管理ダム数が年々増加する一方で, ダム管理費用の縮減を達成しなければならない現状において, ダムの安全管理のための計測の合理化が強く求められている。本研究では, フィルダムの安全管理のための重要計測項目の一つである外部変形について, 従来の光波測量と水準測量による測定にかかる時間, 費用およびそれらに起因する計測頻度などの課題を解決するために, トレンドモデルで誤差処理を施すGPS (全地球測位システム) 計測システムの適用性を検討した。具体的には, 既設の中央土質遮水壁型ロックフィルダムにおいて, その外部変形をGPS計測システムと光波・水準測量による従来の方法とにより計測し, 本研究で用いたGPS計測システムが従来の方法と同等, ないしはそれ以上の精度でフィルダムの外部変形を計測可能であることを実証した。
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