腸内細菌学雑誌
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28 巻 , 4 号
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総  説 <平成25年度日本ビフィズス菌センター研究奨励賞受賞>
  • 岩淵 紀介
    2014 年 28 巻 4 号 p. 141-146
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/29
    ジャーナル フリー
    ビフィズス菌や乳酸菌といったプロバイオティクスの摂取はアレルギーや感染を予防・軽減することが知られ,これらの生理機能はプロバイオティクスがサイトカインなどの免疫パラメーターを調節することでもたらされると考えられる.しかしプロバイオティクスが免疫パラメーターをどのように調節するかについては不明な点が多い.本研究では,抗アレルギー作用や感染防御作用が臨床試験で示唆されているBifidobacterium longum BB536を用いて,ビフィズス菌がアレルギー発症に関わるサイトカイン・ケモカインの産生に及ぼす影響およびその作用機序をin vitro試験で検証し,ビフィズス菌摂取が感染防御に関わる免疫パラメーターに及ぼす影響を臨床試験で検討した.
総  説
  • 亀上 知世子, 牛田 一成
    2014 年 28 巻 4 号 p. 147-154
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/29
    ジャーナル フリー
    集約的な畜産において標準技術として発達してきた飼料添加抗菌剤の使用に政策的な制限が加えられるようになってきた.そのため,飼料添加用動物用薬剤の代替として様々な方法が模索されており,農場の徹底した清浄化や生菌剤の利用が注目されるようになってきた.代替技術としての生菌剤の給与は,家畜の健康維持や増体改善に効果を発揮して農場全体の成績や経営状態を向上させることが求められる.従って,生菌剤の開発にあたっては,生菌剤の効果とメカニズムに加えて,費用対効果を明らかにすることが重要であり,そのためには,生産物や飼料原料の価格動向,環境への影響など,畜種ごとに細かく内容が異なる項目に対して配慮が必要となる.生菌剤に対しては,経費節減への貢献だけでなく,例えば生産物の品質の向上など付加価値への貢献を求める声もある.畜産の現場での生菌剤は,実験的に効果のエビデンスを取得できたとしても,上述の項目が考慮された商品でなければ普及は難しい.また,進化系統的に大きく異なった家畜種に,実験動物で解明されたメカニズムをそのまま適用することは困難である.機能性を担保するメカニズムに関しては,それぞれの動物種についてのさらなる検討が必要であり,機能的に裏づけのある商品開発が求められている.
  • 長島 浩二, 久田 貴義, 望月 淳
    2014 年 28 巻 4 号 p. 155-164
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/29
    ジャーナル フリー
    近年,16SリボソームRNA遺伝子をターゲットとした分子生物学的手法は複雑な微生物群集の構造と機能を解明するための強力なツールとなっている.ここでは,同手法の一つであるT-RFLPとその関連技術ならびにT-RFLPを使って得られている研究成果について,著者らの考案した方法を中心に概説した.また,近年急速に普及してきた次世代シーケンサーによる網羅的解析とT-RFLPで得られた結果とが良く一致する幾つかの研究結果を紹介しながら,T-RFLPの今後の在り方について簡単に言及した.
報  文
  • 前田 彩子, 尾﨑 徹, 嶋川 真木, 大野 裕史, 山村 秀樹
    2014 年 28 巻 4 号 p. 165-172
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/10/29
    ジャーナル フリー
    微生物の生菌数を測定する平板培養法は,結果を得るまでに1日~数日間を要する.一方,マイクロコロニー法は,平板培養法を発展させた方法であり,コロニー形成の初期段階である微小なコロニーを,蛍光色素を用いて染色し,蛍光顕微鏡により測定することで,より短時間の培養で生菌数を測定することが可能である.マイクロコロニー法は,濾過により細菌を捕集するため,主に液体試料中の生菌数測定法に利用されており,固形試料などの不溶物が多く含まれている試料にはほとんど利用されていない.医薬品や医薬部外品として製品化されている固形生菌製剤の生菌数は,定められた規格法に従い,平板培養法を用いて測定されているが,さらに迅速,高精度かつ簡便な方法が期待されている.本報では,固形生菌製剤の生菌数の定量法としてマイクロコロニー法について検討し,以下の結果が得られた.1.製剤中における不溶性添加剤の非特異的な蛍光染色を防ぐために蛍光色素の選定を行い,SYTO®9が最適であった.2.150×g,5分の遠心処理で不溶性の添加剤を除去することにより,マイクロコロニーの形状の崩れが抑制された.3.マイクロコロニーの測定視野数を5倍の対物レンズを用いて10視野以上とすることにより,安定した測定結果が得られた.本測定条件によってビフィズス菌製剤の生菌数測定を実施したところ平板培養法と同等の測定結果が得られ,なおかつ,平板培養法よりも短時間でバラつきの小さい結果が認められた.さらに市販生菌製剤においても同様に生菌数を測定することが可能であることが確認された.以上のことから,固形生菌製剤中の生菌数測定法として,マイクロコロニー法が平板培養法の代替可能な試験法として使用できることが明らかとなった.
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