ダム工学
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31 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
報告
  • 前田 豊浩, 黒羽 陽一郎, 小菅 憲正, 片山 三郎
    2021 年 31 巻 2 号 p. 181-188
    発行日: 2021/09/15
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    椛川ダムは香川県高松市塩江町に位置する堤体積43万m3の重力式コンクリートダムである。このダムは夜間工事に制限があるため,通常のダム工事のように24時間連続施工ができなかった。そのためダム堤体打設工事における打設中断作業により実打設時間の低下が懸念されたため,施工効率を上げ,生産性を向上することが課題となった。そこで巡航RCD工法の採用とICTを活用して,施工の効率化を図った。後者のICT活用は,コンクリートの打設管理のオンライン化やクラウドカメラによる現場状況の見える化により,生産性向上を目的とするものである。

  • 中野 孝威, 桑野 陵一
    2021 年 31 巻 2 号 p. 189-199
    発行日: 2021/09/15
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    流水型ダムの特徴は,河床部に放流設備(常用洪水吐等)を設けることで洪水時のみ貯留する形式である。またダムはV字谷に建設することが有利とされ,流水型ダムは放流設備を河床部に設けるため,各放流設備が狭隘な箇所に密集することとなる。つまり,遮水機能が重要なダムの品質確保を図るうえで,マスコンクリートの温度ひび割れ抑制に加え,設備の密集によるひび割れ抑制が重要であった。本報告は常用洪水吐に着目しひび割れ対策および効果について述べたものである。

  • 太田 親, 森田 貴宏, 徳永 篤
    2021 年 31 巻 2 号 p. 200-211
    発行日: 2021/09/15
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    千本ダム堤体補強工事は,約100年前に築造された水道専用ダムである千本ダムを,日本で初めての施工となる堤体PSアンカー工法により耐震補強工事を行ったものである。重力式コンクリートダムの耐震補強工事では堤体の上下流に新たにコンクリートを打ち足す増厚工法が一般的であるが,外観に影響を与えず施工中もダムの供用が可能な工法を適用した。堤体PSアンカー工法の技術的課題と品質・工程の確保を図った対応策について報告する。

  • 片山 三郎, 太田 兵庫, 石井 喬之, 畠山 峻一
    2021 年 31 巻 2 号 p. 212-223
    発行日: 2021/09/15
    公開日: 2021/09/23
    ジャーナル フリー

    建設業を含む産業界では労働人口の減少が進む中,2024年には改正労働基準法が建設業に適用されるなど,労働環境が著しく変化しており,労働力不足の解消や生産性向上は極めて重要な課題となっている。これに対して,近年Society5.0や国交省の「インフラ分野におけるDXの推進について」などに代表するように,データを利活用して可視化,自動化する,CPS(Cyber-Physical Systems)を導入した社会課題解決が進められている。本論はCPSの概念を取り入れて施工管理における生産性向上を目指した現場管理システム「T-iDigital Field」を新たに開発し,施工中のコンクリートダム現場に導入して生産性向上効果を検証したものである。

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