工業化学雑誌
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70 巻, 9 号
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  • 横山 恒郎, 小野 武彦, 荻野 義定
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1459-1464
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    1280,3200,5120kg/cm2の圧力下,20,65,100℃ の温度において,共沈殿法で調製した触媒粉末を,円筒形ペレットに固めた。そのペレットをつぎの実験の試料に供した。一酸化炭素変換反応に対する活性試験,構造測定,および圧縮強度測定。
    触媒活性は固結条件に敏感でないことが認められたが,圧縮強度は固結条件により大きく影響されることが認められた。たとえば,固結温度を少し高くすると(<100℃),活性に大きな損傷なしに,圧縮強度の顕著な増加をきたした。
    触媒として活性な物質種,Fe3O4の結晶構造に対する影響がないこと,および比表面積と細孔構造に重大な影響を与えないことは,固結条件に対する活性の非敏感性をよく説明する。温度が高いと,触媒の1次粒子上に酸化層の形成と重なりを生ずることが,圧縮強度に対する固結温度の特別な寄与の,主要な原因と考えた。
  • 杉山 幸三, 高橋 武彦
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1465-1469
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    諸種の酸化物と硝酸ナトリウムまたは亜硝酸ナトリウムを混合し,加熱減量曲線および出口ガスの酸化窒素収率を求めた。五酸化バナジウム添加は分解温度の低下と酸化窒素収率の向上に顕著な効果を示した。硝酸ナトリウムの場合, V2O5/(NaNO3)2モル比0.04の微量添加酸化物が99%の高い酸化窒素収率と150℃ に達する反応終了温度の低下を与えた。亜硝酸ナトリウムの場合このような微量添加効果は認められなかった。ケイ素, アルミニウム, チタンおよびマンガンの酸化物は酸素イオンを消耗する二次的効果をもつと考えられ,この効果は亜硝酸ナトリウムの場合に明確に見られた。酸化窒素収率はこれらの酸化物の大過剰を添加した時にのみ90%を越えた。ニッケル, コバルト, 亜鉛およびマグネシウムの酸化物は高い添加率の場合20~50%程度の低い酸化窒素収率を与えたがNiO/(NaNO2)2モル比0.05のような微量添加の場合に94%の高収率に達し,60%減量温度対酸化物添加率曲線の最低にも対応した。亜硝酸ナトリウムに対してはZnO/(NaNO2)2モル比0.1程度の酸化亜鉛の添加の時酸化窒素収率最大を得た。これらの効果は酸化物の粒表面上で添加酸化物に対応する硝酸塩を経過する分解によって生ずるものと考えられた。
  • 楯 功, 大門 信利
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1470-1472
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    フッ素金雲母の中には光軸角の大きいものと小さいものとがある。光軸角の大きいものの生成についてはすでに報告した。本報告は光軸角の小さい結晶の生成についてのものである。ルツボ降下法によって雲母の劈開面に垂直方向へ結晶を生成させようとするときに,時々種結晶の劈開面に対して斜めの方向に結晶が生成する。この結晶の光軸角は小さかった。この生成結晶の光軸角とa軸方向を測定し,また壁開面のetch pitの観察からつぎの結果を得た。(1)種結晶の壁開面に対して斜めの方向に生成した結晶は光軸角の減少と同時にa軸方向の変化がある。これは層の積重なりの乱れまたはpolysynthetic twinによるものと考えられる。(2)この結晶の光軸角は生成後の冷却条件の影響を受けない。(3)この結晶のetch pitの密度は光軸角の大きいもののetch pitの密度より大であった。
    以上により光軸角の小さい結晶は大きいものより不完全な構造であってかつ結晶成長速度が大であると考えられる。
  • 土本 皓二, 森田 義郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1473-1477
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    Cu-Cr-Zn系触媒の構造とその一酸化炭素転化能との関係を追求し,触媒の作用機構を知ることを目的として,各種の方法で調製した触媒の構造をX線回折により解析し,そのCO転化活性との相関性を検討した。
    転化活性の測定は常圧流通式反応器を用い,接触温度150~400℃,水蒸気量(H2O/CO)=1でおこなった。またX線回折は銅ターゲット,ニッケルフィルターを用いたCuKα線によった。
    その結果つぎのようなことがわかった。すなわち,(イ)Cu-Cr-Zn触媒のX線回折パターンはその調製法によらずほぼ同一であり,いずれの調製法によってもCuO,ZnO,ZnCr2O4,CuCr2O4以外の回折ピークは認められなかった。(ロ)Cu-Cr-Zn触媒の活性は酸化銅(反応気流中では金属銅)の分散状態によって決まる。(ハ)触媒の転化活性は共沈触媒が最も高く,とくに共沈時最終pH8のC-8触媒が最高の活性を示した。(ニ)Cu-Zn二成分触媒の活性低下は金属銅の結晶成長によるものと思われる。そしてこの活性低下は触媒を空気ブローすることにより完全に回復し,しかもメーク,ブローを繰り返すにつれて活性低下の割合は小さくなる。(ホ)Cu-Cr-Zn三成分触媒についても前記二成分触媒と同様のことがいえる。すなわち,この触媒のCO転化活性とその金属銅の結晶子の大きさとの間には比例関係が存在する。(ヘ)以上の事実から触媒活性の担い手は微細な金属銅結晶であると推論した。
  • 功刀 泰碩, 冨永 博夫, 安孫子 寿朗, 上原 勝也, 大野 利治
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1477-1482
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    水素存在下における1-ブテンの高温熱分解反応の動力学および機作を研究した。実験は石英製流通式反応管により,反応条件範囲は温度655~805℃,水素対1-ブテンのモル比3~5,滞留時間0.1~0.8秒,圧力は常圧であった。初期反応は(1)メタンとプロピレンあるいはエタンとエチレンへの水素化分解(2)2-ブテンへの異性化,(3)ブタジエンへの脱水素よりなる。添加された水素は水素化分解反応を促進することが知られた。1-ブテンの消失速度は次式のとおりである。-d[1-C4H8]/dt=kH2[1-C4H8]・[H2]1/2,kH2=2.67×1015exp[-62400/RT]l1/2/mol1/2sec。関連する素反応の動力学的評価に基づき,遊離基反応機構を導いた。1-ブテンのアリル基およびメチル基への単分子分解が開始反応となる。添加された水素分子は各遊離基との交換反応により水素原子となり,水素原子は1-ブテンを攻撃してホット・ブチル基を作り,ホット・ブチル基は低分子量のオレフィン類と遊離基に分解する。
  • 篠田 清徳, 渡辺 弘道
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1482-1485
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    プロパンの熱塩素化分解での生成物組成を平衡の概念から決定することを試みた。
    平衡反応は塩素化,脱塩酸および炭素-炭素結合の切断反応に比してゆっくりと進行するため比較的長時間を必要とした。
    平衡式, 物質収支の式をたて, 原料の供給条件を与えて生成物組成を決定した。高沸点生成物に関しては若干の偏倚がみられたがほぼ満足な結果が得られた。
    酸素の添加によって高沸点生成物が減少したのは酸素がCCl,CCl2およびC2Cl3ラジカルの生成ないしは生長を妨害したためと考えた。
  • 浅尾 戍
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1486-1489
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    メタクロレインの常圧液相酸化反応におけるメタクリル酸選択率は, 第1, 2報で検討した範囲内で60%以下であったが, このように低選択率を与える原因の一つが,過メタクリル酸の分解過程にあると考え,これについて検討した。メタクロレインの無触媒液相酸化反応液に,種々の過酸分解剤を加え,ガスクロマトグラフ法により,メタクリル酸およびメタクロレインの増減をしらべた結果,ヒドロキノン,塩化第一および第二鉄,ヨウ化ナトリウム等が,過メタクリル酸分解によるメタクリル酸合成用試剤( 熟成剤) として, すぐれた効果を示すことがわかった。さらに, 蒸留により, 未反応メタクロレインを除いた濃縮反応液に対する,これらの試剤の効果をしらべ,その作用機構を推定した。
  • 浅尾 戍
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1489-1492
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    メタクロレインの常圧液相酸化反応液の熟成(過メタクリル酸の分解)を,ヒドロキノンおよび塩化鉄を用いて行なった。得られたメタクリル酸選択率は,上記いずれの熟成剤によってもほぼ等しく,22~25℃ での低温酸化反応液を熟成することによって,65~69%のメタクリル酸選択率(メタクロレイン変化率20%)が得られた。この値は従来の一段法に比してやや高い。
  • 浅尾 戍
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1493-1497
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    主として加圧酸化-熟成二段反応を検討した。メタクロレイン消費速度は20℃ 付近では常圧反応とほぼ等しかったが,40℃ 以上では常圧反応に比して著しく大きかった。また,常圧ではメタクロレイン変化率,メタクロレイン初濃度の増加に伴うメタクリル酸選択率の低下がかなり著しいのに対し,加圧ではこの傾向が小さかった。この結果,生産性を考慮すると,加圧酸化の場合には,20℃ より40℃ で反応を行なうほうが有利と考えられる。シクロヘキサン溶媒-ナフテン酸銀触媒系で,メタクリル酸選択率62%(メタクロレイン変化率40%)が得られた。
  • 浅尾 戍
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1497-1500
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アクロレインの酸化(主として加圧酸素酸化-熟成二段反応)を検討した。常圧酸化ではアクロレイン消費速度が小さく,ほとんど酸化が行なわれなかった。熟成剤としてはヒドロキノンは有効であったが, 塩化鉄はかえってアクリル酸選択率を減少させた。しかし,ヒドロキノン熟成によるアクリル酸選択率の増加も,メタクリル酸の場合に比し小さかった。アクロレイン変化率が増大しても選択率はほぼ一定値を保った。物質収支によると,ベンゼン溶媒-無触媒系でアクリル酸選択率は約74%(アクロレイン変化率45~60%)と考えられる。
  • 浅尾 戍
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1501-1504
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    β-アセトキシおよびβ-メトキシプロピオンアルデヒド経由による不飽和カルボン酸合成法を比較検討した。β-アセトキシプロピオンアルデヒド経由法において, アクロレインの炭素- 炭素二重結合への酢酸付加反応の選択率は9 6 ~ 9 7 % , ここで得られたβ -アセトキシプロピオンアルデヒドの液相酸化によるβ-アセトキシプロピオン酸合成の選択率は98~99%,これの脱酢酸によるアクリル酸の合成選択率は95~97%であった(通算選択率89~93%)。β-メトキシプロピオンアルデヒド経由法において,β-メトキシプロピオンアルデヒド合成の選択率は96~98%(ただし,取り出し後の選択率は約87%),これの酸化によるβ-メトキシプロピオン酸合成の選択率は9 6 ~ 9 7 % , これの脱メタノールによるアクリル酸およびアクリル酸メチル合成の選択率は9 2 ~ 9 3 %であった(通算85~92%)。以上の数値その他から,β-アセトキシプロピオンアルデヒド経由法が,β-メトキシプロピオンアルデヒド経由法に比して有利であると判定した。
  • 岩本 昌夫, 柚口 貞夫
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1505-1508
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    表題に示した三成分触媒は,ブタジエンとエチレンとから1,4-ヘキサジエンを合成する高活性かつ高選択性の触媒となることを明らかにした。ジ第三級ホスフィンはコバルトにキレート配位しやすい構造をもつものが,とくに有効であり,活性および選択性を十分発揮するにはコバルト成分と等モルだけ必要である。ジ第三級ホスフィンジオキシドも第三成分として有効であった。ブタジエンとプロピレンとの反応による2-メチル1,4-ヘキサジエン合成についても検討した。
  • 表 雄一, 岩瀬 克也, 中村 寿太郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1508-1512
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    酸化銅-酸化亜鉛触媒を用い,アンモニア:水素:シクロヘキサノール=4:1:1,シクロヘキサノールの仕込み速度0.3~1.0ml/ hr・触媒充てん層ml,温度180~270℃ の条件でシクロヘキサノールの気相アミノ化反応を行なった。主生成物のシクロへキシルアミンの他に,シクロヘキサノン,ジシクロヘキシルアミン,シクロヘキサノンシクロヘキシルイミド等が生成した。これらの副生成物は上記の反応条件では,すべてシクロヘキシルアミンに転化し得る物質であることを確かめた。この気相アミノ化反応は多種類の反応の組合せであるが,まずシクロヘキサノールがシクロヘキサノンに脱水素され,つぎにこのものの還元アミノ化によってシクロヘキシルアミンが生成するものと考えることができる。またシクロヘキサノンとシクロヘキシルアミンの脱水縮合によってシクロヘキサノンシクロヘキシルイミドが生成し,このものの水素添加によってジシクロヘキシルアミンが生成する。さらにジシクロヘキシルアミンとアンモニアとから,2分子のシクロヘキシルアミンの生成する反応もみられる。
  • 張 金海
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1512-1515
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ドデカノールを各種金属硫化物および酸化物触媒の存在下において水素初圧90kg/cm2,300~350℃で接触水素化分解し,その反応の経路を検討した。
    硫化モリブデン触媒はもっとも高い水素化活性を示し,n-ドデカンの収率はほぼ90%に達したが,これに対して酸化ニッケル,酸化モリブデンおよびモリブデン酸コバルト-アルミナ担体などの酸化物触媒ではn-ウンデカンが主生成物であった。これら触媒の相対的な水素化活性はほぼつぎの順に小となった。
    MoS3>MoS2+イオウ>MoS2>NiS2>CoS3>WS3>>NiO>MoO3≫CoMoO4/Al2O3
    n-ウンデカンの生成経路をたしかめるため,ドデカノールをそれぞれの触媒の存在下において,または無触媒で水素初圧5~10atmあるいは窒素ふんい気の下に350~390℃に加熱した結果,メタンガスの生成量はいずれの場合も少なかった。しかし,酸化物触媒の場合はとくに多量の一酸化炭素を発生し,n-ウンデカンを主として生成するとともに少量のドデカナールが副生した。一方,ドデカナールは同様な条件下で容易に一酸化炭素を放出することがわかった。この脱カルボニル反応が一酸化炭素の主要な生成経路であると考えられる。以上のことから,これら酸化物触媒を使用した場合はドデカノールの脱水素と脱カルボニル反応が優先しておこり,n-ウンデカンを生成するものと考える。
  • 阿部 芳郎, 渡辺 昭一郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1515-1518
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    一定の長さのオキシエチレン鎖をもつポリオキシエチレンアルキルエーテルを得るために, 著者らはすでに報告した方法にしたがってエチレンクロルヒドリンとエチレンオキシドから,ジ-~ ペンタエチレングリコールクロルヒドリンを作り,これらとオクチルアルコールのカリウムアルコラートとを80~90℃ で4~5時間反応させて,ペンタまでのポリオキシエチレンオクチルエーテルを得た。さらにこれらのエーテルをふたたびカリウムアルコキシドとし,ついでクロルヒドリンと縮合させてオキシエチレン鎖が6~10のエーテルを合成した。得られたエーテルはくり返し減圧蒸留あるいは分子蒸留を行なって精製し,元素分析,分子量測定, 赤外吸収スペクトル測定の結果から純粋であることが認められた。またTLC分析を行なってこれを確認し, オキシエチレン鎖とRf値の関係を求め,混合エーテルの成分検索にTLCを用い得ることを認めた。
  • 安井 博, 有岡 秀躬, 越智 英夫
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1518-1520
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    Friedel-Craftsアルキル化反応における塩化アルミニウムと種々のイオウ化合物との混合触媒の活性を検討した。すなわち,塩化アルミニウムとイオウ化合物を1:1モル比に混じた触媒を用いて,トルエンの塩化イソプロピルによるアルキル化を行なわせ,生成シメンの収率とその異性体比を調べた。その結果, 塩化アルミニウムージメチルスルフィドは生成シメンの収率が高いにもかかわららず,シメン異性体の内メタ体の生成が少ない特異なアルキル化触媒であることを見い出した。さらにアルキルスルフィドは一般にジメチルスルフィドと同様の性質を持っていることと,塩化アルミニウムとジメチルスルフィドの混合比は0.5~2モル比が適当であることを見い出した。
  • 酒井 鎮美, 杉山 龍男, 石井 義郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1521-1525
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    非プロトン溶媒-低級アルコール系混合溶媒中,核置換Nメチルアニリンとフェニルグリシジルエーテルとの開環付加反応の速度論的研究を行なった。
    この反応系ではフェニルグリシジルエーテルに対するN-メチルアニリンの付加(kA)と溶媒であるアルコールの付加(kB)が並行的に起こること,少量の非プロトン溶媒の添加により反応速度は著しく低下すること,60℃の反応のkAは添加溶媒の塩基性が大きいほど減少するが,kBはほぼ一定であることが認められた。
    さらに水素結合能力の小さい低級アルコールを用いると,kAは著しく減少するが,kBは比較的影響されない。数種の非プロトン溶媒-ブタノール系混合溶媒中のkAおよびkBに関するアレニウスプロットはいずれも上に凸である。各溶媒系にて置換Nメチルアニリンの反応のハメットρ値は-1.0~1.2であり,アルコールの反応では-2.2~-2.6である。これらの結果はN-メチルアニリン類の塩基性あるいは求核性が小さいため,N-メチルアニリンの付加反応ではエポキシドに対するアルコールの水素結合の寄与が相対的に重要であることを示唆するものであろう。
    ニトロベンゼンは特異な現象を示し,溶媒系に少量添加すると,kAが増大し,逆にkBが著しく減少する。またkAのρ値も-2.2となる。
  • 酒井 鎮美, 山口 尚, 石井 義郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1526-1529
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ナトリウムフェノキシド(C0)を触媒とするフェノールあるいは置換フェノール(P)のシス-あるいはトランス-2,3-エポキシブタン(E)への開環付加反応の速度論的研究を行なった。ブタノール溶媒中,フェノールと2,3-エポキシブタンとの反応速度は,-d[E]/dt={k0+k00}[E][P]0.3で示される。シス-およびトランス-エポキシドとフェノールとの反応に関するk2の見掛けの活性化エネルギーはそれぞれ19.4および20.5kcal/molであり,エントロピーは-25.6および-2.51となり,シス-エポキシドはトランス-エポキシドより2~3倍反応性が大きい。置換フェノールの2,3-エポキシブタンへの付加反応に関するHammettのρ値は,k2については±0.02,またk0では+0.57となった。またこの反応系中のフェノールのυOHは低波数の方向へ移動している。したがってk2の反応はフェノールと水素結合したエポキシドに対するフェノキシドイオンの求核攻撃が律速過程と考えるPatatの機構と類似の機構で進む反応であろう。ニトロベンゼン溶媒中の反応についても二,三の検討を行なった。
  • 石川 延男, 田辺 敏夫
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1530-1532
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    2-または3-フルオルアセトアニリドを低温で発煙硝酸と反応させフルオルニトロアニリン類を合成した。このさい生成する4-および6-ニトロ体の比はそれぞれ89:11および33:67であった。フルオルニトロアニリン類およびフルオルニトロアセトアニリド類の19F NMRスペクトルにおいて無置換フルオルベンゼンからの化学シフトがGutowskyらの法則に合致するのをみとめた。2-および3-フルオル-4-ニトロアニリンをジメチルアニリン,N,N-ビス(2-オキシエチル)-m-トルイジン,2-ナフトールまたは2-オキシ-3-ナフトエ酸アニリドとカップリングさせて8種のフッ素化アゾ染料を合成した。これらの染料の可視スペクトルから, アミノアゾ染料においてはつぎの順で色が深くなることをみとめた: Fなし<3-F<2-F。o-オキシアゾ染料においてはフッ素はほとんど色調に影響を与えず,これはおそらくヒドラゾン型の寄与が大きくなるためと考えられる。ポリエステル繊維の染色物について耐光堅ロウ度を測定したが,フッ素の導入によって0.5~1級ていど上昇するものがあったが,一般にめだった改良結果はえられなかった。
  • 平島 恒亮, 真鍋 修, 檜山 八郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1533-1538
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    コンゴーレッドの水溶液中ならびにセロハンフィルム上での光退色生成物を分離,同定した。光の照射によってコンゴーレッドは光退色し,初めに不安定な中間生成物(II)となり,ついで最後に(I)となる。(I)は無色で青空色のケイ光を有する。(II)はオレンジ色である。
    これらの(Zn+HCl),(SnCl2+HCl),(Zn+NaOH)による還元とそのペーパークロマトグラフより(I)は4,4'-(2-ナフト-[1,2]トリアゾイル)-ビフェニル-4'',4'''-ジスルホン酸ナトリウムであり,(II)は4-(1''-アミノ-ナフト-2''-アゾ)-4'-(2'-ナフト-[1,2]-トリアゾイル)-ビフェニル-4'',4'''-ジスルホン酸ナトリウムであると結論した。
    このことは(I),(II)の合成より確かめられた。コンゴーレッドの光退色反応は脱水素反応であり,光酸化反応とみられる。
  • 平島 恒亮, 亀尾 貴, 真鍋 修, 檜山 八郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1538-1541
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    数種の直接染料の光退色に有効な光の波長を調べた。各染料の等エネルギーおよび等強度当りの光退色スペクトルを得た。照射光源にはキセノン灯(500W)を用い,光は300~800mμ に分光され,染色セロハンに照射された。照射され光退色したフィルムはデンシトメーターで走査され,その結果より二種の光退色スペクトルが計算された。これらの染料は350mμ 付近の光で強く光退色を受け,可視部の吸収極大の光はそれほどこれらの染料の光退色には有効でないことを見い出した。
  • 平島 恒亮, 亀尾 貴, 大西 利雄, 真鍋 修, 檜山 八郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1541-1545
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    セロハンフィルム上における反応性染料プロシオンレッド2BSの光退色速度と光退色スペクトルをしらべた。
    前報におけると同様に光退色スペクトルの解析から,この染料の光退色は主に280~340mμ の比較的強い吸収によることが明らかにされた。この染料が吸収する光量子にもとづく光退色速度の照射時間への依存性が動力学的取り扱いで考慮された。それより速度式(1)が導かれた。
    ジスアゾ直接染料のセロハン上での光退色で導入された染色座席を意味する項(1-θ) は, この場合には速度式に含まれなかった。コンゴーレッドの光退色機構と同様な機構が推論された。
  • 稲野 光正, 近藤 充
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1546-1549
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    デンプンとアクリルアミドおよびデンプンと尿素とを種々の条件で反応させて,それぞれカルバモイルエチル化デンプン(CBES),カルバミン酸エステル化デンプン(CAS)を得,さらにこれらのメチロール化反応について比較検討した。
    CBE化は反応温度45℃が最適であり,DS=0.30以上になると水溶性を増してくる。CA化の場合は乾式反応で,90℃以下では反応しにくい。尿素/デンプン=1/2,3時間,150℃の反応で,窒素量2.63%,Ds=0.35のCASが生成する。
    CBESのメチロール化反応はpHの影響が大きい。pH=10.5,40℃,HCHO/CBE基=5,3時間で理論値の90%がメチロール化される。一方,CASは,pH=10.0,40℃,HCHO/CA基=5の場合,反応率111.5%で,ジメチロール化合物の生成が予想できる。
    加熱による不溶化試験の結果,CBESおよびCASのメチロール化物がきわめて良好な耐水効果を示すことから,これらが窒素含有の反応性デンプン誘導体であることを確認した。
  • 稲野 光正
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1550-1553
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    デンプンにエポキシ基を導入する目的で,カルボキシメチルデンプンのナトリウム塩とエピクロルヒドリンとを種々の条件で反応させて, 最高1.40mol%のエポキシ基を有する部分エポキシ化デンプンを得た。これはもとのカルボキシメチル基の12.7%がエポキシ化されたものである。この部分エポキシ化デンプンは熱水に不溶であるが,種々のアミン類とほぼ定量的に反応する。過酢酸によるアリルデンプンの酸化ではオキシラン酸素含有の生成物は得られなかった。
  • 佐藤 利夫, 水口 純, 鈴木 周一, 戸倉 正利
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1553-1556
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ヤマノイモ科植物根茎は各種食品の製造加工に広く使用されている。ヤマノイモ粘質物の物性,ことに粘性におよぼす加熱の影響を知ることは,実際にヤマノイモを食品加工に利用する場合に重要である。
    この報告ではヤマノイモ科イチョウイモ根茎の水抽出液およびさらにこれを精製して得られた粘質物水溶液について加熱処理を行ない,粘性におよぼす影響を検討した。
    精製粘質物水溶液の粘性は70℃以下では大きな変化は見られないが, 80℃ 以上になると短時間に急激な低下を示した。このような明瞭な粘度低下はイチョウイモ粘質物に特有なものであって,並行して行なったアルギン酸ナトリウム,カルボキシメチルセルロースなどの粘性多糖類の加熱処理では見られない現象である。純粘質物の他に多量のタンパク質が共存している水抽出液を加熱処理した場合も粘性におよぼす温度効果は純粘質物の場合とほとんど同じ傾向を示した。常温では高粘性を有し,高温では急激に粘性を失うイチョウイモ粘質物の特性は,食品を製造加工する場合,経験的にこれを利用してきたものと考えられる。
  • 寺町 信哉, 中島 英夫, 永沢 満, 香川 毓美
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1557-1559
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量が比較的に少ないものを試料として,化学組成による分別の研究を行なった。平均酢酸ビニル含量10.5mol%の試料を,メチルエチルケトン/アセトニトリル系を用いて,カラム溶出法によって分別した。その結果,この試料については,かなりの程度に,化学組成による分別が行なわれ,得られた組成分布曲線の形は,共重合理論によって推測されるものと,定性的に一致することが明らかになった。
    しかし,同じ系と同じ方法によって,平均酢酸ビニル含量3.2mol%と10.5mol%の試料の混合物を分別したところ,化学組成によっては分別されず,この系による分別は,どの程度に真の組成分布を表わすのかは,明確にできなかった。
  • 箱崎 順一, 山田 信夫
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1560-1563
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ラジカル触媒によるスチレンの初期重合物の分子量分布を先に提案した超遠心機による沈降測定より決定する方法に従って求めた。その結果,得られた分布曲線と仮定したいくつかの重合機構に基づいて得られた理論分布曲線との比較によりスチレンの重合停止機構はcombinationが支配的であることがわかった。この結論は放射性同位元素をトレーサーとして含む触媒を用いた重合停止機構の研究の結果と一致する。さらにこのように独立した研究方法より同一の結論が得られたことは,著者らの沈降測定より分子量分布を求める方法の正当性を支持するものといえる。
  • 上原 赫, 田中 誠, 村田 二郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1564-1567
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アセチルアセトナト型の金属キレートによるラジカル重合開始反応を銅(II)-α-置換アセチルアセトナトのメタノールおよびジオキサン中での熱分解から検討した。EDTAによる配位子交換反応で銅(II)キレートから遊離したリガンドのUVスペクトル(λmax290mμ付近)を測定した。メタノール中で置換基の異なる3種の銅(II)キレートについて比較されたリガンドの吸収の減少速度は重合開始速度に対応した。吸収強度は加熱時間とともに単調に減少し,ついには消失した。これは1molの銅(II)キレートから2molのリガンドラジカルを生成することを示す。ジオキサン中では,リガンドラジカルがジオキサンから水素を引き抜きリガンドとなり,これが低原子価の銅と反応して銅(II)キレートを再生するところのレドックスサイクル過程が優勢であった。四塩化炭素は銅(II)キレートと反応し,リガンドラジカル,トリクロルメチルラジカルおよび塩化銅(I)を生成するために重合が加速されることがわかった。
  • 金高 節子
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1568-1572
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    TiCl3-AlEt3,TiCl3-AlEt2Cl,TiCl3-AlEtCl2系触媒上でのエチレン,プロピレン,イソブチレンの気相重合について実験した。
    実験は定圧吸着装置を用い,石英スプリングを用いて触媒量および反応量を測定した。実験結果は以下のとおりである。エチレン重合については,各触媒系の活性の順序はTiCl3-AlEt3>TiCl3-AlEt2Cl>TiCl3-Al・EtCl2であり,前二者は高重合物(分子量約50万)を,TiCl3-AlEtCl2系の場合はゴム状物質を与えた。プロピレン重合の活性の順序は,TiCl3-AlEt3>TiCl3-AlEt2Cl≅TiCl3-AlEtCl2となり,前二者の場合には高重合物(分子量30万~40万)が,TiCl3-AlEtCl2系の場合には低重合物(分子量約500)が生成した。イソブチレンでは,この順序はTiCl3-AlEtCl2>>TiCl3-AlEt2Cl>TiCl3-AlEt3≅0となり,生成物は低重合物(分子量約200)であった。これら触媒の活性は液相重合におけるそれとほぼ同程度であった。
    各触媒系の重合活性は触媒の酸性度(Hcat)とモノマーの極性項(eM)との間に
    logγ=Aexp[-(αHcateM)/RT]
    なる関係式が成立つことが示唆された。
    またTiCl3-AlEtCl2系触媒へのトリエチルアミン添加効果をしらべた。エチレン,プロピレンでは高重合物が生成するが,イソブチレンでは効果はなかった。しかし,アミン添加量により重合活性は変化する。
  • 箕浦 有二, 座古 寛三郎, 片野 正英
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1573-1578
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾールを酸化してジスルフィド結合を持つポリマー,ハロゲン化物との重縮合,紫外線および塩基触媒(t-BuONa)を用いてN,N'-メチレンビスアクリルアミドとの重付加でスルフィド結合を持つポリマー,そしてジカルボン酸との界面重縮合によってチオエステル結合を持つポリマーを合成し,ポリマーの諸性質について調べた。酸化により得られるジスルフィド結合,およびハロゲン化物との重縮合により得られるスルフィド結合を持つポリマーは優れた熱安定性を示さなかった。しかしジカルボン酸との界面重縮合によって得られるチオエステル結合を持つポリマーは約250℃の融点を示した。
  • 後藤田 正夫, 景山 英一, 上埜 武夫, 野崎 文男, 宇田川 昂
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1578-1582
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    電子線で空気中前照射処理したポリノジックレーヨンへのスチレン乳化グラフト重合において乳化剤の種類およびその添加量,そして酸素量の反応成績におよぼす影響を検討した。その結果,つぎの諸点が明らかになった。一般的に陰イオンおよび非イオン性活性剤がよく,陽イオン活性剤は本反応系において乳化剤として適格でない。また,乳化剤の添加量とともにグラフト率およびグラフト効率ともに低下するのが一般であった。酸素の影響として,本報告の乳化グラフト法はメタノールを溶媒とする溶液グラフト法にくらべて酸素の抑制効果が見かけ上小さい。また,乳化剤の種類によってこの抑制効果が相違し,陰イオン性活性剤を使用するとこれをきわだって小さく保ち得た。
  • 鈴木 肇, 小野 浩
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1583-1586
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    2-(2'-オキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールをクロルメチル化し,2-(2'-オキシ-3'-クロルメチル-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールを得,これにブチルメルカプタン異性体4種を反応させ,2-(2'-オキシ-3'-ブチルメルカプトメチル-5'-メチルフェニル) ベンゾトリアゾール異性体4 種を合成した。これをそれぞれ酸化し, 3'-ブチルスルホキシドメチルおよび3 ' - ブチルスルポンメチルの合計12種の紫外線吸収剤が得られた。この紫外線吸収剤をポリエーテルに添加し, その光劣化に対する安定化効果を検討した。またこれらの化合物を反応性紫外線吸収剤, およびポリマー型紫外線吸収剤とするため, 2-(2'- オキシ-3'-プロピル-β,γ-ジオールメルカプトメチル-5'-メチルフェニル) ベンゾトリアゾールを合成し, これをε-カプロラクトンの開始剤として重合を試みた。
  • 佐藤 進, 安田 稔, 杉木 博照, 越村 雅充
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1586-1591
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    一般にウレタンフォームはポリエーテルとイソシアナートの反応によって製造されるが,いろいろの物性を要求される場合,通常,官能基や分子量の異なったポリエーテルを配合してつくられる。本報はこの配合の影響を軟質,硬質,半硬質発泡体について研究し,発泡体の物性とくに圧縮強度に対する配合の効果について興味ある結果をえた。
    1)硬質発泡体用ポリエーテルの配合においては,圧縮強度は配合前のポリエーテルの発泡体強度の平均値よりも大きな値になりやすい。
    2)軟質発泡体用ポリエーテルの配合においては,発泡体物性は配合前ポリエーテルの発泡体物性の中間値を示す。
    3)半硬質発泡体は軟質と硬質用ポリエーテルの配合によって作られる。硬質系半硬質発泡体では,圧縮強度は分子量分布の比較的せまいほど大きい値を示し,軟質系半硬質発泡体では分布のピークがはなれているほど,圧縮強度大となる。
    4)圧縮強度は,硬質および硬質系発泡体では,やわらかいセグメントの配置によって支配され,軟質および軟質系発泡体ではかたいセグメントの配置のあり方によって支配されるように思われる。
  • 佐藤 進, 酒井 正幹
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1592-1598
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ウレタン発泡体も合成樹脂の一つとして難燃性が要求されるが,その試験法,たとえばよく使用されるASTM法とBurnthrough法(Bureau of Mines)からえられるデータはまったく逆の結果になることがある。本報はこの検討から研究を開始した。
    研究は3~8官能のポリエーテル9種と3種のイソシアナート,5種類の難燃剤を組合せて発泡体をつくり,ASTM法,Burnthrough法により難燃性を測定し,その他熱天秤等により熱的性質も測定し,つぎの結果をえた。
    1)難燃性に効果のあるポリエーテル,イソシアナートの選択は難燃試験法とは関係なく,一定の法則でえらべばよい。すなわち,低分子量,多官能,多環式構造のものをえらべばよい。
    2)ASTM法は難燃剤の添加が効果的であるが,これは難燃剤による空気しゃ断効果による自己消火性を試験するためと思われる。
    3)Burn through法は難燃剤を必要としない。これは樹脂の炭化被膜の強さによる耐炎性を試験するためである。
    4)その他,JIS, A 1322-1959難燃試験法や発泡体強度についても検討した。
  • 表 雄一, 中村 寿太郎
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1599-1600
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 表 雄一, 吉田 功
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1600-1601
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 寺本 亘二, 北畠 道俊, 田辺 正士, 野口 芳孝
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1601-1602
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 岡本 能樹, 桜井 洸
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1603-1604
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 菅野 俊六
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1604-1606
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
  • 後藤田 正夫, 久保田 宏, 景山 英一, 野崎 文男, 尾見 信三, 宇田川 昂
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1606-1607
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 西崎 俊一郎, 不可三 晃
    1967 年 70 巻 9 号 p. 1607-1609
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 1967 年 70 巻 9 号 p. A93-A101
    発行日: 1967/09/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    These abstracts are prepared for the benefit of our readers abroad to assist them, to form a general idea of the contents of the present issue, written in Japanese by the respective authors. Readers are recommended to refer to the tables, the figures, the formulae etc. in the original papers.
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