新しいピレスロイド系化合物であるフルバリネートについて,種々の室内試験及び野外試験を行い,しろあり防除薬剤としての可能性を検討した。
フルバリネートは,パーメスリン及びフェンバレレートと同等,それ以上の防蟻効力を示し,共力剤を配合す
ることによりフルバリネートの濃度を低下できる可能性がある。また,フルバリネートは,光安定性及び土壌中での安定性が比較的高かった。
フルバリネートを有効成分とする木部処理用油剤は,高い防蟻および防腐性能を示し,土壌処理用乳剤についても低濃度で十分な効力を発現した。
フルバリネートは,毒性が低くまた環境中での移行性がほとんどないことから,作業者等に対する安全性や環境保全の点で優れており,現行の有機リン系しろあり防除薬剤に替わるものとして期待される。
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