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川上 雅弘, 安積 典子, 山内 保典, 萩原 憲二, 仲矢 史雄, 片桐 昌直
セッションID: 1G2-A4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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平成27年末に中央教育審議会から示された答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上 について~学び合い,高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~」では,これからの時代の教員に新たに求められる資質能力として,自律的に学ぶ姿勢や,アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善などが挙げられている。本研究では,14年前から継続実施している小学校教員を対象とした教員研修の改善を目指し,アクティブ・ラーニングの視点を取り入れた小学校教員理科研修プログラムの開発に取り組んでいる。本稿では,開発した教員研修プログラムの紹介とともに,参加者への効果などについて報告する。
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岡田 努, 野ヶ山 康弘
セッションID: 1G2-B1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は福島の原発事故後5年間に実施されてきた放射線教育の現状と課題に関する事例研究である。福島県内外の中学校での実践事例の調査と放射線に関するアンケート調査結果から,震災直後に「放射線に関する知識がないから恐れる」というイメージの固定化が顕著となったが,正しい知識を得ることで,原発や放射線の有効利用の是非等について多様な意見が見られ,調査した地域間に差異が見られた。さらに小中高校といかに接続すべきかという今後の放射線教育の課題も提示した。
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野ヶ山 康弘, 岡田 努
セッションID: 1G2-B2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は科学的リテラシー育成する教育カリキュラムに着目した事例研究である。福島の確かな事実を伝える授業カリキュラムを用いた授業を行い,生徒の記述の変容を分析した。その結果,中立な立場とは何か,確かな事実を知るとは何か,活用するとは何か,を学ばせる上でとても重要な要素であり,「確かな事実」を伝えることで,放射線に対する正しい知識の理解が進むことが明らかとなった。
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川島 紀子
セッションID: 1G2-B3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では中学校理科教育に着目し,東京都の教員を対象にした質問紙調査を行い博学連携の実態や課題を分析した。その結果,博物館の設置率が高い東京であっても,中学校現場では博学連携は進んでいないことが明らかとなった。また,教員経験が1〜10 年の教員が博物館との連携を全くしていない傾向が強く,教員養成段階で博学連携の重要性を学ぶ必要性があると考えられる。中学校で博学連携を促進していくためには,まずは博物館の教材貸出の利用や専門家と連携により,学校で実施することができる学習プログラムを開発していくことが必要ではないかと考えられる。
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渡辺 信
セッションID: 1G2-B4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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数学を生涯学習で続けることは難しい.しかし数学的思考は問題解決において生涯重要な思考方法として使う.学校教育での目標は生涯学習へと継続する数学を考える必要がある.数学愛好家としての生涯学習と日常生活の中での数学的思考の両方から数学学習の必要性を考え,生涯学習としての数学を論じる.
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-福島第一原子力発電所事故発生前後の教育界の現状と展開から-
藤岡 達也
セッションID: 1G2-B5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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福島第一原子力発電所(以後1Fと略記)事故発生時における教育行政の動きについて,通知などの教育行政文書,関係者への聞き取りなどを中心に調査を行った。まず,事故前後の対応として,文部科学省,福島県教育委員会,各教育事務所の指示・助言等の流れを時間軸に沿って整理した。1F事故は県教育委員会にとっても想定外であり,地震後の混乱の中で,地震被害及び発電所事故についての情報収集及び指示に対する苦慮の状況を掌握した。放射線教育の必要性はむしろ,子どもへの風評被害への対策が大きく,中越沖地震時の柏崎刈羽原子力発電所の放射線漏出時の学校対応も含めて,情報のフローは不十分であり,今後の教育界の部局を超えた新たな対応,教育が求められる。
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山崎 貞登, 磯部 征尊, 大森 康正, 上野 朝大, 山本 利一, 田口 浩継, 安藤 明伸, 大谷 忠, 松原 伸一
セッションID: 1G2-C1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,2015 年度発行の文部科学省検定済み小学校社会の4社教科書を調査対象として,松原(2014)の情報学修のコア・フレームワークに基づき内容を検討した結果,社会科の内容と,「プログラミング的思考」を含む「問題解決」との相乗効果を図る教科書や教材開発が必要であることがわかった。
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松田 稔樹
セッションID: 1G2-C2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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学習指導要領改訂に向け,各教科の見方・考え方が議論されている。しかし.数学的な見方・考え方に典型的に見られるように,そこに過去の研究成果が十分に活かされているか疑問がある。本稿では,何のためにそれを定義するのかに焦点を当て,科学的/技術的な見方・考え方を考察する。
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―Lederman によるVASI アンケート調査結果との比較―
福田 成穂, 中村 泰輔
セッションID: 1G2-C3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では,福田・中村(2016)とLederman et al.(2014)を用いて,Nature of Scientific Inquiry(NOSI)の理解の実態を比較した。その結果,NOSI の理解にある共通する傾向が見られた。また,NOSI のいくつかの側面で,福田・中村の調査した生徒の方がより良い理解を有していることが明らかとなった。
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-全国学力・学習状況調査の回答傾向から-
久保田 善彦, 平澤 林太郎
セッションID: 1G2-C4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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対象児童の言語性ワーキングメモリを児童版集団式リーディングスパンテストによって測定し,上位群, 中位群,下位群に分類した。それぞれの群と,平成27年度に実施された全国学力・学習状況調査の教科に関する調査(理科)の回答傾向について検討した。合計正答数には,群間の差はなかった。しかし,各設問の比較から,WM 低位児は,強固な既有概念,複数条件の同時検討,目に見えない事象をモデルで表現すること,視点移動等の困難性が示唆された。また,知識理解の「知識」,活用の「構想」にも差が見られた。
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𠮷岡 亮衛
セッションID: 1G2-C5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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PIAAC の数的思考力について、中学生について問うたところ、PISA の学力的には平均的であると推定される12 歳から15 歳において、PIAAC の数的思考力は既に一定程度身についていることが見い出された。
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磯部 征尊, 寺田 光宏, 野村 泰朗, 藤田 太郎, 上野 朝大, 大森 康正, 山崎 貞登
セッションID: 1G2-D1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,イングランドで2014 年から導入された教科「コンピューティング」について,STEM 教育の視座から,実施状況と課題点を明らかにするために,ロンドン市内とエクセター市内の現地調査を行った。同教科の授業を参観し,指導体制,教員養成と現職の継続的専門職能発達支援について調査した。
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- キーワード「モノづくり」の連想語の分析から -
小林 正明, 岩村 充希子, 三宅 正太郎
セッションID: 1G2-D2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,小中高校の児童や生徒のモノづくりに対する興味や関心が,小学校から中学校にかけ大き く変化していることに着目し,公立中学校の生徒を対象に「モノづくり」に関する意識調査を実施した. その結果,「モノづくり」という言葉への認識の違いが明らかになった.
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—制作経験や教科の学習などとの関連から—
三宅 正太郎, 小林 正明, 岩村 充希子
セッションID: 1G2-D3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本報告は,小中高校の児童や生徒のモノづくりに対する興味・関心が,小学校から中学校にかけ大きく変化していることに着目し,公立中学校の生徒を対象に「モノづくり」に関する意識態度に関わる要因の影響を調べる調査分析結果である.「モノづくり」の意識態度に関わる要因が個人の体験と制作過程における自己評価、教科の好き嫌い等に関連しているのが明らかになった.
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龍岡 寛幸, 古賀 信吉
セッションID: 1G2-D4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,熱エネルギーに関する小学校・中学校および高等学校の学習内容のつながりを明確にするとともに,熱エネルギーに関する概念形成にどのように関係しているかを明らかにした。また,大学生を対象に中和反応による温度変化に関する調査を行い,熱と温度変化に関する概念形成の問題点を明らかにした。さらに,その問題点を解決する手法として,科学的な思考のアプローチを組み込んだ新たな教材と既存の教材を化学変化と温度変化に分離して考えられるように再構築した授業カリキュラムについて提案する。
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橋本 典史
セッションID: 1G2-D5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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学生が化学の理論や法則等を習得するために,彼らが,それらに対応する化学計算問題を解くことは重要なことである。しかしながら,教科書等の化学計算問題の解法は,千差万別で統一性や適応性がないものが多い。そこで,欧米諸国が化学計算問題の解法に取り入れている次元解析方法を参考にして,従来の次元解析方法よりも,統一性かつ適応性のある新規次元解析方法を開発した。この開発した教育方法を「Jigsaw Puzzle Method」と名付けた。この教育方法を実際の化学の講義で使用した結果,極めて有効な結果が得られたので報告する。
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長南 幸安, 原田 拓真, 勝川 健三
セッションID: 1G2-D6
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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学校教育において,平成24 年度から施行された中学校学習指導要領理科では,「環境保全と科学技術の利用」の単元で「自然環境の保全と科学技術の利用の在り方について科学的に考察し,持続可能な社会をつくることが重要であることを認識すること」と明記されている。その中でカーボンニュートラルの概念は,地球温暖化対策の一つと期待されている。本研究の目的の一つは,教科書での新エネルギーを調査し,その中でバイオマスエネルギーがどのように扱われているか明らかにすることである。調査の結果,バイオマスエタノールを新エネルギーとして扱う一方で,カーボンニュートラルを記載している教科書が少ないことが分かった。またバイオエタノールの原料として,温帯でも育てることもでき,食料として競合することはないスイートソルガムが注目されている。スイートソルガムは教材化されておらず,既に教材化されているバイオマス作物と比較し,現実的な環境問題を考える教材としての可能性を探求したいと考える。 そこで本研究では,スイートソルガムを用いカーボンニュートラルから環境問題を考える教材を開発することを目的に,教材化に向けた品種の選定及び栽培方法と教材化に向けた実験方法を検討した。その結果,バイオマス教材としての可能性を見いだすことが出来た。
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―中学校第1学年「水中の微小な生物」を例に―
岩間 淳子, 松原 静郎
セッションID: 2G1-A1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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中学校学習指導要領及び中学校理科教科書における「水中の微小生物」に関連する内容と変遷を調査すると共に,教育系大学の学生を対象に「水中の微小生物」の観察実習を行い,生物観察を通した生物多様性の理解と生命観育成を検討した.昭和22 年,26 年試案では,「プランクトンの季節による変化の有様」,昭和33 年改訂では,第1学年で「水たまりの微生物」が扱われていたが,昭和44 年,昭和52 年,平成元年改訂では水中の微小生物の観察は,小学校第5学年の内容になっていた.平成10 年,20 年改訂では第1学年で「水中の微小な生物」が扱われるようになった.平成20 年改訂の教科書で扱われるプランクトンの種類数は,平成10 年改訂より平均1.4 種類増えており,ミジンコ,アオミドロ,ハネケイソウが全社で扱われていた.ミジンコは消化管や卵巣,育房などが観察しやすく,心臓の拍動や血流も観察できる.学生の観察記録には,「心臓もしっかり動いていて生き物のすごさを感じた」など,ミジンコの心臓の拍動や血流,生物多様性や生命の連続性に関する記述が見られた.水中の微小生物の観察を通し,一滴の水の中にも生命が存在すること,それらは多様性を持ち独自の方法で生命を連続させていること,またそれらの生命を育む環境を守っていくことが大切であることを伝えていきたい.
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小鍛治 優, 川崎 隆徳, 藤井 豊
セッションID: 2G1-A2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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九頭竜川の環境を題材に、地元住民らの協力を得て地域に特化した環境教育プログラムを展開した。河川環境と生物多様性の意義を学ぶ取組として、河川水質調査および魚類等の生息調査を行った。さらに希少野生生物の保全活動として、魚類の飼育増殖の取組を実施した。また、地域特有の食文化にふれなど、地域の伝統を受け継ぎ、自然環境を守る次の世代の育成にも取り組んだ。今回はこれらの活動を中心に紹介したい。
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川田 博基, 小西 伴尚, 秦 浩之, 井野 真奈美, 杉崎 隆, 南 創, 倉田 茂, 鈴木 伸明, 茂森 則幸, 服部 真一, 大池 和 ...
セッションID: 2G1-A3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では、現行の中学の理科教育の電気に関して,発電や利用は多く扱われているが送電がほとんど扱われておらず,教科書の中でも知識の紹介に留まっていることに着目し、中部電力の協力のもと,中学校第3 学年に対して,送電と交流について理科授業で扱うプログラムを考えたものである。 その結果、授業内での変電所への見学や専門家による授業を実施することができた。本発表では,2014 年度の実施を踏まえ,2015 年度本校で実施したプログラムを紹介する。今後,検討を重ねてもっとより良いプログラムを作成したい。
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珠山 信昭, 小澤 優樹, 坂本 捷彰, 三浦 孝之, 森川 雄介, 向 平和, 隅田 学, 中本 剛, 大橋 淳史, 日詰 雅博, 中村 ...
セッションID: 2G1-A4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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地域産業の一つである「塩づくり」をテーマにSTEM 教育に資する教材開発を行った。塩づくりの過程を理解しながら,海水に含まれるプランクトンの観察,エネルギー効率,塩製品の特徴と結晶構造の関係などSTEM 教材として活用できるプログラムが開発できた。また開発した教材を用いて,小学生,大学生を対象とした授業実践を実施した。その結果,本教材によって地域にとって身近な素材を用いることで,多様な領域や分野の内容を横断的,統合的に学習することができることが示された。
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竹野 英敏, 谷田 親彦, 安藤 明伸, 戸崎 聡, 寺田 春菜
セッションID: 2G1-A5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,イングランドRisingStars 社の「Switched on Computing Year3」の教材に着目し,我が国の一 般的な教員の現状を踏まえた実行性のある教材に改め,授業実践を試みた。その結果,プログラミング未経験の教員でも,児童に十分効果を与えることができる教材であることが明らかとなった。
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胸組 虎胤
セッションID: 2G1-A6
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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酵素は,化学反応を触媒する点では化学の教科内容であり,生命体から抽出される点では生物の教科内容であると捉えることができる。このように両方の教科の重複領域にある酵素という素材は両方の科目の複合的教材として利用できる可能性がある。本研究は食器洗機用洗剤と唾液のα-アミラーゼを用いたデンプンの加水分解反応の比較,プロテアーゼを用いたタンパク質の加水分解反応を例に,酵素に関する授業の展開方法を考察した。
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推論パターンの観点から
坂本 美紀, 山口 悦司, 岩鼻 春花, 鷲見 征哉, 稲垣 成哲
セッションID: 2G1-B1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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科学技術の社会問題に対する大学生の思考を調査した.Sadler and Zeidler(2005)に依拠して面接を実施し,遺伝子治療およびクローニングに関するシナリオ計6本を用い,各問題に対するインフォーマル推論等を調査した.先行研究にもとづいて推論パターンを分析し,シナリオごとの特徴や専攻による差を明らかにした.
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吉田 恭子, 野村 純, 山野 芳昭, 大嶌 竜午, アシャディアント サプト, 馬場 智子, 飯塚正明 , 板倉 嘉哉, 加藤 徹也, 木 ...
セッションID: 2G1-B2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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教員インターンシッププログラムであるツイン型学生派遣プログラム(ツインクル)は,日本の学 [キーワード]科学実験授業,ASEAN 諸国,教員インターンシップ,文理融合,テキストマイニング 生が文理融合チームを組み,ASEAN 諸国の高等学校において現地の大学生と協働して科学実験授業を実施するものである。本研究では,ASEAN 諸国での科学教育活動前後での学生の学びと成長について,学生の自由記述アンケートをテキストマイニングにより分析した。特に本報告では参加前後での授業に対する学生の意識変化について解析をした。この結果,学生が派遣前には授業を子ども中心の視点で考えていたが,派遣によるASEAN 諸国の高校での授業体験を経て,それぞれの授業の目的や目的に基づくあり方に変容することが示唆された。
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国沢 亜矢, 楠瀬 弘哲, 中城 満, 蒲生 啓司, 川崎 謙
セッションID: 2G1-B3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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理科の学習において児童が発表する意見には、観察された事実とそれに基づく思考・判断が区別されないことがよくある。さらには、他者の意見と自己の意見の混同も見られる。理科における問題解決学習において、児童の理解を促進させ論理性を育成するためには、児童が事実から思考・判断を区別した上で、自己と他者の意見を比較し、その相違点に気づくための支援が必要である。このような支援が無ければ、児童は自己の思考判断を無自覚・無批判のまま科学的概念を受け入れてしまう。本研究は、問題解決学習での事実と思考・判断の混在が顕著にみられる「予想を発表する場面」および「考察から結論に至る場面」に焦点を当て、自己の思考・判断を自覚させる手法を開発する試みである。より具体的にいえば、当該場面において児童の側に見られる事実と考えの混在の状況、加えて授業展開時における教師の側に見られる個別と普遍の区別に対する自覚の有無が児童の問題解決学習の成立に及ぼす影響を吟味した上で、この手法の開発は試みられている。
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高橋 聡, 高橋 B. 徹, 吉川 厚
セッションID: 2G1-B4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本論文では,PBL 導入の事前教材として,マンガケース教材を適用することを提案し,実験を行った.実験結果から,マンガケース教材が,PBL の初学者に対して,PBL で育成される様々なスキルに関する気づきを与えられることを確認した.
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中村 好則
セッションID: 2G1-B5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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全国学力学習状況調査の結果から,関数指導においてはグラフの読み取りや解釈に課題があることが指摘されている。本研究では,これらの課題を改善するために,LEGO Mindstorms とLabQuest2 を活用した教材を開発し,指導事例を提案するとともに,その効果を検討した。その結果,開発した教材と指導事例には,時間と道のりの関係とグラフとの関連付け,グラフの傾きと速さの関係の理解を促進し,グラフの読み取りや解釈に関する課題の改善に効果があることが示唆された。
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森田 直之, 滝澤 賢, 中安 雅美, 舘林 恵, 森口 哲平, 大熊 雅士, 川端 康正, 猪又 英夫, 白鳥 靖
セッションID: 2G1-B6
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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東京都立多摩科学技術高等学校(以下、本校)は、平成22 年に開校し、平成24 年に文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、4 年が経過した。これまで科学技術教育の一貫としての倫理教育の在り方について取り組んできた。本校では、SSH 指定科目である『科学技術と人間』の「技術者倫理」という単元において未来の科学技術を多く取り上げたウルトラセブンを題材に倫理教育を行なうプロジェクトチームを立ち上げた。本研究では、ウルトラセブンを題材とした初等技術者倫理教育の教材開発および倫理教育のアクティブ・ラーニング化への試みを報告する。
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高山 琢磨
セッションID: 2G1-C1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は近年その必要性が指摘されているプログラミング教育を中学校数学科において,どのように実践できるかに着目し,第2学年の連立方程式の学習における発展的課題として,アクティブ・ラーニングの手法を取り入れた実践を試みた.その結果,プログラミング教育を授業に取り入れることで,生徒の連立方程式に対する見方の変容が促進されることを確認する.
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山本 朋弘
セッションID: 2G1-C2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究では,小学校4校でタブレット端末を活用した授業を参観し,算数10 件理科8件合計18 件の授業映像を記録し,その活用場面を分析した。その結果,活用時間の平均は12.5 分,授業全体の約1/4 であることを示した。また,授業展開に応じて,個人思考と集団思考の両方で活用しており,「視聴」,「操作」,「撮影」,「図表化」の活用場面が見られ,シミュレーションの活用や実験結果の撮影等,算数・理科での特徴的な活用場面を整理した。さらに,教師の聞き取り調査から,参考事例の必要性,児童生徒の操作スキル等のタブレット端末の活用上での課題を整理した。
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大貫 麻美, 白鳥 信義
セッションID: 2G1-C3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は、米国における聞き取り調査で示された学校教育におけるPinterest 活用に着目し,日本の 科学教育におけるその活用性を探ることを目的として開始した研究の第一報である。本研究においては,まずCiNii Articles 及びEric Institute of Education Sciences のキーワード検索を用いて,Pinterest の活用に関する研究論文を調査した。日本の科学教育においてもPinterest を活用することは可能であると考えられる一方,日本語での適切な情報収集等には課題があることが示唆された。
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奥田 宏志
セッションID: 2G1-C4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,理科を指導する教員の英語力向上を可能とするため,筆者が継続して開発してきたタブレット型端末を用いたデジタル実験書を英語化することで教員研修用教材「デジタル実験書」を開発した.また,本研究では開発した英語版のデジタル実験書が,実際の実験活動において使用可能な教材であるかを検証するための評価も行った.
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谷塚 光典, 森下 孟, 市川 公明, 油井 幸樹
セッションID: 2G1-C5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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信州大学教育学部では,1年次に履修する臨床経験科目の中で,教育実習生による授業を参観する機会を設定しており,授業参観の視点を明確にしてから授業参観に臨むようにしている。本研究では,教員養成初期段階の学生が教育実習生授業を参観する際の,授業参観に関する事前指導の効果を明らかにすることをことを目的とする。分析の結果,「自分の教育実習への意欲が高まった」や「このような機会があれば,次回も参観したい」について「そう思う」と回答した学生が多かった一方で,「授業参観記録をしっかりと書くことができた」について「そう思う」と回答した学生は4 分の1 未満にとどまっていた。
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〜水耕栽培の利用〜
坪田 幸政, 原 佑実
セッションID: 2G1-D1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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気候リテラシーにおける「気候と人間活動の相互作用」を実験的に指導するための教材開発に向けて,市販の水耕栽培器による実験を行った.その結果,植物への気候影響(日照不足)や炭素循環の指導が可能であること,種子による差異や成長の指標などの課題が判明した.また,環境要因を測定するための測定機器に関する情報も得られた.
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-ゲームシミュレーションによる検証に焦点を当てて-
増田 朋美
セッションID: 2G1-D2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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西村ら(2013)は,イギリス「Bowland Maths.」に代表される問題解決型の学習が,「解が発散し,収束しないことは,現状では受け入れがたいこと」だと指摘する.本研究では,サッカーゲームに格納されている選手のデータを分析し,チーム作りを行う独自教材を実施し,学習の最後にはオリジナルチームがスペインチームに勝てるチーム作りができたかをゲームシミュレーションによって検証した.生徒の学習活動の様相や授業後の感想から,生徒にとってゲームシミュレーションが学習のよい「落としどころ」であると考察されたことから,今回のようなゲームシミュレーションによる学習の終着を課題の解決策の一つとして提案する.
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- Walden 反転 -
生尾 光, 贄田 隼人, 吉永 裕介, 小川 治雄
セッションID: 2G1-D3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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大学の化学実験向けに反応メカニズムをコンピュータグラフィクス(CG)で表示する電子実験書の開発 を行っている. 半経験的分子軌道法に基づき作成した CG には Walden 反転のモデルとして塩化メチ ルの水酸化, 1-ブロモブタンや 2-ブタノールの生成が含まれ, 実験としてはスモールスケールで行う 1-ブロモブタン生成が含まれる. CG は反応中の構造変化を空間充填や棒球モデルで,エネルギー 変化を反応プロフィールで表示することができる. 電子実験書は CG による反応機構の表示に加え, 実験方法のフローチャートや装置のスライド写真も表示し, 学生がスムースに実験を行う事ことができ る. 電子実験書は現象の観察と分子の世界の架け橋となることが期待される.
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田村 領太, 桐生 徹, 中野 博幸, 小松 祐貴, 久保田 善彦
セッションID: 2G1-D4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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中学校2 年生「電流とその利用」単元において,学習指導要領から,磁界の概念の導入とともに,磁石や電流がつくる磁界の観察から,磁界を磁力線で表すことを理解させるねらいがある。しかし,観察だけでは磁界がつくる模様しか見ることができないため,その模様から磁力線を想定しなければならない。先行研究では,磁界が作る模様と磁力線が関連付けられていないという調査結果が得られ,理解させることが難しい現状が明らかになっている。そこで,AR 技術を用い,棒磁石が作る磁界について磁力線と磁界の向きの矢印を重畳表示し,磁界がつくる模様と磁力線を同時に観察することで学習理解を促す教材開発を目的とした。
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-センサ接続インターフェースの検討-
高藤 清美
セッションID: 2G1-D5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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近年IoT(Internet of Things: モノのインターネット)技術が注目され、多くの企業等で活発に取り組まれている。筆者は、授業の中で手軽に活用ができる小型多点同時測定装置の開発をおこない、発表もおこなった[1-3]。この装置を開発した当時は、センサを接続するための適当な無線インターフェースが存在しなかったため、有線インターフェースのうち最も手軽な1-Wire インターフェースを採用し、実装した。しかし、近年のIoT 技術の発達普及の中で、無線かつ省電力なインターフェースが登場している。本研究は、小型多点同時測定装置のセンサ接続インターフェースを省電力な無線インターフェースに置き換え、より可用性の高い装置に改良することを目的とする。
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坂谷内 勝
セッションID: 2G1-E1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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IEA のTIMSS やOECD のPISA の国際学力調査結果によると、日本の生徒は統計に関する学力が高いといえる。しかし、簡単なグラフの読み取り問題の正答率は85%前後である。この正答率について全国学力調査結果の同様な問題と比較して考察する。また、加減乗除の数式問題の正答率についても言及する。
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− “定理ブロック”の活用による,証明を構想する活動の充実 —
宮﨑 樹夫, 村松 浩幸, 岩永 恭雄
セッションID: 2G1-E2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究は,証明の構想における定理の重要性に着目し,“定理ブロック”の活用を採用することにより,旧システムを,フローチャート証明のフレーム自体を構築する新システムに抜本的に改良した。
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藤原 大樹
セッションID: 2G1-E3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究では,第1 学年時に近似の考えに対して否定的であった生徒2 名に対して,2 年間以上の長期的な指導を受けた第3 学年時にインタビュー調査を実施し,その意識変容をみた.その結果,近似の考えを正当化して実行できるようになっていることが確認された.この変容の背景の1 つとして,近似の考えを用いて問題解決に取り組んだ複数の授業を生徒が類似経験として統合的に見て,方略として抽象化して捉えることができていたことが挙げられる.これらの授業には,現実の世界の事象を扱った数学科の授業のみならず,数学の世界の事象を扱った数学科の授業や他教科の授業も含まれており,教師が指導に生かす視点となり得る.
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坂田 尚子, 長澤 友香
セッションID: 2G1-E4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
会議録・要旨集
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本研究は,静岡科学館る・く・るにおいて平成27(2015)年度より実施している幼児とその保護者への体験型プログラム「めばえのかがく」について,その立ち上げから一年間を通した活動を振り返ることで,社会教育施設における幼い子どもへの科学教育のあり方を検討した。その結果効果的な活動の視点として,①身近な素材を使うこと,②発展的な遊びにつながるものであること,③少人数の対応であること,④いくつかのステップがあり文脈依存性があることの4 点が明らかになった。また、子どもが主体的に取り組み科学体験活動を楽しむことで保護者の科学館来館への満足度が高くなることが分かった。
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―信濃教育を事例として―
鈴木 哲也
セッションID: 2G1-E5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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大正後期から昭和初期に用いられていた尋常小学理科書及び尋常小学理科教授書を用い、当時の解剖に用いられた動物の種類や目的、倫理的配慮等を分析した。その結果、現代に通じる「動物に苦痛を与えないように配慮する」という発想が理科教育の中で取り入れられていた点があることが明らかになった。
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山本 智一, 神山 真一
セッションID: 3G1-A1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究では, 現職教員のアーギュメント構成能力育成プログラムに着目し, その効果を検証 した. 教職大学院の授業において, 山本・神山 (印刷中 b)が開発したプログラムを実施し, その前後における 2 つの転移課題の回答を分析した. その結果, プログラムは, アーギュメン トを指導する現職教員にとって, 自身のアーギュメント構成能力を向上させたり, 学習者のアーギ ュメントを評価したりする上で, 有効であることが明らかになった.
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林 武広, 土井 徹, 藤川 義範, 間處 耕吉, 磯﨑 哲夫, 魚谷 滋己
セッションID: 3G1-A2
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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小学校現職教員258 名を対象とした理科授業充実のための調査により,有効と思った研修経験は学年での話し合い・協議が卓越し,次いで他の教員による授業参観であった。また今後,推進すべき活動は経験で有効と思ったものと概ね同じであるが,特に学年での話し合い時間と教材研究等を行う時間確保を同時に選んだケースが多い。このことは学校の多忙感克服と更なる校内研修推進を示すものであろう。
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-理科の伝道師としての授業実践へのフォローアップを事例に-
村松 久和, 別府 桂, 榊原 保志, 三崎 隆, 坂口 雅彦, 天谷 健一, 神原 浩, 伊藤 冬樹, 竹下 欣宏, 笠原 大弘, 渋谷 ...
セッションID: 3G1-A3
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究では,理科の伝道師として中心的なリーダーとなって活躍する上級CST の授業実 践を,教科教育担当教員と教科専門担当教員とが一体となってフォローするアリーナ方式によって支援した.その結果,教材化の工夫と生徒の学習状況に基づく授業づくりを果たし,学習内容と日常生活を結びつけ,理科学習の有用性を感じることのできる生徒の現れる授業実践を実現することができた.
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授業研究から何を学ぶのか
越智 拓也, 上田 裕太, 磯﨑 哲夫
セッションID: 3G1-A4
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究では,中学校理科教師が,授業研究に取り組むこと,特に研究授業を行うことによって何を学ぶのかを明らかにすることを目的とした。H28年1月にA県の公立中学校の理科教師に対して調査を行い,教材研究,指導案作成,研究授業の実施,授業後の協議会のそれぞれにおいて何を重視しているのか/そのプロセスがどのように機能しているかを探査することによって,理科教師が授業研究において何を学ぶのかを検討した。その結果,教材を精査しながら授業におけるその活用の仕方を検討し,その目的に沿った授業を展開しようとしている点,協議会において他者からの批評を受けることで自らの省察を促している点の2点を指摘した。
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長谷川 直子
セッションID: 3G1-A5
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究は一般向けに幅広い学術の普及の手段として,大学生の作成した授業成果物に着目し,雑誌の出版やそれに付随するテレビ出演などを行った。その結果,今まで取り込めなかった層を取り込み,反響を得た一方で,学術界からは完成度や内容を疑問視する反応を得た。
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-小学校6年の単元「電気の利用」を事例として-
内海 志典
セッションID: 3G1-B1
発行日: 2016年
公開日: 2018/08/16
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本研究は, 小学校理科の教科書における日常生活との関連の取り扱いについて,小学校6年の単元「電気の利用」を事例として分析した。その結果,中学校理科の教科書と同様にミクロな視点とマクロな視点での取り扱いが見られるが,両者とも日常生活や社会との関連が学習の起点となり,学習が児童に意味のある状況をつくりだし,その中で科学的概念が学習できるように構成されていることが明らかとなった。
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