工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
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60 巻, 12 号
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  • 大橋 退治
    1957 年60 巻12 号 p. 1481-1485
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 早川 宗八郎
    1957 年60 巻12 号 p. 1486-1489
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 神谷 精吾, 徳冨 正義
    1957 年60 巻12 号 p. 1489-1492
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    強塩基性,低架橋度の陰イオン交換樹脂Amberlite IRA-411に対するバナジン酸イオンの交換速度を,pH4.0,7.1および10.0の3 種の溶液について, バッチ法により測定した。交換実験は10,20,30,40℃の各温度の恒温槽中で行い,従来提出されている二,三の速度式の適用性についても検討した。その結果バナジソ酸イオンの吸着を目的とするときにはpH7.1すなわち, 中性付近で交換させるのが最も有利であることを見いだした。またCl 樹脂+ (VO3,Cl) 交換反応の律速過程は樹脂粒内でのバナジン酸イオンの拡散であり, 比較的長い時間にわたってBoydらの粒内拡散の速度式を適用することができる。そこでBoyd らの式をもとにして, この交換反応におけるバナジン酸イオンの粒内有効拡散係数D1(20℃) および交換活性化エネルギーEact(10~40℃)を算出し, pH4.0,7.1,10.0の各場合についてD1=0.15, 0.90, 1.6・10-8cm2/sec,Eact=9.6,6.7,5.9kcal/molの値をえた。
  • 金沢 孝文
    1957 年60 巻12 号 p. 1492-1497
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    溶成苦土リン肥製造原料中のアルミナの挙動に関して,いままで十分あきらかでなかったそのク溶率低下への作用機構を解明した。適正組成の配合原料に種々の量のアルミナを加えたときの溶融水冷物をX線分析,ク溶率測定等によってしらべた。リン肥中のアルミナ含量が多くなるほどク溶率は低下するが,アルミナ少量の範囲まではリン肥は完全ガラス質であり,Al2O3約20%以上でスピネルの生成がはじまることをみとめた。実験結果と従前の文献とを総合した検討によると,アルミナ添加によるク溶率低下の主因はC-M-A-P-S系低ク溶性リン肥ガラスの生成にあり,原料配合比の関係で組成が異常化する場合にはアパタイトが析出し,それが副次的原因となることがわかった。またガラスに溶けこむアルミナにたいしてMgOを添加,補給すると,Al2O3分がスピネルとして結晶化し,一方低融適正組成のリン肥の形成が可能になって,水冷物のク溶率は回復,上昇する結果がみられた。
  • 安藤 淳平
    1957 年60 巻12 号 p. 1497-1501
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    フッ素アパタイトは2% エン酸に約0.5g/100ccの溶解度を持ち, 微細なものであれば1g対150ccの現公定法で70%程度まで溶ける。リン鉱石粉のク溶率は終極的にはこのアパタイトの溶解性によって規定される。ヒドロキシアパタイトは2%クエン酸に約1g/100cc,リン酸三石灰,リン酸ソーダ石灰,リン酸苦土石灰等はそれ以上の溶解度を持つ。したがって溶成リン肥, 焼成リン肥等はいずれも1gに対し100ccで溶解可能であって, 問題は構成鉱物の形態および粒度の差異による溶解速度の差に帰する。
    溶成苦土リン肥の溶解性は新らしく見出した化合物Ca3Mg3P2O8の溶解性およびアパタイトの溶解性に関係し, 2% クエン酸にはよく溶けるが, 米国公定法の中性クエン酸アンモンにはあまり溶けない。わが国の焼成リン肥の溶解性はおもにα-レナニット固溶体の溶解性に関係し,2%クエン酸だけでなく,中性クエン酸アンモンにもよく溶ける。これらリン鉱粉および各種リン肥の統一的な有効リン酸検定法としては2% クエン酸法, 中性クエン酸アンモン法ともに不十分な点を含み, たとえば酸性クエン酸アンモン法のような方法が妥当であると考えられる。
  • 間瀬 判蔵
    1957 年60 巻12 号 p. 1502-1504
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    著者は岩手県胆沢郡前沢町生母産蛇紋石(200mesh/in全通)を550~970℃間の適当温度に焼成してえた試料の電子顕微鏡像と電子顕微回折像を撮影し,各試料の焼成温度の相違による粒子の外形の変化を観察するとともに,回折像より結晶の同定を行ない,焼成物の鉱物成分を検討した。その結果蛇紋石は約550~780℃の加熱による脱水分解によって電子線的に非晶質状態をとるが,約830℃前後よりいくらか乱れた回折像を与え始め,約900℃以上ではMg2SiO4,MgSiO3,MgFe2O4の特性線を示し,これらが蛇紋石の焼成分解生成物であることを確認した。この結果は光学的またはX線的に研究した諸氏の結果によく一致しているが,MgFe2O4は著者が既報にて推定したもので,従来はとくに指摘されていなかったものである。
  • 平田 好顕
    1957 年60 巻12 号 p. 1504-1506
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    湿式法による微粒子ケイ酸は表面に多くのOHを有し,その環境により異なった吸着水の状態で使用されることが多い。水分量による微粒子ケイ酸の活性度の変化を検討する目的で水分の相違による微粒子ケイ酸の結晶化速度の変化をX線回折装置を使用し, 回折図の結晶部分と無定形部分の積分強度比から求めた。本法によれば結晶化を少なくとも三つの過程に大別でき,初期と末期は議論できないが,中間の過程を中心として比較することができる。水分量が大気中の平衡水分以下では極端に結晶化速度が遅れ,平衡水分以上では結晶化の中間過程の速度には変化がない。水分量の増加とともに結晶の初期過程より中間過程への移行が速くなる。また微粒子ケイ酸表面のOHと相互作用を有する水が結晶速度を左右することがOH量の変化によりわかる。
  • 大塚 淳
    1957 年60 巻12 号 p. 1507-1509
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    本研究は, 炭酸マンガンの加熱変化を, 沈殿法により調製したもの(試料A), 保証付試薬(試料B)および天然の菱マンガン鉱2種(試料C,D)合計4 種の試料を用い, 示差熱分析, 熱天秤, 電子顕微鏡, X線回折により観察したものである。
    示差熱分析では, A, B両試料は, 400~500℃間で吸熱および発熱のピークを示したが, 試料C, Dは600~800℃間で吸熱および発熱のピークを示した。熱天秤による重量変化においてもこれと平行した結果がえられた。また各試料を200,450,600,700,800および1000℃の各温度にそれぞれ2時間加熱し,そのX線回折および電子顕微鏡写真をとり,常温のものと比較検討した。次にアルカリ土類酸化物BaO, SrO,CaOと各試料との酸素酸基交換反応を観察した。示差熱分析とX線回折の結果, BaOとでは大体360℃, SrOとでは大体420℃で反応が始まることが確認され, Hedvallの他の例の場合と同じ結果であった。CaOとの場合は, 明確には示されなかった。
  • 田中 誠
    1957 年60 巻12 号 p. 1509-1511
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    モノ置換ブタジエンとビニル化合物とのDiels-Alder反応付加物には2 種の構造異性体, すなわち, α-置換ブタジエンではメタ型とオルト型,β-置換ブタジエンではパラ型とメタ型が可能である。一般にDiels-Alder反応にはイオン反応機構が提唱されており,置換基のE効果から付加物の横造を推定することができる。現在まで知られている付加物の大部分は推定式と一致するが,少数の例外として全く逆の配向性を示す場合がある。これらはいずれも+E効果を示す置換基を有するブタジエンの場合で, それもα置換体にかぎられていたが, 本研究において2- シアノ-1,3-ブタジエンのようにβ位に+ E 効果を示す置換基を有する場合もやはり異常配向性を示すことを認めた。最近, 配向性の説明としてラジカル機構が提唱されたが,この機構によれば正常,異常いずれの配向性も適切に説明される。しかし,Diels-Alder反応自身にはイオン機構が妥当と思われる点も多く,なお今後の検討が必要と思われる。
  • 田中 誠
    1957 年60 巻12 号 p. 1512-1514
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    本研究は2-シアノ-1,3-ブタジエンの反応に関する研究の一つとして行ったもので, 前報で報告したビニル化合物とのDiels-Alder反応に引続き,キノン類との反応について検討した。2-シアノ-1,3-ブタジエンはp-ベンゾキノンと加熱,または室温に放置することにより容易に反応するが, いずれの場合においてもシアノブタジエンの2 量体が副生する。また,場合によっては1,4-ヒドロキノンの生成を見ることがあるが,これはシアノブタジエン中に混在する微量の酢酸の作用によることを認めた。
    付加物またはその異性体である6-シアノ- 5,8-ジヒドロ-1,4-ジヒドロキシナフタリンの無水クロム酸酸化により6-シアノ-1,4-ナフトキノンを合成した。同様に,1,4-ナフトキノン付加物の無水クロム酸酸化, およびアルカリ性空気酸化により2-シアノ-9,10-アントラキノンを合成した。
  • 加藤 真市, 増尾 富士雄
    1957 年60 巻12 号 p. 1515-1518
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    酢酸, α-置換酢酸およびそのメチルエステル中での過酸化アシルの熱分解反応では, カルボニル基に隣るα-位炭素上の水素引き抜きが起ることが知られているが, 酢酸エチル( 以下EtOAcと略記) あるいは酢酸イソプロピル( 以下iso-PrOAcと略記)においても,アセチル側へのラジカル攻撃が優先して,アルコール成分への攻撃を無視することができるかどうかを検討した。過酸化ベンゾイル( 以下B P O と略記) の見掛けの分解速度定数(60℃)は, EtOAc中では1.45x10-5sec-1,iso-PrOAc中では1.73×10-5sec-1であり,見掛けの活性化エネルギーはそれぞれ28.1および27.5kcal/molで,軽度ながら誘発分解の介入することを示す。反応生成物の分離定量により主生成物としてホモフタル酸類とエステルのアルコール成分より由来するカルボニル化合物が確認された。後者の生成はアルコール成分側ヘラジカル攻撃の起っている証拠となる。75℃におけるアセチル成分側とアルコール成分側での水素引き抜きに対する相対的反応性は,生成物から計算すればEtOAcでは1:0.24,iso-PrOAcでは1:0.79となる。この二つのエステルの構造は酢酸ビニルポリマー構造に類以しているので上記の事実から酢酸ビニル重合において, ポリマーへの連鎖移動およびその結果による分岐の現象には, ポリマー主鎖からの水素引き抜きに原因するものを無視しえないことを推論した。
  • 斎藤 真澄, 三木 彦一, 伏崎 弥三郎
    1957 年60 巻12 号 p. 1518-1521
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    前報までにターピノーレンの自働酸化について, その生成物より反応機講について考察してきた。initiatorを使用しない時の低温自働酸化では, ターピノーレンの活性メチレン基である3 位の炭素に酸素が作用して, ここにヒドロペルオキシドをつくるラジカル反応機構を提出した。ターピノーレンの自働酸化の反応機溝を更に明らかにするため, 本研究においては動力学的な解析を行った。すなわちターピノーレンによる酸素の吸収速度を測定し, これが酸素圧, ターピノーレン濃度,反応温度によっていかに影響されるかを調べた。既報と同じ反応温度30°,40°および50℃で,酸素圧を30mmHgから600mmHgまで,ターピノーレン濃度を0.864mol/lから1.522mol/lまで変えて酸化の初速度を測定した。この範囲においは酸化の初速度r は次の式で表わされ, Bolland, Batemanらの導いた式とほぼ一致し, したが
    r=[ターピノーレン][O2]/(A[ターピノーレン]+B[O2])
    って酸化機構も彼らの提出したものに近いという結論をえた。しかし初速度が常圧に近い範囲においても酸素圧に比例すること, および速度定数を比較することにより, ターピノーレンの反応性が他のオレフィンよりはかなり高く, したがってBollandらの機構と一致しない点があることも明らかになった。
  • 斎藤 真澄, 三木 彦一, 岡本 宏, 伏崎 弥三郎
    1957 年60 巻12 号 p. 1521-1525
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    前報ではターピノーレンの非接触自働酸化を動力学的に考慮し, その機構がBolland, Batemanらにより提出された機構とほぼ一致することを報告した。本研究では過酸化ベンゾイル(以下BPOと略記する), アゾビスイソブチロニトリル( 以下ABINと略記する) および紫外線を使用して自働酸化を行い, それらの開始効果がどのようなものであるかを動力学的に考察した。前報と比較するため反応条件はそれと同じくした。すなわち反応温度30, 40, 50℃ 酸素圧は100mmHgから600mmHgの間を用い,ターピノーレン濃度1.522mol/lで酸化反応を行った。その時BPOやABINの量を変えて加え,また紫外線の強度を変えて照射し,酸化の初速度を測定し,この速度がこれらの開始効果によりどのように影響されるかを調べた。使用した実験条件下では, 開始剤や紫外線による開始効果に対して熱的開始効果は無視出来ない。測定した初速度から熱酸化の速度を除いた, 開始効果のみによる速度と思われるものは開始剤の濃度あるいは紫外線の強度の1/2乗に比例する。したがって前報でえられた熱酸化の結果も考慮に入れて次の速度式が成立することがわかった。
    r=(rli+rTi)1/2・[RH][O2]/(C'[RH]+D'[O2])
    ただしrli, rTiはそれぞれ開始剤あるいは紫外線を使用した時および熱酸化の時の開始速度である。これはBollandらにより見出されたものと同じであり, 一般のオレフィンに対し成立する式である。このことからターピノーレンの自働酸化もオレフィンの酸化機構にしたがうけれど, その高い反応性のために熱的開始効果が他のオレフィンでは見られないくらい大きいことが明らかになった。
  • 和泉 学, 山田 裕
    1957 年60 巻12 号 p. 1525-1527
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/11/25
    ジャーナル フリー
    カプロンーおよびペラルゴンーアルデヒドをおもな対象として, これらを相当するヒドロキザム酸に導き, ペーパークロマトグラフィーによって定量する方法を検討した。近位のアルデヒドと脂肪酸との混合試料を約30mg/cc含む溶液で,アルデヒドの含有量が6~26mg/ccの実験範囲内では, (ペーパークロマトグラフィーによるアルデヒドの測定値)/(重量法によるアルデヒドの近似値)はカプロンーおよびカプリルーアルデヒドの場合は0.4,ペラルゴンーおよびカプリンーアルデヒドの場合は約0.3を示した。この係数を用いて試料中のアルデヒドの近似量を求めることができた。
  • 星合 和夫, 岩沢 泉
    1957 年60 巻12 号 p. 1527-1530
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ヨウ化カリウム添加ラネーニッケル触媒を用いて, n-ブタノール- 水溶媒によりケトンおよびアルデヒドのョウ化カリウム還元抑制効果を常圧,25℃にて調べ,ケトンとアルデヒドの混合試料の分別還元を試みた。この結果,一般にアルデヒドに対するョウ化カリウム還元抑制効果はケトンに対するものより少なく,ケトンの還元を完全に抑制してアルデヒドのみを定量的に還元することができた・ただし・アセトンの還元を完全に抑制することは難しく, したがって, アセトン混合試料についての分別還元はできなかった。
  • 山路 巍
    1957 年60 巻12 号 p. 1530-1533
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    過酸化物分解剤(Peroxide Decomposer)と呼ばれる酸化防止剤の研究は非常に少ないが,これは過酸化物を分解して安定化してしまうことによって酸化防止作用を行うといわれている。その反応機構としては過酸化物分解剤がスルホン酸またはある活性化された形に変化して,これが過酸化物分解の触媒作用をするという説と,互いに化学量論的に反応するという説がある。いずれにしても過酸化物分解剤の一つであるジセチルスルフィドの酸化防止作用をこのような反応機構だけで説明することは,それがホワイトオイルに対してほとんど効果のない事実から不可能のように思われる。
    そこで種々の炭化水素を基油としてジセチルスルフィドの酸化防止効果を調べた結果, 基油によって全く作用が異なることを見出した。すなわち飽和炭化水素に対してはわずかな阻止作用(inhibition)しか認められないが,テトラリンに対しては,はじめ酸化を加速し,後に抑制作用(retardation)を示すという特異な作用が見られた。そしてさらにジセチルスルフィドとテトラリンヒドロペルオキシドを同時にデカリンに添加した場合,非常に大きな酸化防止効果が現われた。これらを詳細に検討した結果,ジセチルスルフィドは一般の酸化防止剤と異なり過酸化物との反応生成物が酸化防止作用に大きな影響をもつことがわかった。
  • 森田 義郎
    1957 年60 巻12 号 p. 1534-1536
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    石油の接触分解に用いるシリカ・アルミナ系触媒は酸性を示し, その触媒の活性はこの酸に基くものとされている。したがって, この酸をアルカリで被毒すると, 触媒の活性は非常に低下する。この研究の主な目的は, このような化学的性質を論ずるものではなく, 多孔質触媒の表面のどのような部分がとくに被毒されるかはっきりさせることである。幸いに, Wheelerにより被毒に関する動力学的な理論が立てられたので, これを石油の接触分解触媒のアルカリ被毒に用いてみた。まず, 触媒をK+とNa+で被毒し, 酸度の低下と接触分解能との関係をみたところ, 同じ触媒ならいずれのアルカリイオンで被毒しても, 比例的な関係のあることを知った。そこで, 交換酸度の低下から被毒割合を求め, セタンの分解実験を行った。結果は実測値と理論値が割合によく一致し, このことから, アルカリイオンは触媒の気孔の入口で選択的に吸着されることが確かめられた。
  • 森田 義郎
    1957 年60 巻12 号 p. 1536-1538
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    石油をシリカ・アルミナ系触媒で接触分解すると触媒上に炭素質の析出物ができ, 触媒の能力を低下させる。そこで,触媒活性の基になる酸性度と炭素質の析出状態および接触分解能との関係をしらべたところ,炭素質の析出により酸性度も接触分解能もほぼ比例的に低下することがわかった。また,炭素質の析出物があまり沢山つくと一部がグラファイト化するもののようで, 再生しても元の活性にまで戻らない。つぎに, Wheelerの理論をもちいて炭素質被毒の状態を求めたが,気孔口で優先的に被毒されていることが明瞭となった。
  • 黒岩 茂隆
    1957 年60 巻12 号 p. 1539-1542
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    非イオン性界面活性剤は一般に,その水溶液の温度を上昇していくと,曇点以上で白濁する性質を有する。これはポリオキシエチレン基のエーテル結合のところにある水和が,加熱によって次第に破壊され,その結果活性剤が水溶性を失うことによるものとされている。一方活性剤水溶液の流動性は,そのミセルの水和力に密接な関係があるものと思われるので,本報では,非イオン性界面活性剤水溶液の粘性挙動とそのミセルの水和性との間の関係を明らかにするために,前報と同一の傾斜型粘度計を使用し,各温度における種々の非イオン性界面活性剤水溶液の粘度を測定し,ηrelt(温度)およびηrel~Tmaxとこの曇り現象とをそれぞれ比較検討した。その結果水溶液のηreltは一般に曇点よりはるかに低い温度で極大となり,むしろ曇点では注目すべき変化がないこと,およびその水溶液は,このηrelが極大となる温度の前後において,最も非ニウトン粘性を示し易くなる(温度がそれより高くても低くてもニウトン性)ことが明らかとなった。このことは同一温度における(たとえば25℃)非イオン性界面活性剤水溶液の粘性挙動が,ポリオキシエチレングリコールの重合度によって相違し,それが疎水基に対しある範囲内にあるときに,粘度も高くかつ最も非ニウトン粘性を示し易くなることに対応している。
  • 木村 誓, 柏谷 景昌, 浅原 照三
    1957 年60 巻12 号 p. 1543-1545
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    高級パラフィン炭化水素のニトロ化は一般に困難であるが, 今回n - ドデカンを試料として, 最近発展してきた気- 液相ニトロ化を試み,硝酸蒸気で150~190℃の反応温度において容易にニトロ化されることを認めた。本反応によるとモノニトロ化合物とともにポリニトロ化合物, また副反応の酸化生成物が生ずるが, 反応温度, 硝酸の使用量およびその濃度を変化した各条件下に実験を行い, 反応物中の未反応炭化水素, ニトロ化合物, および脂肪酸の生成状況を検討した。かくして濃硝酸( 比重1.38) を炭化水素に対して等モル比で使用し, 180℃で反応させて, モノニトロドデカンを最も収量よくうることが出来た。赤外線吸収スペクトルおよび化学的試験により,生成モノニトロ化合物は少量の第1級ニトロパラフィンを含んだ第2 級ニトロパラフィンの混合物なることを認めた。
  • 矢部 章彦, 林 雅子
    1957 年60 巻12 号 p. 1546-1552
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    すでに合成の詳細を述べた,Na-4,4'-bis-(2-X,4-Y,1,3,5-triazyl-6)-diamino-stilbenedisulfonate-2,2'なる一般式のX,Yにそれぞれ(-OH,-NH2),(〓),(〓),(-OCH3,-NH2),(〓),(〓),(-OC2H5,-NH2),(〓),(〓),なるヒドロキシおよびアミン誘導体を組合せとして導入した合計9種の螢光染料につき,染着量-螢光強度特性,染色特性,堅牢度特性をしらべた。この系列は6種の置換基による組合せ21種の螢光染料中,概してすぐれた特性を示し,実用的にも使用可能なもの数種を見出すことができた。すなわち,いずれも螢光強度が高く,染色性は同種置換基にあらわれた特性の加成性がある程度認められ,堅牢度も日光堅牢度のすぐれたものが多い。洗たく堅牢度は構造によっては染料の脱着の著しいものもあるが,概して原染布の螢光強度を維持して実用上差支えないものが大部分である。総合的にとくに性能のすぐれたものとして[〓],[〓],[(-OC2H5)・(-NH2)],[〓]をあげることができる。
  • 佐藤 久次, 森田 睦夫, 半井 和三
    1957 年60 巻12 号 p. 1553-1554
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    粘度を異にする任意の2 種のアルギン酸ソーダを任意の割合に配合した製品の粘度を, 実際粘度を測定することなく,各配合アルギン酸ソーダの粘度および配合比から,実用的に十分な精度で容易に算出しうる実験式を導いた。
  • 鈴木 晴男, 武富 昇
    1957 年60 巻12 号 p. 1555-1556
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    市販のバレイショ,小麦,トウモロコシ各1種のデンプン(互にアルカリに対する膨潤性を異にする)を,二つずつ,または三つとも種々の割合であらかじめ混合したものについて,アミロアルカリグラフィーを行い,えられたアミロアルカリグラムを観察したところ,混合デンプンの曲線には単独試料の曲線の山に相当する場所に山または段があらわれることが明らかになった。したがって未知デンプンのアルカリグラムに二つ以上の山または段が出た時は,アルカリに対する膨潤性がかなり異なっている二つ以上の粒子群が混合していると見なして差支えないと思われる。
  • 住友 宏, 八浜 義和
    1957 年60 巻12 号 p. 1556-1559
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アクリル酸エチルをタキソゲン, ドデシルメルカプタンをテロゲン, 過酸化ベンゾイルを開始剤とするテロメリゼージョンを行った。100~240℃に55時間加熱還流,収率74%。生成物から〓のn=1,2および3のテロマーおよび副生成物としてドデシルジスルフィドを単離確認した。この条件におけるテロマーの大体の組成はn=1,17%;n=2,21%;n=3,15%;n≧4,13%;ジスルフィド,34%である。テロマーの酸化および加水分解を行って二,三の誘導体をえた。一部のものについては赤外スペクトル分析を行った。酢酸-メタノール(1:1)を展開剤とするペーパークロマトグラフィーを行い,各テロマーのRf値を求めるとともに本方法によってもテロマーの分離が可能であることを見出した。テロマーのポリ塩化ビニルに対する可塑剤としての性能をしらべ,実用に供しうることを認めた。またテロマーおよびその誘導体のアルカリ塩水溶液の表面張力試験を行った。
  • 岡島 三郎, 菊地 哲也
    1957 年60 巻12 号 p. 1559-1564
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    リンターとパルプとの混合率を変えてつくった平均重合度の等しい一連の強力人絹の半径方向の重合度分布を調べ,スキンの重合度が高く,コアの重合度が低いこと,またこの不均一度がパルプ混合率により違い,リンターに多少木材パルプを混入した時に不均一度が極大になることを知った。
    以上の現象が糸質に与える影響をみるたあ,種々の機械的性質を測定したが,屈曲疲労のみが重合度分布とよく関連し,スキン,コアの重合度差が著しくなるにしたがって,すなわちスキンの重合度の増大に伴ない,疲労強度が上昇することを見出した。
    木材パルプに硫酸塩法パルプと, レイオコードとを用いた二系列の試料について同じ結果をえた。
  • 祖父江 寛, 福原 節雄, 滝沢 春樹
    1957 年60 巻12 号 p. 1564-1566
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ラミー,木材パルプ,ベンベルグ,普通レーヨン,ハーフスキンおよびSuper型タイヤコード用レーヨンのいわゆるラテラルオーダー(以後L.O.と略す)分布を,トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド水溶液(以後T.B.と略す)を用いて測定した。T.B.はNaOHより溶解ガ強く,かつ空気の影響少なく,溶解処理は各天然,再生繊維素試料に対し常温で同一条件の下に可能であった(従来NaOH水溶液を用いた場合は再生繊維素の溶解処理は常温で,天然繊維素では8℃以下の低温で測定されているため,同一条件で再生,天然繊維素のL.O.分布は測定されていない)。また前加水分解後の平衡重合度を測定した。この結果,(1)L.O.分布曲線は上記試料の順序にL.O.の低い方に分布することを認めた。この順序はHermansのCCl4浸漬法による比重とおおむね同一傾向を示した。( 2 ) 再生繊維素ではNaOH水溶液を用いた場合に類似するL.O.分布を示した。(3)L.O.分布の順序と平衡重合度間には明瞭な関係はなかった。( 4 ) 以上の関係をさらに検討した。
  • 小枝 幾久雄
    1957 年60 巻12 号 p. 1567-1573
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    メラミンとホルムアルデヒドとの縮合物は反応の進行とともに次第に親水性から疎水性へと移行するが,この際の縮合物の性質と縮合物の組成との間の定量的な関係についてはほとんど知られていない。著者はこれらの点について詳細な研究を行った。まず反応条件の異なる多くの縮合物について, これを種々の濃度に水で希釈し, 冷却して透明な溶液が白濁を生じ始める時の温度を測定し,それと縮合物の濃度との関係を求めると,濃度3%付近に頂点を有する山型の曲線がえられる。この頂点の温度を白濁点とすると,
    1)白濁点は反応条件に無関係に常に濃度3%付近で現われる
    2)白濁点はメチレン化反応の進行とともに高くなる
    3)白濁点は縮合物の平均的組成でほぼ示される
    4)縮合物に更にメチロール基を添加するとその白濁点は降下する等の性質が明らかとなった。更に白濁点(Tc℃) と縮合物の組成との間に, 縮重合率(P% ), Mに対するF の反応モル比をnとすれば
    P≒0.05n(Tc+40)なる実験式が成立することを知った。この他, 従来反応の程度を知る目安として使用されていた混和度と白濁点の間にも簡単な関係の成立することを認めた。
    同時にまだ,メチレン化反応の経過を,とくにメチロールメラミンの縮重合という見方で追跡し,反応におよぼす温度,pH,反応モル比の影響について検討した。
  • 井本 稔, 黄 慶雲, 森井 賢作
    1957 年60 巻12 号 p. 1573-1576
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    m-キシレンはホルマリンとの硫酸触媒反応でキシレンの他の異性体に比較して大きな反応性をもち,フェノール類と後縮合硬化するm- キシレン・ホルムアルデヒド樹脂(以下XFHと記す) を生成する。著者らはこの反応性の差を利用して,キシレン異性体を硫酸触媒下でホルマリンと反応させ,XFHを生成分離し,未反応キシレンは水蒸気蒸留によって分離し,赤外線吸収スペクトル分析によってその組成を決定し,分離の度合と条件を検討した。その結果触媒量,ホルマリン量の変化によって,o-,m-,P- キシレン組成がそれぞれ21, 57, 19 の異性体混合物がXFHを生成した後, 未反応異性体はそれぞれ20-30,4-10,36-40なる組成に変わり,熱硬化性樹脂の原料に供するXFHを生成させながらキシレン異性体を分離できることがわかった。
  • 黄 慶雲, 小林 晨三
    1957 年60 巻12 号 p. 1576-1579
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    既報のm-キシレン・ホルムアルデヒド樹脂とフェノールとの縮合硬化に引続き,1,3,5-キシレノールとの反応性について検討を行った。1,3,5-キシレノールはフェノールにくらべて反応性が高く,より多くの不溶性硬化樹脂を生成した。この反応生成物はm-キシレン核の間に1,3,5-キシレノールを-CH2-で結合した組成をもつものである。この反応性は反応温度, 反応時間, 反応触媒量, 反応モル比によって支配される。硬化の際, 硬化に達しなかった可溶部樹脂の炭素,水素の元素分析値を差引いた残りを含酸素率とし,これを生成樹脂の可溶部の1,3,5-キシレノールの水酸基の酸素として換算し,水酸基の定量分析値を比較すれば,m-キシレン・ホルムアルデヒド樹脂と1,3,5-キシレノールとの反応度合を知るのに有効であることがわかった。
  • 黄 慶雲, 森井 賢作
    1957 年60 巻12 号 p. 1579-1581
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    含酸素m-キシレン・ホルムアルデヒド樹脂と,フェノール,フェノール置換体,P,P'-ジオキシジフェニルメタン,またはノボラックとを熱硬化さると3次元化した不溶性樹脂を生成する。低分子量のフェノール類よりも,ノボラックの方がすみやかに3次元化した樹脂をうる。このノボラックとの硬化反応は著しく,反応時間,反応温度,反応触媒量によって影響されることを認めた。またこのm-キシレン・ホルムアルデヒド樹脂がノボラックの架橋剤として,ヘキサメチレンテトラミンと異なった役割をはたすことをも合せて確認した。
  • 黄 慶雲
    1957 年60 巻12 号 p. 1582-1585
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    酸性触媒存在下でm-キシレンとホルマリンとで生成したm-キシレン・ホルムアルデヒド樹脂はノボラック樹脂と異なり,一般的組成としてm-キシレン核をメチレン,エーテル,アセタール結合で結んだものからなることを報告した。著者はこれらの結合型の2~3核体の中間体を合成し,これらのメチレン型,エーテル型,アセタール型は比較的安定な型で存在しうることを確かめた。またm- キシレンとホルマリンとの反応からえられない分子量1000以上のポリエーテルをも合成することに成功した。
  • 神原 周, 籏野 昌弘
    1957 年60 巻12 号 p. 1585-1588
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    3,3-ビス(クロルメチル)オクサシクロブタンのフッ化ホウ素-エチルエーテル錯化合物による陽イオン開環重合を種々の誘電率を持つ溶媒中で行い,えられた重合体の溶液粘度を変形Ubbelohde型粘度計で測定し,溶媒による重合体の収率と重合体の極限粘度の大きさへの影響を調べた。重合反応に用いた溶媒の誘電率の増加に伴なって重合率の増加の傾向はあるが顕著ではなく, むしろえられる重合体が膨潤し易い溶媒を重合反応に用いるほど重合率もその極限粘度も増大し,溶媒の膨潤効果が重合反応に著しく影響することが認められた。用いた6種類の溶媒中最良である臭化エチルを溶媒として使用し,重合反応の単量体濃度による影響を調べ,単量体の濃度を大きくすると生成する重合体の収率もその極限粘度も増加するが, 過大にすると好ましくないことを明らかにするとともに, ここに用いた110℃,o-ジクロルベンゼン溶媒による溶液粘度の測定法がこの重合体の溶液粘度の測定に十分に精度高く適用出来ることを明らかにした。
  • 庄野 利之, 往田 俊雄, 八浜 義和
    1957 年60 巻12 号 p. 1588-1591
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    フルフリルアルコール初期縮合物中の成分として存在が確認されているフルフリルアルコール( I ) , 2 - オキシメチル-5-フルフリルフラン(II),2-オキシメチル-5-(5'-フルフリル)-フルフリルフラン(III),ジフルフリルエーテル(IV),ジフリルメタン( V ) の5 種類の化合物およびフラン核をもつ2 価アルコール2 , 5 - ビスオキシメチルーフラン( V I ) , ビス- ( 5 - オキシメチル- 2 - フリル) メタン( V I I ) の合計7 種の化合物を調製し, ベンゼン: 酢酸: 水( 5 : 5 : 1 ) 混液の上層を展開剤とする上昇法を用い, 2 %p- トルエンスルホン酸水溶液を呈色剤とする方法で, これらの化合物のペーパークロマトグラフィーを再現性よく行いうることを見出し, フルフリルアルコール初期縮合物の成分検索に応用した。その結果フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド初期縮合物中より( V I ) , ( V I I ) 2 種類の化合物を純粋に単離することに成功し,フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド系の反応機構を推定することができた。
  • 井上 良三, 巳波 敏郎, 安東 忠直
    1957 年60 巻12 号 p. 1591-1594
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    従来われわれは, カセイアルカリを触媒とするフェノール類のメチロール化反応は, フェノラート・アニオンのオルトおよびパラ位置の負電荷とホルムアルデヒドの陽性カルボニル炭素との反応が律速的であることを, いろいろの観点から証明し, またカセイアルカリの種類に無関係に, フェノラート・アニオンのパラ位置はオルト位置の約2 倍の反応性を持つことを報告してきた。
    メチロール化反応におけるフェノラート・アニオンのオルトおよびパラ位置の反応性を正確に求めることは,メチロール・フェノール生成反応機構の解明に資するばかりでなく,広くπ電子系化合物に対する求電子的置換反応の問題としても非常に重要なことと思われるので, 今回は赤外線吸収スペクトルを用いて, フェノラート・アニオンのオルトおよびパラ位置の反応性を求めた。
    その結果,20~60℃においてパラ位置はオルト位置の2倍の反応性を持つことが明らかとなり,既報の結果とよく一致した。本報告においては主としてその実験結果について報告し,理論的な取扱いについては後報にゆずりたい。
  • 田中 武英, 山下 千明, 横山 哲夫
    1957 年60 巻12 号 p. 1595-1600
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    レッペ反応でアルキルフェノールとアセチレンから生じる重合物がビニル重合物の構造を持たず, フェノールアセトアルデヒド樹脂型の構造を持つことはすでに報告されているが,同様の重合機構がモノマーからの重合の場合も起りうるのではないかとの疑問を持ち,o-オキシスチレンを製造して重合物の構造の検討を行った。その結果o-オキシスチレンはH+イオンで重合が促進されるが,重合物の構造は触媒の種類に影響されないことを知り,その構造はフェノールアセトアルデヒド樹脂の線状縮合物にきわめて類似していることを明らかにし,さらにこの1次元重合物がホルマリンとの縮合により3次元化されうることを示した。
  • 斎藤 真澄, 千々松 宜男, 北村 宏之, 伏崎 弥三郎
    1957 年60 巻12 号 p. 1600-1601
    発行日: 1957/12/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
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