腸内細菌学雑誌
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27 巻 , 3 号
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報  文
  • 林 多恵子, 上田 宗平, 野本 竜平, 桑原 浩誠, 大澤 朗
    2013 年 27 巻 3 号 p. 151-158
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/10
    ジャーナル フリー
    緑茶カテキンはヒトの健康維持や増進に有用な様々な機能性を有しており,近年ではその抗肥満効果が注目されている.しかしながら,緑茶葉中のカテキンで大半を占める没食子酸エステル型のEpigallocatechingallate(EGCg)やepicathechingallateは非エステル型のepigallocathechin(EGC)やepicathechinよりも容易に食餌成分(例えばタンパク質)と複合体を形成することから腸管壁からの吸収率が顕著に低いことが知られている.他方,我々はタンナーゼを産生する乳酸菌Lactobacillus plantarum Lp22A-3株が食餌成分と複合体を形成したEGCgを加水分解してEGCと没食子酸に変換することをin vitroで確認している.そこで,我々はLp22A-3株がマウス腸内において複合体を形成したEGCgを腸壁から吸収され易いEGCに変換することで抗肥満効果が得られるかを検証した.その結果,EGCgおよびタンナーゼ産生乳酸菌を併投与したマウス群で糞便中のEGCg含量のみならず体重当たりの内臓脂肪量も顕著に減少することが確認された.これらの所見から,タンナーゼ産生乳酸菌Lp22A-3株はin vivoでもタンパク質等と複合体を形成したEGCgをEGCに変換すること,さらには緑茶カテキンの抗肥満効果を促進するプロバイオティクスとして利用できることが示唆された.
総  説
  • 岩淵 紀介, 清水(肖) 金忠
    2013 年 27 巻 3 号 p. 159-167
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/10
    ジャーナル フリー
    ビフィズス菌は腸内の優勢菌種の一つで,乳酸菌と並んで発酵乳などの形態でプロバイオティクスとして利用されている.このため,プロバイオティクスとしてのビフィズス菌がヒトの生理機能に及ぼす影響は,臨床試験や動物試験,細胞試験などで多数検証されており,中でもアレルギー予防効果や感染防御効果といった免疫に関わる生理機能についての報告は多い.これらの研究から得られたビフィズス菌の生理機能やその作用機序に関する知見は,腸内細菌の宿主の免疫における役割を理解するために寄与するものと考えられる.本稿では,ビフィズス菌の特徴に簡単に触れた上で,これまでに知られているビフィズス菌による免疫に関連した臨床効果とその作用機序について述べる.
  • 大草 敏史
    2013 年 27 巻 3 号 p. 169-179
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/10
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎(UC)の病因については,以前から細菌原因説があり,1920–40年代までは盛んに研究がなされていたが,その後,自己免疫の概念が提唱され,炎症性腸疾患も自己免疫性疾患とされて,細菌原因説は見向きもされなくなった.しかし,1983年H. pyloriが発見され,胃,十二指腸潰瘍の原因菌として認められるようになってから,再び,UCの病因として,腸内細菌に注目が集まってきている.また,最近,Toll-like receptor(TLR)ファミリーが次々と発見され,TLR4をはじめ,TLR2,TLR5,TLR9などが細菌をリガンドとして認識して炎症性サイトカインの産生に至るといった自然免疫系が解明されてから,腸管炎症発生に関する腸内細菌の役割についての研究がますます盛んになってきている.本稿では,我々が原因菌の一つとして提唱しているFusobacterium variumとUCについて,同菌をターゲットとした抗菌薬多剤併用療法も概説し,あわせて,最近報告された大腸癌とFusobacteriumとの関係についても述べる.
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