TiCl
3-AlEt
3,TiCl
3-AlEt
2Cl,TiCl
3-AlEtCl
2系触媒上でのエチレン,プロピレン,イソブチレンの気相重合について実験した。
実験は定圧吸着装置を用い,石英スプリングを用いて触媒量および反応量を測定した。実験結果は以下のとおりである。エチレン重合については,各触媒系の活性の順序はTiCl
3-AlEt
3>TiCl
3-AlEt
2Cl>TiCl
3-Al・EtCl
2であり,前二者は高重合物(分子量約50万)を,TiCl
3-AlEtCl
2系の場合はゴム状物質を与えた。プロピレン重合の活性の順序は,TiCl
3-AlEt
3>TiCl
3-AlEt
2Cl≅TiCl
3-AlEtCl
2となり,前二者の場合には高重合物(分子量30万~40万)が,TiCl
3-AlEtCl
2系の場合には低重合物(分子量約500)が生成した。イソブチレンでは,この順序はTiCl
3-AlEtCl
2>>TiCl
3-AlEt
2Cl>TiCl
3-AlEt
3≅0となり,生成物は低重合物(分子量約200)であった。これら触媒の活性は液相重合におけるそれとほぼ同程度であった。
各触媒系の重合活性は触媒の酸性度(
Hcat)とモノマーの極性項(
eM)との間に
logγ=Aexp[-(α
Hcat-β
eM)/RT]
なる関係式が成立つことが示唆された。
またTiCl
3-AlEtCl
2系触媒へのトリエチルアミン添加効果をしらべた。エチレン,プロピレンでは高重合物が生成するが,イソブチレンでは効果はなかった。しかし,アミン添加量により重合活性は変化する。
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