ダム工学
Online ISSN : 1880-8220
Print ISSN : 0917-3145
ISSN-L : 0917-3145
15 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
論文
  • 角 哲也, 井口 真生子
    2005 年15 巻2 号 p. 92-105
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    水資源開発や洪水調節を目的として建設されてきた貯水ダムの将来における最大の課題はダム堆砂による貯水容量の減少である。今後, ダム貯水池容量の持続的管理のための土砂管理計画が極めて重要となってくる。ここでは, 土砂管理計画の決定補助ツールとして世界銀行が開発したRESCONモデルを紹介し, その中のフラッシング排砂の技術的評価手法が日本のダム貯水池にも適用可能か否かを検討した。さらに, 日本のいくつかの貯水池に適用させた場合の結果をもとに, 今後, この対策を広く適用していくための課題について考察した。
  • 櫻井 寿之, 柏井 条介
    2005 年15 巻2 号 p. 106-119
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    貯水池流動の鉛直2次元モデルによるシミュレーションは貯水池の水温・水質を予測するために用いられる。鉛直2次元モデルは基礎式, 渦動粘性係数の取扱い, 数値計算法等の違いによってさまざまなモデルがあるが, モデルの相違による貯水池流動における計算結果への影響は十分に明らかにされてはいない。そこで, 本研究では, 流動のほかに水温と濁質を取り扱う鉛直2次元モデルを作成し, 渦動粘性係数の取扱いと圧力の取扱いの違いに着目して, モデルのレベルを変えて貯水池の典型的な流動現象を計算し, モデルレベルによる計算結果への影響を比較した。その結果, 渦動粘性係数の取扱いによる影響は比較的顕著であり, 圧力の取扱いによる大きな差異は認められなかった。
  • 山口 嘉一, 冨田 尚樹, 水原 道法
    2005 年15 巻2 号 p. 120-136
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    1995年の兵庫県南部地震以降, 大規模地震に対する土木構造物の耐震性能確保に対する社会的要請がますます高まってきている。フィルダムに関しては, レベル2地震動によるすべりや揺すり込みなどにより天端が沈下した状態でも, 越流により堤体が壊滅的な被害を受けないことを確認することにより, その耐震性能を照査することが考えられている。本研究では, 中央土質遮水壁型ロックフィルダムを対象に, 等価線形化法に基づく動的解析およびNewmark法によりレベル2地震動によるすべり変形量を算出し, 地震動の最大加速度, 堤体の上下流斜面勾配, 貯水位および鉛直方向の地震動がその安全性に及ぼす影響について考察を行った。
  • 山口 嘉一, 小堀 俊秀, 横森 源治, 大野 誠, 岩崎 智治
    2005 年15 巻2 号 p. 137-148
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    管理ダム数が年々増加する一方で, ダム管理費用の縮減を達成しなければならない現状において, ダムの安全管理のための計測の合理化が強く求められている。本研究では, フィルダムの安全管理のための重要計測項目の一つである外部変形について, 従来の光波測量と水準測量による測定にかかる時間, 費用およびそれらに起因する計測頻度などの課題を解決するために, トレンドモデルで誤差処理を施すGPS (全地球測位システム) 計測システムの適用性を検討した。具体的には, 既設の中央土質遮水壁型ロックフィルダムにおいて, その外部変形をGPS計測システムと光波・水準測量による従来の方法とにより計測し, 本研究で用いたGPS計測システムが従来の方法と同等, ないしはそれ以上の精度でフィルダムの外部変形を計測可能であることを実証した。
  • 上田 幸彦, 荻原 国宏
    2005 年15 巻2 号 p. 149-160
    発行日: 2005年
    公開日: 2008/01/11
    ジャーナル フリー
    スキンプレートを下流側に配置したシェル構造ローラゲートの下端から放流すると, 扉体が巨大な水室となるためゲートには扉体底面の圧力と扉体内水重の合成力で表される下向または上向水理力が作用する。したがって, 扉体底面の圧力, ゲートの操作速度, 水室の体積および扉体底面に開けた通水孔の開口位置と総面積との間の関係が適切でないと, この水理力は非常に大きくなり, ゲートの操作機能に支障をきたす恐れがある。本研究は, シェル構造ローラゲート, および2段ローラゲート下段扉の開閉中に作用する鉛直方向水理力の解析法を提案するとともに, 数値解析による検討を加え, 通水孔の開口位置と総面積が鉛直方向水理力に与える影響について報告する。
feedback
Top