真菌と真菌症
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25 巻, 4 号
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  • 秋貞 泰輔, 原田 薫, 馬場 久衛, 鎌口 有秀, 衛藤 馨
    1984 年 25 巻 4 号 p. 303-311
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Candida albicans においては, 普通厚膜胞子のみが生体染色されることが知られているが, 厚膜胞子を着生する suspensor cell あるいはその他の仮性菌糸の中にも厚膜胞子と同様にコトン青 (またはメチール青) 酸性液により生体染色されるものがあることが供試60株中33株において認められた. これら染色性を獲得した菌細胞はすべて細胞壁肥厚の様相を呈していた. さらにこの被染色性仮性菌糸は超薄切片による電顕的観察により, 細胞壁内層の著しい肥厚および著明な液胞形成がみられ, 微細構造的にも厚膜胞子と同様の所見を呈しており, 仮性菌糸が外形を保持したまま厚膜胞子へ転換していることが確認された. また光顕による微小集落の発育過程の経時的観察により, 仮性菌糸の厚膜胞子への転換過程と定型的厚膜胞子の成熟への過程は両者間には時間的遅速はあるが, ともに菌細胞の肥大と細胞壁の肥厚であり基本的には同一様式をとつていることが明らかになつた.
    この仮性菌糸の厚膜胞子化現象の観察から, 定型的厚膜胞子は仮性菌糸から形成された分化した特異な細胞ではなく, 仮性菌糸自身の viability の低下した最終細胞相であることが強く示唆された.
  • 山本 容正, 岩田 和夫
    1984 年 25 巻 4 号 p. 312-324
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Candida albicans の産生する糖蛋白毒素を体液中より微量検出することを目的とし, 本毒素抗原を検出するためのラジオイムノアッセイ (RIA) 法の検討を行つた.
    結合標識抗原と遊離標識抗原との分離法としてポリエチレングリコール (PEG) 法と Sepharose-coupled antibody を用いる固相法の2種について検討した結果, 血清を被検材料としたときは, 固相法による RIA 法が PEG 法に比して比較的高い感度と安定性を示した. この場合, 血清中に含まれる抗カンジダ抗体を除去するための前処理を必要とし, そのために血清を蒸留水で希釈した後, 100℃, 20分の加熱処理を行つた. このような標識毒素抗原を用いた RIA の特異性は, Candida マンナンを含んだ菌体抗原に共通する反応であることを明らかにした. 本測定法により血中の10ng/mlオーダーの毒素抗原を検出することができた.
  • 第2報 白血病マウスにおける実験的アスペルギルス症
    阿部 章彦, 舘山 美樹, 渋谷 宏行, 恩村 雄太
    1984 年 25 巻 4 号 p. 325-331
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    白血病患者における深在性真菌症の易感染性について, ステロイドホルモンと cyclophosphamide の及ぼす影響にいかなる差異が認められるかを検討するため, 白血病マウスに実験的アスペルギルス症を発症せしめた.
    その結果, 白血病マウスに単独に Aspergillus fumigatus を接種した群の平均生存日数は8.5日であつたが, 末梢血リンパ球に強い障害を示すステロイドホルモンを併用すると, 著明なリンパ球減少をきたし, すべて5日目までに死亡し, Aspergillus による病変も多臓器にわたつていた. 一方, cyclophosphamide の場合には, ステロイドホルモンと比較すると, リンパ球減少は軽度で, A. fumigatus 接種白血病マウスに併用した場合でも, Aspergillus による病変の程度は軽く, リンパ球減少傾向の著明でないものでは, 比較的長期の生存例もあつた.
    以上の結果より, 白血病治療時には, ステロイドホルモンのような末梢血リンパ球を著明に減少させる薬物ほど, Aspergillus 感染に与える影響は大きいと考えられる.
  • 第20報 Asp-hemolysin の化学修飾
    横田 勝司, 一ノ渡 俊也, 蝦名 敬一
    1984 年 25 巻 4 号 p. 332-339
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Aspergillus fumigatus より精製した Asp-hemolysin の溶血活性部位について, 化学修飾試薬を用いて検討した.
    Asp-hemolysin のN末端アミノ酸はDNS法によつてアルギニンとトレオニンが検出された.
    溶血活性はDTNB, 2-PDS, 4-PDS, NQS, TNBSならびにグリオキザールによつて阻害を受けることから, 本毒素の活性部位にはSH基とアミノ基の存在が示唆された.
    3個のSH基のうち, 1個がDTNBで化学修飾を受けると溶血活性は急激に失活した. また同じような結果が4-PDSの化学修飾によつても得られた. その他の2個のSH基は1%SDSや1N NaOHの共存下で, はじめてDTNBと反応した. このDTNBと4-PDSの反応から2個のSH基が分子内に埋もれており, 1個のSH基が毒素分子の表面に露出しているものと示唆された.
    以上の結果は, Asp-hemolysin の溶血活性の発現に1個のSH基とアルギニン残基が重要な役割を担つていることを示唆した.
  • 佐藤 勇一, 小関 史朗, 高橋 伸也
    1984 年 25 巻 4 号 p. 340-343
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    一心身障害者コロニーにおける白癬の実態を調査した. 総園者数497名中白癬と診断された者は237名 (47.7%) で, 男女とも大半が30歳台であり, 障害の程度と罹患率には明確な関連性はなかつた. 症例総数は319例で, その内訳は, 足白癬202例 (63.3%), 手白癬2例, 爪白癬100例 (31.3%), 体部白癬10例, 股部白癬5例であつた. 足白癬の病型別では趾間型が, その71.3%を占めていた. 分離菌種は Trichophyton rubrum 85株 (59.9%), T. mentagrophytes 56株 (39.4%), Epidermophyton floccosum 1株であつた. 重複症例は22例で, 足白癬と爪白癬の合併が最も多く (59.1%), 原因菌は T. rubrum が72.7%を占めていた.
  • 久保田 武美, 高田 道夫
    1984 年 25 巻 4 号 p. 344-350
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域における ketoconazole についての基礎的・臨床的検討を試みたので報告する.
    1) 本剤300mg, 1回経口投与後の膣組織, 子宮頚管組織内濃度を測定した結果, 本剤は膣組織, 子宮頚管組織に移行し得ることを証明した.
    2) 本剤300mg, 1回経口投与後に膣内容を採取し膣内容中濃度を測定した結果, 本剤は膣内容中にも移行し得ることを証明した.
    3) 本剤の抗菌力は Candida albicans に比べ Torulopsis glabrata において低い MIC を示していたにもかかわらず, 臨床的には Torulopsis glabrata 検出例において無効例が多くみられた.
    4) 膣ならびに外陰の真菌症に対し本剤を投与してその有効性を検討した. 投与法を (1) 1日100mg分1, (2) 1日200mg分1, (3) 1日200mg分2, (4) 1日300mg分1, (5) 1日300mg分3の5群に分けてそれぞれ5日間投与した. 対象は初発例69症例であり臨床効果, 真菌学的効果いずれも4群が優れていた (有効率84.2%). しかし投与法を違えても著明な差はみられなかつた.
    5) 副作用は全くみられず, 投与前後の臨床検査においても異常はみられなかつた.
    本剤は経口剤であるので, 他剤による局所治療のみで無効, 難治である例に対しても利用価値があると思われた.
  • 第2報 実験的白癬に対する治療効果
    俵 勝也, 砂川 則雄, 竹間 盛夫
    1984 年 25 巻 4 号 p. 351-357
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Arthroderma vanbreuseghemii による実験的モルモット白癬を作製し, 710674-Sの含有濃度別クリームならびにゲルについて病変スコアおよび菌陰性率を指標とした治療効果を検討した.
    菌感染後5日目より連続10日間各薬剤を塗布した結果, 710674-Sの各クリームおよびゲル (0.5%, 1%および2%) は何れも治療効果を示し, その効果は主薬の含有濃度の高い順にすぐれていることが認められた.
    710674-S 1%クリームの治療効果は対照剤 clotrimazole 1%クリームと同等であつた. また710674-S 1%ゲルの治療効果は同1%クリームおよび clotrimazole 1%クリームと同等であつた.
  • 第5報 モルモットの実験的皮膚真菌症に対する Ketoconazole クリームの治療効果
    皆川 治重, 北浦 晧三, 岡地 諒, 中溝 喜博
    1984 年 25 巻 4 号 p. 358-362
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Trichophyton mentagrophytes によるモルモットの実験的白癬に対し, 2% ketoconazole (KCZ) クリーム, 1%KCZクリームおよび1% clotrimazole (CTZ) クリームで治療を行なつた. 感染21日目における薬剤無投与対照群の皮膚病変のスコア値は3.60±0.92であつたが, 2%KCZクリーム, 1%KCZクリームおよび1%CTZクリーム治療群のスコア値はそれぞれ1.70±0.90, 1.70±0.78および2.90±1.14であり, 2%KCZクリーム治療群, 1%KCZクリーム治療群は薬剤無投与対照群に比べ, また1%KCZクリーム治療群は1%CTZクリーム治療群に比べ5%以下の危険率で有意に低い値を示した.
    Candida albicans によるモルモットの実験的カンジダ症に対しても同様に治療を行なつた. 感染21日目における薬剤無投与対照群の皮膚病変のスコア値は3.60±0.92であつたが, 2%KCZクリーム, 1%KCZクリームおよび1%CTZクリーム治療群のスコア値は, それぞれ0.00±0.00, 0.00±0.00および0.40±0.92であり全ての治療群は薬剤無投与対照群に比べ5%以下の危険率で有意に低い値を示した.
  • 久保 等, 広川 政己, 大河原 章, 芝木 秀臣
    1984 年 25 巻 4 号 p. 363-369
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    北海道において稀な Microsporum gypseum 感染症の2例を報告した. 症例1は8歳, 女児. 上口唇を擦りむいた部に生じた体部白癬. 症例2は30歳, 男性. Microsporum gypseumTrichophyton mentagrophytes の重複感染による右足白癬で, Microsporum gypseum による足白癬は少なく, また Trichophyton mentagrophytes との重複感染は稀有な例である.
    症例1が負傷した場所と普段遊んでいた公園の土壌から Trichophyton terrestre を分離した. 土壌からの本菌の分離は本邦における第2番目の報告で, いずれも北海道の土壌からである. 最近, 本菌の病原性を指摘する報告があるので, 菌学的に検討した. その結果, 症例1が負傷した土壌からの菌は本邦でこれまで報告のない Arthroderma insingulare で, 公園の土壌からの菌は Arthroderma quadrifidum であつた.
  • 西本 勝太郎, 筱田 英和
    1984 年 25 巻 4 号 p. 370-371
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    We report a 69 year-old male patient with Microsporum gypseum infection on his scrotum. The lesion was a form of annular erythema, not the diffuse erythema with scaling usually seen in the cases of tinea scroti due to anthropophilic dermatophytes. The fungus was seen as clusters of short hyphae in the scale from the lesion and was identified as M. gypseum. The patient had been confined to bed and the route of contagion was not detected. The lesion healed rapidly with topical application of isoconazole cream.
  • 第6報 Ketoconazole 及び類縁物質の真菌及び乳酸桿菌に対する抗菌力について
    米山 裕, 小林 智, 岡地 諒
    1984 年 25 巻 4 号 p. 372-378
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    合成抗真菌剤 Ketoconazole (KCZ: KW-1414) の類縁物質であるR-39519 (脱アセチル体) 及びR-44319 (トランス体) は Candida 属菌種の一部と皮膚糸状菌に対してわずかに抗菌力を示したが, HLI-151 (酸化型) はこれらの真菌に対して抗菌力を示さなかつた. また, KCZの生体内代謝産物である2種のピペラジン誘導体R-43568ならびにT-1141もこれら真菌類に対して全く抗菌活性を示さなかつた. 膣内常在性乳酸桿菌に対してはKCZ, R-39519, R-43568及びT-1141は全く抗菌力を示さなかつた. 一方, KCZ 200mgを1回経口投与したヒト健康成人の血中 (1~2時間) には, Kluyveromyces fragilis 55-1を用いたバイオオートグラフィーの結果ではKCZ以外には抗菌力を示す代謝産物は検出されず, 同じく尿中 (2~4時間) にも抗菌活性を示す物質は全く検出されなかつた.
  • 亀田 洋, 佐々木 哲雄, 高橋 泰英, 黒沢 伝枝, 中嶋 弘
    1984 年 25 巻 4 号 p. 379-386
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    73歳, 女性 (神奈川県在住) の右下腿に生じた Phialophora verrucosa による皮下の膿瘍性病変の1例を報告し, 若干の文献的考察を行つた.
    旅行先のフィリピン・パナイ島海岸で右下腿に挫創を受け, 5週後創下方の皮下膿瘍に気づいた. 膿瘍部穿刺にて暗赤色膿汁を排出し, 鏡検にて一部に発芽のある淡褐色菌糸を多数認めた. 培養にて表面灰白色短絨毛に覆れた黒色集落を得, スライドカルチャーにて Phialophora 型分生子形成のみを認めた. 病理組織学的には, 真皮深層から皮下組織にかけて膿瘍をとり囲む肉芽腫性壁が認められ, 淡褐色で隔壁のある菌糸, 菌糸発芽, 胞子連鎖, 大型胞子を多数認め, 同時に大小不同の砂利片と思われる異物も多数認めた. 異物を含む膿瘍壁を掻爬し, ガーゼドレナージを行い, 抗真菌剤を投与せずに経過観察約1ヵ月にて病巣は瘢痕治癒し, 1年後再発を認めていない. 自験例は, Phialophora verrucosa による皮下の膿瘍性病変としては, 世界で2例目と思われる. 黒色真菌による皮下の膿瘍性病変は, phaeo-sporotrichose, phaeohyphomycosis, phaeomycotic cyst などと呼ぼれている. 本症の発病には, 宿主の免疫力低下とともに, 異物の組織内貯瘤も重要な因子と考えられ, 自験例のように異物を含めた膿瘍壁の掻爬により治癒する可能性があると思われる. 膿瘍部穿刺標本や生検組織内に菌系を主とする多様な褐色菌要素を認めることが, 診断の際, 重要と考えられる.
  • 坪井 良治, 栗田 依幸, 松田 和子, 根木 信, 小川 秀興
    1984 年 25 巻 4 号 p. 387-390
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    Candida albicans を人皮膚角質を窒素源として添加した液体培地で培養すると, 角質溶解性タンパク分解酵素 (keratinolytic proteinase: KPase) が産生されるが, Sabouraud 培地内では KPase は産生されない. 今回は, この人皮膚角質片を窒素源とした液体培地を用いて C. albicans を培養し, その菌増殖に及ぼす培地内pH及び各種 protease inhibitor の影響を比較検討した. その結果, C. albicansは弱酸性の液体培地で増殖が認められ, 特に KPase の至適pHであるpH4.0で最も強い増殖能を示した. また各種 protease inhibitor を添加した実験では KPase (carboxyl protease) の阻害剤である pepstatin だけが C. albicans の増殖を強力に抑制した. 以上のことより pepstatin の抗カンジダ作用は, C. albicansが人角質に侵入する際産生する KPase を阻害することによる2次的 (間接的) 作用に基づくものであることが想定された. さらにこのpepstatinと既知の抗真菌剤である clotrimazole を同じ条件下の培養系に添加し, 抗菌作用を比較したところ, 前者の方が遙かに強力な抗菌作用を示した. 従つて今回の実験結果は, C. albicansの人表皮角層内増殖に際し, KPase が不可欠な働きをしていることを裏付けると共に, protease inhibitor である pepstatin が新しい作用機序の抗真菌剤となりうる可能性をも示唆した.
  • 浜本 恒男
    1984 年 25 巻 4 号 p. 391-402
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    気管支肺アスペルギルス症38例 (肺アスペルギローム24例, アレルギー性気管支肺アスペルギルス症13例, 気管アスペルギルス症1例) ならびに対照群94例 (20~30歳代の健康成人50例, 気管支喘息20例, 肺結核10例, 肺ノカルジア症2例, カンジダ血症12例) について, Aspergillus fumigatus 抗原に対する血中抗体の有無を寒天ゲル内二重拡散法 (DD), counterimmunoelectrophoresis (CIE) および間接赤血球凝集反応 (IHA) によつて検討した. DD, CIEは, A. fumigatus (ATCC 26430) より作製した粗抗原を, IHAはA. fumigatus HA antigen (Roche) を抗原として使用した.
    その結果は, 肺アスペルギロームでは, CIE, DD, IHAの順に陽性率が高く, アレルギー性気管支肺アスペルギルス症では, IHAがCIE, DDよりもより陽性率が高かつた. また肺アスペルギローム症例の追跡調査では, 術後あるいは抗真菌剤の空洞注入により菌球が消失した後2~3年で血清中抗体は消失した. IHAが最も早く陰性化した.DD, CIEは簡便な検査法であり, 肺アスペルギローム診断における信頼性は高かつた. 一方IHAはアレルギー性気管支肺アスペルギルス症に対して, DD, CIEよりも有用な検査法と考えられた. さらに, これらの血清学的検査は, 気管支肺アスペルギルス症の診断のみでなく, 治療効果の判定や菌球再発など追跡調査にも役立つものである.
  • 伊藤 章, 長岡 章平, 高橋 宏, 佐野 文彦, 進藤 邦彦, 福島 孝吉
    1984 年 25 巻 4 号 p. 403-411
    発行日: 1984/12/20
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
    内科領域真菌症12例に, ketoconazole を投与し, 以下の成績が得られた.
    1. カンジダ血症2例, カンジダ尿症4例, 真菌性肺炎3例, 肺アスペルギローマ1例皮下カンジダ性膿瘍1例, 脳内クリプトコックス症1例, 計12例に本剤を投与した.
    2. 臨床的には, 著効1例, 有効5例, やや有効5例, 無効1例で, 12例中6例で有効以上の成績であつた.
    3. 検出菌は, Candida sp. 9例, Aspergillus sp. 1例で, 真菌学的には, 消失7例, 減少1例, 菌交代1例であつた.
    4.副作用としてはGOT, GPT, Al-p上昇が1例で認められた以外は特に認められなかつた.
    5. 本剤は内服剤であり, 抗真菌剤の少ない現在, 深在性真菌症に対して用いられる有用な抗真菌剤となりうるであろう.
  • 1984 年 25 巻 4 号 p. 413
    発行日: 1984年
    公開日: 2009/12/18
    ジャーナル フリー
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