日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
22 巻 , 3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 2011 年 22 巻 3 号 p. 149
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 栗山 健一
    2011 年 22 巻 3 号 p. 151-157
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    近年の研究の進歩により,睡眠が様々な記憶の増強・長期保持に重要であることが証明されつつあるが,その背景となる神経学的メカニズムは明らかになっていない。睡眠中の様々な状態指標や生理学的特徴と,記憶増強との関連が示唆されているが,記憶・学習の種類や,情動等の付加条件により所見は一致せず,一定のコンセンサスは得られていない。本稿では現在までに得られている主な知見を紹介し睡眠中の記憶・認知機能に関して論じた。さらに一部のストレス関連障害の背景病理における睡眠の関与およびその予防方策における睡眠調節の可能性を示した。
  • 越前屋 勝
    2011 年 22 巻 3 号 p. 159-164
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    うつ病に対する断眠療法は,一晩の断眠直後から効果が発現する,有効率が約60 %と高い,副作用が少ない,薬物抵抗性の難治性うつ病にも有効である,といった利点がある。一方で,効果が持続しにくい,患者側・治療者側の負担が大きい,診療報酬請求ができない,といった欠点があり,今日まで我が国では普及してこなかった。しかし,断眠療法の効果を増強・持続させる方法について多くの研究報告が蓄積されてきた。断眠療法単独ではなく,抗うつ薬,炭酸リチウム等の薬物治療,高照度光療法あるいは睡眠位相前進等を併用することで,断眠療法の効果を増強・持続させ得ることが知られている。うつ病の治療においては一般的な薬物治療のみでは難渋・遷延するケースも少なからずあるため,断眠療法を治療選択肢の1つとして組み入れることは難治例の解決や治療期間の短縮につながると期待できる。
  • 肥田 昌子, 三島 和夫
    2011 年 22 巻 3 号 p. 165-170
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    睡眠覚醒にみとめられる概日リズムは内因性の生物時計システムにより制御されている。この生物時計システムは中枢である脳視床下部・視交叉上核のみならず他の組織・器官の細胞にも備わっており,生物時計発振機構には時計遺伝子群が構成する転写・翻訳制御のネットワークが深く関与している。睡眠相前進型,睡眠相後退型,フリーラン(非同調)型などの概日リズム睡眠障害は,生物時計機能の異常や不適応から生じていると考えられている。概日リズム睡眠障害の病態は徐々に明らかにされつつあるが,より精確に理解するためには,患者の生物時計機能障害を正しく評価することが必要である。既存の手法では,深部体温や神経内分泌リズムを数週間にわたって測定する必要があるため,医療現場での普及は進まず,より実用性のある評価法の開発が求められている。現在までに明らかになっている概日リズム睡眠障害の病態と生体組織を利用した時計機能代替測定法について紹介する。
  • 加藤 美香子, 土居 裕和, 篠原 一之
    2011 年 22 巻 3 号 p. 171-175
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    夜間睡眠が,子どもの認知・情動機能に与える影響について展望した。既存の研究によれば,睡眠時間短縮,睡眠効率低下の影響は,前頭前野を中心となした神経ネットワークによってになわれる高次認知機能を低下させることが明らかになっている。しかし,睡眠が高次認知機能に与える影響は,子どもの発達段階によって異なる可能性が指摘されているほか,社会経済的階層などの因子と複雑に関係している。以上のように,夜間睡眠が子どもの認知・情動機能に与える影響を議論するに際しては,子どもの年齢・バックグラウンド情報を加味した検討が必要である。
  • 高野 晴成
    2011 年 22 巻 3 号 p. 177-180
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    電気けいれん療法(ECT)の作用機序に関して,positron emission tomography(PET)等を用いた研究を概観した。ECTの全般性けいれん発作最中には脳幹や間脳,基底核,側頭葉内側部で特に有意な脳血流の増加がみられ,発作の全般化に関して中心脳の重要性が示唆された。また,発作後10 ~30分の脳血流は前部帯状回,内側前頭部で有意に低下し,視床で増加していた。発作後に前頭部で脳血流が低下するという所見は,Sackeim らのECTによる発作後の脳の抑制が作用機序と関連しているという仮説を支持すると考えられる。また,ECTの脳血流に対する慢性効果に関しては,結果は一致していないが,測定方法の違いや,最終治療からの時間経過も関与していると思われる。さらに最近,神経伝達機能への影響として,1コースの治療前後でのドーパミンD2受容体やセロトニン2A受容体の変化などが報告されている。
  • 中村 元昭
    2011 年 22 巻 3 号 p. 181-189
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    経頭蓋磁気刺激法(TMS)は,磁気をエネルギー媒体とした非侵襲的な中枢神経刺激法であり,電磁誘導によって脳内に渦電流を誘導する。渦電流によって主に介在ニューロンが刺激され間接的に錐体細胞が興奮する。単発TMSや 2連発TMSは運動誘発電位(MEP)を介して中枢運動伝導時間や運動野の興奮性・抑制性の調節機構を調べることができる。反復性TMS(rTMS)は神経可塑性を亢進し刺激終了後にも持続する長期効果を持つため,精神神経疾患の治療応用研究がなされている。うつ病に対するrTMSの治療的使用は1995年以降,盛んに研究され,2008 年には米国FDAの承認を受けた。rTMSの抗うつ効果は電気けいれん療法(ECT)よりも小さいが,抗うつ薬と同等の治療効果を持つことが明らかとなった。新しいrTMS として Theta Burst Stimulation(TBS)と Quadro-Pulse Stimulation(QPS)が注目されている。
  • 行正 徹
    2011 年 22 巻 3 号 p. 191-198
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation,TMS)は非侵襲的に大脳皮質を刺激できる。単回刺激(single pulse TMS)と連続刺激(repetitive TMS,rTMS)の 2種類に大別される。 TMSの抗うつ作用に関しては多くの研究がなされ,うつ病を中心に精神疾患の治療へも適用されてきている。本稿では,磁気刺激の物理学的原理とその生体へ及ぼす影響及び副作用,また,TMS の施行の実際などに焦点をあてて述べる。TMSの作用機序についても複雑ではあるが,電磁気学的な観点から多少触れる。その上でTMSのうつ病治療への応用に関しても自験例を述べることとする。 TMSは基本的に安全な治療法であり,今後うつ病などの精神疾患の治療へとその応用が普及・発展していくことが望まれる。
  • 鵜飼 聡
    2011 年 22 巻 3 号 p. 199-205
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    これまでに多様な精神疾患・病態を対象に反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療の臨床研究が報告されているが,その対象はうつ病に対するものが圧倒的に多く,その他,統合失調症の言語性幻聴と陽性・陰性症状,強迫性障害についてはメタ解析が報告されている。うつ病に対して,rTMS は,電気けいれん療法との比較では有効性・即効性の面で及ばないものの非侵襲的で忍容性が格段に高く,薬物との比較では遜色のないレベルの有益性があるとの報告もある。米国食品医薬品局は2008年にうつ病に対して適応に厳しい条件を付けたうえでrTMSを認可しており,今後の症例数の増加,臨床研究の発展が期待される。統合失調症の幻聴に対しては比較的良好な成績が示されているが,陽性・陰性症状および強迫性障害に対しては有益性が示されていない。外傷後ストレス障害については複数の二重盲検試験が報告されているが,現状ではメタ解析が可能なレベルの報告はない。
  • 江頭 一輝, 松尾 幸治, 渡邉 義文
    2011 年 22 巻 3 号 p. 207-211
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
    修正型電気けいれん療法(m-ECT)はうつ病をはじめ種々の精神疾患および一部の神経疾患に対し有効な治療法である。m-ECTのさらなる普及およびECTの治療効果や副作用を適切に議論するためにm-ECT施行方法の標準化が求められているが,発作の有効性を評価するための発作時脳波評価の具体的な基準は,われわれの知る限り報告されていない。欧米では発作時脳波スケールを用いた発作時脳波と治療効果の関連について,その性状が良いと治療効果も高いという所見が多くみられている。われわれは,発作時脳波スケールを用いたECT施行アルゴリズムを作成し,このアルゴリズムの臨床的有用性について後方視的検討を行った。アルゴリズムを導入した群は導入しなかった群と比べて少ないECTセッション数,短いECT期間で改善しており,本アルゴリズムの臨床的有用性が示唆された。
  • 融 道男
    2011 年 22 巻 3 号 p. 213
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
  • 加藤 進昌
    2011 年 22 巻 3 号 p. 215-216
    発行日: 2011年
    公開日: 2017/02/16
    ジャーナル オープンアクセス
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