腸内細菌学雑誌
Online ISSN : 1349-8363
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ISSN-L : 1343-0882
26 巻 , 4 号
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総 説
  • 光岡 知足
    2012 年 26 巻 4 号 p. 211-222
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    私は,生まれつき内気で.小学校では,絵・ポスター・書の制作,昆虫標本・模型の製作に熱中した.成蹊高校尋常科に入学し,よき師友に出会い,草川信先生により「クラッシック音楽」に開眼,中村草田男先生から「純粋に生きる尊さ」を教わり,これが,私の終生の信条となった.終戦とともに授業が再開され,植物学の前川文夫先生の講義に深い感銘を受けた.高等科に進学した頃,人生に悩んだが,その時,私の心を支えてくれたのは河合栄治郎著『学生に与う』と矢内原忠雄先生の言葉であった.東大に入学し,再びよき師友にめぐり合うことができ,研究者となることを決意した.大学院で,越智勇一先生の指導を受けたことが,私の人生を決定づけた.BL培地を開発し,成人の腸内にビフィズス菌が優勢菌として検出されることを発見,これが今日までの研究の基礎となった.1964年から2年間のベルリン留学により海外のよき研究者と知己を得,その後の研究に計り知れない恩恵を受けた.帰国後,多菌株接種装置および腸内フローラの包括的検索法を開発,腸内フローラの生態学的法則を明らかにし,“腸内細菌学”を開拓し,次いで発酵乳・オリゴ糖の効用を発見し,“バイオジェニックス”を提唱した.創造には,「直観」が重要である.直観は,純粋な心で,強靭な忍耐力をもって真理を探求する過程で突如として現れる.研究者は,清廉潔白に徹せねばならない.私は『創造の成果は,純粋な心で,努力を重ねた結果,授けられるものである』と確信している.
  • 金城 順英, 土橋 良太
    2012 年 26 巻 4 号 p. 223-233
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
    大豆はイソフラボンとサポニンなどのフィトケミカルを豊富に含むことでも有名であり,そのうちイソフラボンはエストロゲン様作用を示すことが知られている.また食用豆類の伝承的薬効としてサポニンによる利尿作用なども知られている.一方,葛花はマメ科クズの花部を用いる生薬で肝保護作用を示すが,その活性本体はイソフラボンとサポニンであり,構造的に大豆成分と酷似している.構造上の微妙な相違点が,どのように生物活性に影響を与えるのか,腸内細菌叢による代謝反応が活性化に必要ではないかと推論し,ヒト由来の腸内細菌を用い実験を企図した.その結果,以下の知見が得られた.【1】肝保護作用において,a)サポニンではよりシンプルな構造が寄与し(C-24 methyl基),葛花サポニンの方が大豆サポニンより若干強い作用を示す.b)イソフラボンでは葛花イソフラボンのみ肝保護作用を示す.【2】女性ホルモン様作用は,大豆イソフラボンのよりシンプルな構造が顕著に寄与し,大豆イソフラボンのみに認められ,葛花イソフラボンには全く認められない.【3】腎保護(抗補体)作用において,大豆サポニンの腸内細菌および肝臓で代謝されたsoyasapogenol B monoglucuronideが葛花サポニンの代謝物に比べ強い活性を示す.【4】これらの活性発現において,腸内細菌による影響(代謝活性化)が非常に大きい.
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