穿孔抵抗による木材の劣化診断を,IML製レジストグラフM-300により実施した。
今回は,野外で暴露されたスギ材とヒノキ材の穿孔抵抗値と容積密度数の関係から,劣化の可能性が高いと判断する基準を,「穿孔深さが10mm以上の範囲における穿孔抵抗出力値の平均が,スギ材で2resi以下,ヒノキ材で3resi以下」と定めた。ここで,resiとはチャート紙上で示された穿孔抵抗出力値を表す単位で,1mmを1resiと定義した。
この基準値を用いることで,約3年間野外で設置された杭の内部の劣化状況を定量的に把握することができた。また,丸棒加工材にポリエチレン樹脂を被覆することで,少なくとも設置後3年までの劣化は軽減される傾向にあること,一方で,樹脂を被覆しても内側の木材の辺材部には腐朽が生じることが確認された。
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