ダム工学
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7 巻, 2 号
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  • 森本 浩之, 木山 英郎
    1997 年7 巻2 号 p. 72-79
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    個別要素法は, 解析対象領域を数多くの分離した剛体要素の集合体としてモデル化し, 各々の剛体要素の運動を追跡して全体としての変形を取り扱う, すなわち不連続体の解析手法である。本稿では, 個別要素法をフィルダムに適用し, 地震時の堤体挙動を解析する手法の基礎的研究を行った。動的解析にあたって, 入力地震動には観測地震波を用い, 減衰定数はフィルダム堤体の応答加速度に関する既往の解析結果をもとに設定した。検討の結果, 非線型バネを用いることにより堤体各部の応力と変位を適切に評価することが可能であることが明らかになった。
  • 与口 正敏, 巻幡 敏秋, 井口 俊雄
    1997 年7 巻2 号 p. 80-89
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    寒冷地のダムの取水設備は, 凍結による設備の破損や操作障害を避けるため, 気泡噴流によってダム湖下層の温水を表層に連行する方式が多く採用されるが, 研究例が少なく, 不明な点が多い。本研究は, このような現象を定量的に把握するため, 乱流モデルを用いた数値解析手法を検討したものである。造船用ドックの実機相当スケールの実験と十勝ダムの実機実験を実施し, 気泡噴流によって発生する熱流動場の検証を行うとともに, 金山ダムの観測結果を基に氷融解計算法を提案し, より適切な装置設計を可能にした。
  • 荒井 治, 高須 修二
    1997 年7 巻2 号 p. 90-97
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    建設省所管ダムにおける水質調査の結果から, わが国のダム湖の水質は全体的には良好であるが, 流入河川の栄養塩レベルや洪水時の濁度は高く, 多くのダム湖が一時的な水質問題を生じる可能性があると判断される。水質問題の本質は水域への汚濁物質の流入であり, 段階を踏んで長期的に実施される流域対策が基本となるが, 暫定的な即効性のある対策も必要である。本論文は, その対策についてダム湖水質の実態を踏まえて論じたものであり, 水質問題の発生状況から, 湖内の流動や表層の植物プランクトンの増殖環境を制御する手法が, 水質対策として効果的であるとしている。
  • 豊田 光雄, 吉田 等, 延山 政之
    1997 年7 巻2 号 p. 98-113
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    RI法は, 多点数のデータ収集や迅速な品質管理に向いており, 置換法の課題をかなり解消することができる。しかしながら, フィル材料に適用するにあたっては, 測定領域の拡大や省力化の面でいっそうの改良が必要である。本論文は, 従来のRI密度計による測定法をフィル材料へ適用するうえでの, これまでの課題を取り除くことを意図して開発した自動走査式の表面型密度・水分計について, 従来の機種と比較試験を行い, フィル材料への適用性について論じたものである。
  • 森 吉昭, 島田 保之, 幸村 秀樹, 高橋 章
    1997 年7 巻2 号 p. 114-123
    発行日: 1997/06/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    中央遮水壁型ロックフィルダムの各ゾーンのうち堤体の安定性を確保するシェルゾーンには, 要求品質に見合うように自然地山深部の堅硬な岩石を使用している。この材料を採取するためには採石場表層付近の土砂, 軟岩を大量に廃棄する必要があり, ダム工事費増加の要因の一つとなっているため, 重回帰分析手法を用いて廃棄材料の有効活用を図った。本報告は, その検討結果について述べるものである。
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