地すべりの移動体が平面的な形態を保って長距離を滑る状況を想定し, その変形解析のための擬似三次元LPFDM (ラグランジアン粒子有限差分法) を提示した。これは大きく移動し変形する地すべり土塊を斜面上に置かれた二次元曲面とし, これをラグランジアン粒子と呼ばれる点の集合で表現するものである。ラグランジアン粒子が運ぶパラメータは, 斜面上に固定されたオイラー格子にマッピングされ, その節点で運動方程式が解かれるため, いかに変形が大きくなっても計算が破綻することがない。またオイラー格子の節点に割り当てられた標高データは計算を通して変化することがなく, この点でもオイラー的記述と, ラグランジェ的記述の特徴を活かした計算の効率化が図られている。
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