アクリル系ハイポリマーで複合化された木材にポリウレタンおよびフッ素樹脂塗装を行い, 耐候性の評価を行った。
その結果, 耐候促進試験ではポリウレタン塗装の場合, 500時間から光沢保持率が低下するが架橋度の高い複合化材では低下の傾向が緩やかであった。フッ素樹脂塗装では1500時間を経過しても, 初期の80%の光沢を維持した。屋外暴露ではポリウレタン塗装ではかなり初期から光沢が低下し, 架橋度が低い場合は12ケ月で50%程度の光沢保持率になった。フッ素樹脂塗装の場合は24ケ月後もほぼ初期の光沢を示すが塗膜の浮きや剥がれが観察された。その原因を繰り返し吸放湿試験や平面接着力試験の結果から, 含浸したコポリマー中の未反応OH基から発生するラジカルによるコポリマーの凝集力の低下, および複合化材の吸放湿による繰り返し寸法変化に伴うコポリマーの繰り返し疲労による凝集力低下にあると結論した。
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