ダム工学
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25 巻, 2 号
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論文
  • 白鷺 卓, 川野 健一, 池尻 健, 北本 幸義
    2015 年 25 巻 2 号 p. 79-88
    発行日: 2015/06/16
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    原位置で迅速かつ簡便に岩の変形特性が取得可能な打球探査法は,金属製の球形ハンマーを対象物に打撃することで,その弾性係数を迅速に求めるものである。まず,一軸圧縮試験と打球探査法から求められる弾性係数とを比較し,キャリブレーションを行った。次に,各種変形特性(変形,接線,割線)とひずみレベルに着目し,打球探査のひずみレベルを確認した。さらに,打球探査法による岩級および原石品質の原位置迅速判定法ならびに一軸圧縮強さとの関係について検討し,本手法により岩級,吸水率および一軸圧縮強さを一定の精度で判定できることを確認した。
報告
  • 今本 博臣, 高玉 はるか, 太田 志津子, 古里 栄一
    2015 年 25 巻 2 号 p. 89-98
    発行日: 2015/06/16
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    水資源機構が管理するダム貯水池の水質鉛直分布結果等をもとに,ダム貯水池底層における嫌気層の形成とそれに伴う水質障害の発生について検討した。その結果,12ダム中,秋季から冬季にかけて嫌気化しているダムは4ダム,夏季から冬季にかけて嫌気化しているダムは2ダム,通年嫌気化しているダムは2ダムであり,全体の2/3の貯水池で嫌気化が生じる季節が存在することが分かった。また,底層が嫌気化するか否かは,富栄養化の程度の指標である,貯水池総リン濃度と湖底から放流設備までの水深に関係することが示唆された。さらに,湖底から洪水吐までの水深が浅いダム貯水池では,底層の嫌気化で発生した硫化水素が洪水時に放流されることで,硫化水素臭障害が発生しやすくなる可能性が示唆された。
  • 奥村 裕史, 松本 匡司, 小山 喜久二, 野口 俊介
    2015 年 25 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 2015/06/16
    公開日: 2015/06/25
    ジャーナル フリー
    平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震により,電源開発株式会社の沼原発電所沼原ダムのアスファルト表面遮水壁に総延長1,547mのクラックが生じ,漏水量が急増した。現地の電力所,管轄する東日本支店(埼玉県)および本店(東京都)は対応を協議し,同日ダム水位の緊急低下を決定し,実行することによりダムの安全性を確保した。電源開発株式会社は,この災害対応の経験を共有するとともに,得られた教訓を今後の非常時対応に活かすことを目的として記録を作成した。本稿は,災害の概要,災害対応および得られた教訓について報告するものである。
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