水銀法によって,食塩,塩化カリを電解した場合,生成されるアマルガムの結晶の形状について検討した。Na-アマルガムの形状は多くの場合針状の細かい結晶であるが,K-アマルガムの形状は条件によって種々の形のものが現われるが,大別すると第1図のA,Bのようになる。前者は著しい過飽和状態から析出したもので,後者は過飽和度の極めて低い状態から析出したものである。
又結晶が生成されてから,急激に水素の発生する迄の時間的間隔は電流密度5A/dm
2以下において・前者の結晶が出る場合が極めて短い。電解液中の不純物の結晶析出時間への影響をしらべ,V
v,As
III,Mn
II,Al
III,Mg
II,Ca
IIの不純物は析出時間を早め,特にV
v.Al
III,Mg
IIの影響が著しい。又不純物の結晶形状の影響はK-アマルガムにおいてみられ,不純物の種類によって形状が変わる場合がある。
共存不純物の影響は単独の場合と類似の傾向を示すが,特にFe
II-Mg
II,Mn
II-Mg
II,Al
III-Ca
II,Al
III-Mg
II,Mg
II-Ca
IIの共存が著しく結晶の生成時間を早める事がみとめられた。
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