ダム工学
Online ISSN : 1880-8220
Print ISSN : 0917-3145
ISSN-L : 0917-3145
27 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 茂木 秀則, 曽田 英揮, 田那部 直也, 佐藤 信光
    2017 年 27 巻 4 号 p. 254-264
    発行日: 2017/12/15
    公開日: 2017/12/22
    ジャーナル フリー

    本研究では徳山ダム(独立行政法人水資源機構・岐阜県揖斐郡揖斐川町)における試験湛水前から2014年8月21日までの長期間の地震観測記録にNIOM法を適用して堤体内の地震波の伝播時間と物性値の変化を検討した。その結果,(1)堤体上部区間では試験湛水中の水位上昇に伴う伝播時間の増加,また,試験湛水後には堤体の剛性増加による伝播時間の減少が見られること,一方,(2)下部区間では単調に伝播時間が減少し,湛水による有効土圧の低下の影響も見られないことを示した。また,(3)地震時には一時的に堤体の剛性が低下することがあることから,地震動の分析によって平常時の堤体の物性を把握しておくことの重要性を指摘した。

  • 金銅 将史, 小堀 俊秀, 佐々木 隆
    2017 年 27 巻 4 号 p. 265-278
    発行日: 2017/12/15
    公開日: 2017/12/22
    ジャーナル フリー

    コンクリートダム堤体の振動特性の変化から地震動による構造体としての健全性への影響を診断する手法を構築することを目的に,堤体の基礎部と上部で得られた地震動観測記録から算出されるダム堤体の伝達関数の地震動作用中の経時変化を分析した。その結果,強震動を受けたダムでは,ダムに構造的損傷が認められなくても横継目の挙動によると考えられる一時的な固有振動数の低下が生じることがあること,また構造的損傷を受けたダムにおいて,ダム堤体の固有振動数が強震動作用時に不連続に低下し,後年においても回復していない例があることがわかった。

ノート
feedback
Top