ダム工学
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18 巻, 1 号
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調査団報告
  • 島本 和仁, 大町 達夫, 川崎 秀明, 岩井 慎治
    2008 年18 巻1 号 p. 4-9
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    2008年6月14日午前8時43分, 岩手県と宮城県の県境付近を震源とするマグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震が発生し, 震源に近い数ダムにおいて被害が生じた。そこで, ダム工学会災害調査委員会は, 調査団を結成し, 6月30日・7月1日の2日間にかけて現地に派遣し, ダムの被災状況の災害調査を実施した。調査したダムは, 国土交通省の石淵ダム, 胆沢ダム (本体施工中), 宮城県の荒砥沢ダム, 栗駒ダム, 岩手県の衣川1号ダムの5ダムであり, 今回の地震により堤体沈下・クラックなどの被害が生じた。本稿ではその状況について速報する。
論文
  • 成田 国朝, 木村 勝行, 奥村 哲夫
    2008 年18 巻1 号 p. 10-20
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    溜め池の水位が急激に低下する問題を対象にFEM飽和-不飽和浸透解析を行い, 堤体内の浸透挙動を明らかにしながら, 斜面の安定性の評価方法について二, 三論じた。まず遠心載荷実験の模型堤体を対象に浸透解析を行い, 実験値と数値解を照査して解析精度を吟味した。次に溜め池モデルを設定して数値解析を行い, 堤体内の浸透流や間隙水圧の時間的・場所的な変化を追究した。そして, これらの数値解を用いて円弧すべり破壊と浸透破壊の二つの側面から安定解析を行い, 現行評価との相違や破壊領域の設定の影響などを論じた。
  • 山口 嘉一, 佐藤 弘行, 西岡 正浩
    2008 年18 巻1 号 p. 21-35
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    ダム基礎グラウチングのセメントグラウト配合は, ルジオン値を指標として配合切替基準に従い設定されている。基礎地盤の透水性に対して貧配合のグラウトを注入することは, 注入時間の増大につながる一方, 富配合のグラウトでは, 早期に岩盤の割れ目内部で目詰まりを起こし少注入になる懸念がある。近年, 注入中のグラウト配合を短時間に調節できるシステムが開発されたため注入中の基礎地盤における透水性の変化に応じた配合の調節が可能となり, 結果として高効率の注入が実現できると考える。本研究では, 実績注入データに基づき, 注入中の基礎地盤の透水性とセメント注入速度の変化に着目して閉塞過程を分析した。さらに, グラウト注入量の予測方法と, 合理的な配合制御を行うための基準について検討した。
報告
  • 伊藤 隆, 沼宮内 雅人, 伊藤 和彦, 蓬莱 秀人
    2008 年18 巻1 号 p. 36-47
    発行日: 2008/03/15
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    中心遮水ゾーン型フィルダムのコア材 (土質材料) は, ダムの安全に関わる遮水機能が極めて重要でありその品質管理はとくに厳しく, 施工管理も重要なものとなる。一般にコア材はWopt (最適含水比) 付近のごく狭い範囲の含水比で締め固められる。当コア材の含水比はWopt+1.0%~Wwet (約4%) の範囲に設定されていた。しかし現地採取のコア材は高含水比であり, 5.0~10.0%の含水比を低下させる必要があった。これに対して強制曝気装置を開発し, コア材の含水比調整を瞬時に低下・調整を可能にした。
技術報告
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