ダム門柱は,一般の橋脚とは異なり,ゲートを支持するため門柱断面が大きくなる傾向があり,その結果,相対的に鉄筋比が少なくなる構造的な特徴がある。また,門柱の基面は流水を安全に流下させるため,基面が下流側へ下がる形状的な特徴を有している。このため,強い地震動に対しては一般的な骨組みモデルによる耐震性能照査では適切な評価が難しい課題がある。本検討では,ダム門柱の耐震照査において上記の特徴に対処できる,3次元ソリッドモデルによる非線形動的解析の適用性を検討したものである。
北薩トンネルは,鹿児島県北薩地域と鹿児島空港を結ぶ北薩横断道路にあり,トンネル掘削中にその中央付近の100m区間から,高濃度のヒ素を含む地下水が約300t/h湧出した。そのため,ダムのグラウチング工法により減水対策工を実施した結果,40t/h以下に減水することができた。本報文は,本施工前に実施した試験グラウチングの詳細について報告するものである。
重力式コンクリートダムの構造設計において安全性に大きな影響を及ぼす荷重の一つである揚圧力を取り上げ,基礎排水孔による揚圧力の低減効果について理論的な面から考察を行い,設計上の課題を示すとともに,その改善案と設計上の配慮事項を提案した。