集積し, 腸内フローラは宿主の健康に有利にも不利にも働き, 腸内に有害菌が優勢に存在すると, 究極的には宿主の病的状態を惹き起こし, 一生の間には種々の疾病の原因ともなることが明らかにされた.一方, 有用菌の存在は大腸内の効果的な掃除役を果たし, 腸内に有用菌優勢有害菌劣勢のフローラバランスを維持することは疾病予防, 健康維持・増進につながることが明らかにされた.この発見がきっかけとなり, 機能性食品の考え方が生まれた.機能性食品は, ストレス, 食欲, 吸収などの体調を改善, アレルギー低減化, 免疫賦活などの生体防御, 下痢, 便秘, 癌, 高脂血症, 高血圧, 糖尿病などの疾病予防と回復, 免疫刺激, 変異原作用, 発癌, 老化抑制, 生体酸化, 腸内腐敗などの抑制を通して老化遅延に作用する.本講演では, これまでの腸内フローラ研究の進展とそれが機能性食品の開発にどのように反映していったかについて, われわれの研究を中心に述べ, 次いで, 今後, 機能性食品はどのように発展していくかについて考察を加えたい.
  • 上野川 修一
    2002 年 15 巻 2 号 p. 91-95
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    われわれは免疫系によって, 病原微生物による感染症の罹患, そしてさらにがんの発症から守られている.この免疫系のうち, 最も大きく精緻な構造を持っているのが腸管免疫系である.腸管免疫系には, 独特の性質を持った器官や細胞の抗体が存在し, 生体の防御にあたっている.すなわち, 腸管独特の抗体である免疫グロブリンAを産生し, 病原菌の侵入を防ぎ, 食品によるアレルギーを防ぐたあの経口免疫寛容を誘導している.本稿では, 腸内微生物, プロバイオティクス, プレバイオティクスとこの腸管免疫系との相互作用, そしてそれによって誘導される免疫反応にっいて述べる.
  • 平山 和宏, 田中 隆一郎, 光岡 知足, Dwayne C. SAVAGE
    2002 年 15 巻 2 号 p. 97-114
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    ヒトの腸内常在菌叢の研究は19世紀末にはすでに始まっていた.研究は20世紀前半にもゆっくりとではあるが着実に進められたが, 1960年代に入るまではその成果が医学その他のヒトの生物学分野で注目されることはほとんどなかった.1960年代に入ると, それぞれ偉大な実験能力と才能と創造性と先見性を兼ね備えたリーダーたちに率いられた8つのグループによって, 腸内細菌の研究が始められたのである.彼らの研究の成果は, 微生物に関する知見に新たな重要な事実を付け加えることになり, 今日まで続くこの分野における爆発的な興味の出発点となった.この総説ではこの研究分野に決定的な役割を果たした1960年代のリーダー達への賛辞として, この総説をまとめた.
  • 荒 勝俊, 吉松 正, 本多 泰揮, 川合 修次
    2002 年 15 巻 2 号 p. 115-122
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    健常成人20名に, ローカストビーンガムを1日5gずっ2週間摂取させ, 便性状及び代謝物の評価を行った.ローカストビーンガム摂取により, 糞便pHの低下及び腸内腐敗産物であるアンモニアや総アミン量の減少傾向が認められた.また便性状の改善, 便の色調の暗褐色から黄色がかった茶色への移行, 及び排便回数の増加が認められた.糞便フローラに関しては, 摂取による大きな変化は認められなかった.また, 糞便中の短鎖脂肪酸 (SCFA), 特に酢酸, プロピオン酸及び酪酸の増加が認められた.これらの結果から, ローカストビーンガムを1日5g摂取することで腸内環境を改善できることが明らかとなった.
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