この研究は,加熱された2Aと粒中のコランダム格子の大きさを,と粒の色から推定する方法を得る目的で行なったもので,本邦主要と粒会社の製品(粒度36~120番,Δd
1 48~70×10-5Å)をいろいろの条件で加熱し,それらの色の主波長λ
d,刺激純度P
e,視感反射率YとΔdの関係を求めた。
Δd-λd,Pe,Yの関係は,と粒性質,加熱条件,その他の処理条件で変動したが,まとめると大約つぎのようになる。λdは生と粒で600mμ付近であるが,Δd/Δd
i0.9~0.8で470~475mμとなり,それからΔdの減少につれて僅かに増大の傾向を示す。そして加熱雰囲気の酸素分圧があまり低くない限り,Δd/Δd
iO.1
5付近で485mμを越えて急激に増大する。PeはΔd/Δd
i0.9~0.8,0.15またはそれ以下の点で最小値を示し,Δd/Δdi0.5付近にこの間の最高値(8~14%)がある。YはΔd/Δd
iの1→0.1の減少の間に10~20%→40~50%と増大する。
加熱と粒のΔdは,適当な比色標準を用意すれば,と粒性質,加熱条件,その他の処理条件が判っておれば肉眼比色にて±5×10-5Å程度の精度で推定することも不可能ではない。
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