ダム完成後30年程度経過した筑後川水系江川ダム貯水池上流端堆砂部にオオタチヤナギ群落が発達していた。航空写真判読および樹齢解析により, 1986年に定着し始めたことがわかった。貯水池上流端は冠水するが, オオタチヤナギの種子散布時期に水位低下することが多く, 地表面の露出により発芽・定着が可能であった。オオタチヤナギは根元から1 m程度の範囲が, 年平均66日, 多い年で連続200日冠水し, さらに出水に伴う土砂の堆積があり, 植物にとっては厳しい条件下であるが, 不定根を発達させながら生育し続けている。
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