工業化学雑誌
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66 巻, 2 号
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  • 岩間 彬, 山崎 毅六
    1963 年 66 巻 2 号 p. 163-165
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    液体推進剤ロケットが定常燃焼しているときの液体推進剤の着火遅れにおよぼす圧力,雰囲気および温度のパラメーターのうち,とくに前二者の影響を明らかにして,かつ温度の影響についても推定した。推進剤は燃料成分にフルフリルアルコール(FA),トリエチルアミン(TEA),およびアニリン(AN),酸化成分に白色発煙硝酸(WFNA)を使用した。着火遅れは最初の段階である物理遅れ(τ1)とそれに引き続く段階の化学遅れ(τ2)の和とすれば,定常燃焼圧力付近では,τ1が着火遅れの大部分を占めていて,温度の影響は高圧下では少ないと考えられる。また,雰囲気の反応性の影響は大きく,総体に不活性ガス雰囲気中では,TEA~WFNAについて加圧によりかえって着火遅れが長くなり,着火が不確実となる現象がみられる。
  • 中川 雅直
    1963 年 66 巻 2 号 p. 166-169
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    1molの三塩化ホウ素の四塩化炭素溶液2mlと酸アミド2・10-3mo1とを25mlの四塩化炭素中で混合し,生成した沈殿を母液と共に40,60または100℃ の湯浴中で還流加熱し,発生した酸分をカセイソーダ溶液に吸収させて塩素および未知の弱酸分を定量した。4.7~6.5時間加熱した後に,残留物についても塩素およびホウ素量を調べた。その結果,第1級のアミドではクロルアセトアミド,α-フェニルアセトアミド,ベンズアミドの順に分解速度が遅くなり,第2級ではアセトアニリドよりベンズアニリドの方が遅く,第3級のN,N-ジフェニルアセトアミドでは非常に遅いことが知られた。また,100℃で加熱した分解残留物のCl2/Bの値は第1級では約0.5,第2級では0.6~0.8,第3級のN,N-ジフェニルアセトアミドでは約0.9であった。さらにホウ素のほぼ90%以上が分解残留物中に残ることがわかった。これらの結果から第1級アミドの反応生成物はニトリル,ニトリルと三塩化ホウ素との分子間化合物,ならびにクロルボラゾールなどに分解し,第2級の場合にはアミドボロンクロリドとクロルアリルボラゾールに変化し,第3級のN,N-ジフェニルアセトアミドのときはアミノボロンジクロリドと未知の生成物とに分解するものと考えた。
  • 稲垣 道夫, 武内 秀吏, 山中 文人, 野田 稲吉
    1963 年 66 巻 2 号 p. 169-172
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    粒度配合が既知の6種の人造黒鉛製品について真空中,常温から2500℃までの種々の温度において引張り強度を測定した。各温度において引張り強度と気孔率との間に比較的よい相関性が認められ,強度と粗度配合との間にも密接な関係があることがわかった。各試料の強度は温度とともに増加しており,温度に関する2次式でよく近似することができた。高温強度を常温強度に対する割合で表わせば,測定強度の変動が相当大きいことから考えて,試料間に差を認めることは困難であり,常温強度を1.00とすれば,1100,1500,2000および2500℃ における強度は平均1.19,1.29,1.50および1.76であった。
  • 下里 純一郎
    1963 年 66 巻 2 号 p. 172-177
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アルミン酸ナトリウム溶液からの水酸化アルミニウムの析出反応の複雑性は,その反応機構からある程度の解釈を下すことができる。本報においては反応機構に関する二,三の理論を述べ,ついで前報において得られた実験より反応速度式を近似的に求めて,その反応機構を推察し,更に前報までの諸実験事実に適用させて,これらを説明した。得られた結論は次のごとくである。(1)反応速度は過飽和度の2乗および1乗に比例する項から成立っており,前者は結晶成長速度,後者は核生成速度を表現する。過飽和度の大なる範囲では重合アルミン酸イオンの濃度に依存する項も含まれる。(2)結晶成長速度は高温程大で,アルカリ濃度200g/l付近で最大になる。この最大点を生ずる原因は,濃度によって変化する溶液中のイオンの易動度と,イオンの数が結晶成長速度に影響を及ぼすためと考えられる。(3)核生成速度は高温,かつ希アルカリ濃度ほど大となる。(4)アルカリ濃度が大きな条件で得られる結晶は,不安定で機械的に破壊され易い。
  • 下里 純一郎
    1963 年 66 巻 2 号 p. 177-184
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アルミナ製造工程中におけるアルミン酸ナトリウム溶液からの水酸化アルミニウムの析出反応の意義を考慮すると,その前後の工程に及ぼす影響が大きいことが判断される。本報においては,析出反応における析出量ならびに析出物品質がアルミナ製造工程の操業条件に及ぼす影響についてまず論じ,ついで工程全般を顧慮して,仮定した工業的な一つの条件において析出工程の取るべき最適の条件を推察した。この結果,最適条件としては,(1)析出初温60~65℃,(2)アルカリ濃度150~200g/l,(3)析出時間:析出設備が許し得る最大の時間,(4)種子添加量:アルミナ換算50~70g/lが望ましい。ただし,この最適条件は原料の経済的変動,設備の内容によって若干異なって来る。
  • 下里 純一郎
    1963 年 66 巻 2 号 p. 184-188
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アルミン酸ナトリウム溶液から水酸化アルミニウムを析出させる工程で使用される析出設備は,原理的には容器内で固体粒子としての種子ならびに析出物を液にけん濁するようにかきまぜ作用を行なわせるもので,従来から変わりないものであるが,その形態については多くの改良が加えられ漸時変化しつつある。本報においては,析出設備の問題点として,析出槽容量,連続式析出法,かきまぜ方式を取り上げ,現在の析出設備が進歩すべき方向を示唆した。主として検討した要点は次のとおりである。(1)析出設備の最適容量は,仮定した工業的な条件ではアルミナ日産t当り70~80m3程度である。(2)析出設備で連続方式の非連続方式に対する利点を列挙した。(3)析出槽のかきまぜ方式は析出槽容量の増大に伴ない空気かきまぜが機械かきまぜよりも有利であると判断される。
  • 原崎 勇次, 長谷川 晴夫, 桐ケ谷 喜一
    1963 年 66 巻 2 号 p. 188-191
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    酸化亜鉛-樹脂分散系の電子写真紙においてシアニン系色素の添加が初期電位,暗減衰特性,光減衰特性に及ぼす影響について実験した。その結果一般的に長波長側に最大吸収のある色素は増感効果が大きいけれども,メチン鎖の長い800mμ付近に最大吸収のある色素は増感効果が少なかった。ハロゲン化物のおのおのの差は少なく,ハロゲンのイオン性,非イオン性の帯電特性上の差はほとんどなかった。共鳴の大きい核をもつ色素ほど増感効果は大きかった。カルボキシル基,トルエンスルホン酸基が窒素の近くに付加していたり,メトキシ基,塩化物の多いものは暗減衰が早くなった。
  • 鈴木 正巳, 武内 次夫
    1963 年 66 巻 2 号 p. 191-194
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    水銀法食塩電解液中の痕跡のバナジウムの定量法を確立した。試料200~500mlを採取し,バナジウムを水酸化鉄と共沈させて大量の食塩から分離し,水酸化鉄沈殿を溶解後バナジウムをN-ベンゾイル-N-フェニルヒドロキシアミン錯化合物として抽出し,吸光光度法で定量する。抽出の場合の適当な塩酸濃度は4~6mol/lで,モリブデン(VI)5mg,ジルコニウム(IV)1.3mg,チタン(IV)100μg以上が共存するとバナジウム12μgの定量に影響した。また,フッ化水素酸が存在すると抽出液は赤色になった。本法を用いると1μgのバナジウムも簡単な操作で定量することができた。
  • 伊藤 庸夫
    1963 年 66 巻 2 号 p. 194-198
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    空中粉塵の測定を簡易化する方法として,ロ紙展開法について検討した。適当な展開剤を用い,硝酸鉛粒子をロ紙上で展開させると,粒子は溶解し原点を基点として,展開方向に細長い楕円形のハン点を生じる。水,および極性有機溶媒の多くのものは,この型のハン点を生じ,展開剤として用いられる。ただ,鉱酸,有機酸では展開剤の浸透と共に不定形のハン点を生じて移動し,好ましくない。この結果生じたハン点の面積と粒子の量との間には,一定の比例関係が成立しており, 面積の測定から粒子の定量が可能である。なお, ハン点面積はロ紙の厚さによって変化し, 薄いものほど感度は上昇する。硝酸鉛粒子を水で展開した場合,鉛1γ 当たりのハン点面積は,東洋濾紙No.50の場合0.14cm2,No.51では0.25cm2であった。これらのロ紙(2cm×40cm)を用いた場合の測定限界は,およそ4~260γPb(No.50),2~150γPb(No.51)の範囲にあった。したがって,ロ紙展開法を用いれば,ハン点の色相,および面積の測定により粒子の確認,定量を簡易に行なうことができる。
  • 神林 うた子, 額田 健吉, 鈴木 昭夫, 竹田 一郎, 富田 弘, 益子 洋一郎
    1963 年 66 巻 2 号 p. 198-205
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    D-D(土壌燻蒸剤,塩化プロパン,塩化プロペン類混合物)の迅速な定性,定量分析を目的として本研究を行なった。まず分取用ガスクロマトグラフによって,原試料に含まれる10個の成分を捕集した。つぎにこれらの成分を試料として高分解能NMRスペクトルを測定し,化学シフト,面積強度比,スピン結合による分裂の様子,スピン結合定数などから各成分の構造を推定し,さらに赤外吸収スペクトルによって同定ないし確認を行なった。捕集した試料中に含まれる微量成分についても,NMRスペクトルより,その構造を推定した。また原試料のNMRスペクトルのシグナルの面積強度を測定することより,4個の主成分の定量を行なった。
  • 早乙女 和雄, 宮田 征司
    1963 年 66 巻 2 号 p. 205-208
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    エチレンと四塩化炭素のテロメリゼーションにより生成する1,1,1,5-テトラクロルペンタンからヘキサメチレンジアミンを合成した。テトラクロルペンタンから前報の方法によりδ-シアノ吉草酸あるいはそのエステルを合成して,それらを原料として種々の脱水触媒を用い, アンモニアとの反応によりアジポニトリル(ADN) を合成した。ADNの生成反応について, 脱水触媒の種類および反応条件を種々変化させて検討した。δ-シアノ吉草酸よりリン酸ホウ素を触媒として,91%の収率でADNか生成した。またこの反応の中間生成物と考えられるδ-シアノ吉草酸アミドを調製して,これの脱水反応について種々の脱水剤および脱水触媒を用いて検討した。ADNをラネーニッケルおよびラネーコバルトを触媒として水添すると, 高収率でヘキサメチレンジアミン(HMDA) が生成した。
  • 加藤 時雄
    1963 年 66 巻 2 号 p. 209-211
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    クメンの自動酸化により直接α-クミルアルコール,あるいはα-ジクミルペルオキシドを合成するために,コバルトとマンガンのステアリン酸塩を触媒として,クメンの加圧乳化酸化を試みた。この場合α-クミルヒドロペルオキシドと,アセトフェノンを副生するが,触媒の種類,反応温度,乳化剤のpH等の主要反応条件が,酸化クメン中の各生成物の組成にどのような影響を与えるかを検討した。
  • 黒岩 茂隆, 宮下 睦夫
    1963 年 66 巻 2 号 p. 212-214
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    界面活性剤の化学構造と,その濃厚水溶液の粘弾性構造との関係を究明するために,ポリオキシエチレンドデシルェーテル硫酸ナトリウム,およびドデシル硫酸ナトリウムの2種の陰イオン性界面活性剤をえらび,それぞれ濃厚溶液の動的な粘弾性の濃度ならびに周波数依存性を調べて,比較検討を行なった。実験の結果,親水基にポリオキシエチレン鎖を有する前者の濃厚溶液は,後者のそれよりはるかに粘弾性的性質が顕著で,濃度変化も著しいことが明らかにされた。また周波数依存性の実験では,はじめ周波数をあげていったときの粘弾性を測定したら,引きつづき今度は,周波数をさげながら再度測定するというやり方で実験を行なった。その結果,粘弾性の周波数変化にも両者の化学構造による差異が明瞭にみとめられ,とくに前者の場合には,粘性率も剛性率もともに,周波数をさげてきたときの方が大きな値を与え,しかも特異なヒステレシス現象が観察された。これらの実験結果にもとづき,両者の溶液構造について詳細に考察した。
  • 桑村 常彦
    1963 年 66 巻 2 号 p. 215-221
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    グリシジルエーテル長鎖同族体と,亜硫酸塩の付加反応により,2-オキシ-3-アルコキシ(またはアルキルフェノキシ)プロパンスルホン酸塩R-O-CH2C(OH)HCH2CH2-SO3Na(I) をよい収率で合成した。(I) はその連結基(-OCH2C(OH)HCH2-)中に極性原子団を含むにもかかわらず,同一鎖長をもつアルキルスルホン酸塩R-SO3Na(II)よりやや低い水溶性を示した。(I)および(I)に近似の構造をもつ二,三のスルホネートの水溶性,IR吸収,X線回折を比較検討した結果,(I)の低水溶性の要因は連結基中の-OH基が-O-またはSO3-との間に水素結合を形成して,活性剤親水性部分の水和性を著しく減殺していることにあると推測された。(I)の表面張力低下能は中庸程度であるが,CMC値は同一Rの(II)よりかなり低い。(I)の湿潤力,耐硬水性は良好で,特にカルシウム分散能の大きいこと,およびその温度依存性の顕著なことは,連結基の効果として注目される。
  • 岡原 光男, 小森 三郎, 新杉 晃
    1963 年 66 巻 2 号 p. 222-227
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ショ糖長鎖脂肪酸モノエステル,ジエステル,ポリエステル,ならびにショ糖と,二塩基性酸メチルとのエステル交換によって得た一種のポリエステルの長鎖脂肪酸エステルを,不乾燥性油状防食油(米軍規格P-7,P-8,P-9またはP-10型)添加剤として用いた場合の軟鋼板に対する防食効果を,湿潤試験ならびに塩水噴霧試験によって調べた。ショ糖長鎖脂肪酸モノエステルは基油として用いる潤滑油への溶解度が悪く,防食添加剤としては不適当であったが,ジエステル以上のポリエステルはかなり良好な防食効果を示し,とくにトリエステル程度のものが最も優秀であった。脂肪酸基としては,ミリスチン酸,パルミチン酸などの飽和脂肪酸,エルカ酸などの長鎖の脂肪酸エステルが良好であり,ラウリン酸のような鎖長の短かいものや,リノール,リノレン酸のような不飽和結合を多く含む脂肪酸のエステルは,やや効果が劣っていた。また,ショ糖-二塩基性酸ポリエステルの誘導体は非常にすぐれた効果を示し,他の添加剤を加えなくても,単独で良好な防食油が得られることが確かめられた。
  • 雨宮 登三, 中村 悦郎, 小口 勝也, 富田 稔
    1963 年 66 巻 2 号 p. 227-230
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    融点が比較的高く,共存成分と沸点が近接し,しかも共融混合物を形成するような芳香族炭化水素の精製法として,結晶化分離法は今後工業的にも利用の範囲が広いと考えられる。
    粗ベンゼン中にはパラフィン,オレフィン,芳香族,ナフテンおよびイオウ化合物が含まれており,これらのうちベンゼンと沸点が近接しているものおよびイオウ化合物の分離はなかなか困難である。そこでベンゼンの精製に結晶化分離法を適用しようと考え,連続押出型遠心分離機を用いて基礎的研究を行なった結果,ベンゼンの純度と分離操作における各因子,すなわち母液粘度,脱水時間および遠心効果との関係,不純物の分布の問題,ベンゼンと固溶体を形成するチオフェンの挙動等について二,三の知見を得た。
  • 永岡 宏一, 足立 泰一, 工藤 士郎
    1963 年 66 巻 2 号 p. 231-234
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ブチルアルデヒドからアルドール縮合により2-エチル-2-ヘキセナールを合成し, これを気相水素添加し,2-エチルヘキサノールを合成する各工程における副生物の検索を行なった。
    その結果,アルドール縮合工程で不飽和オキシアルデヒド(C12H22O2),気相水素添加工程で低沸点部から水,2-エチルヘキセン-(1),3-メチルへプテン-(2),3-メチルへプテン-(3) および3-メチルへプタン, 高沸点部から2-エチルヘキシル(2-エチル-1-ヘキセニル)エーテル,ピス-(2-エチルヘキシル)エーテル,2-エチルカプロン酸2-エチルヘキシルおよび2-エチルカプロン酸が主として副生することを確認し,副生物がテトラニトロメタン添加による2-エチルヘキサノールの着色試験におよぼす影響を明らかにした。不飽和オキシアルデヒドを熱分解するとブチルアルデヒドおよび2-エチル-2-ヘキセナールが生成した。また銅・クロム系触媒上での2-エチルヘキサノールの脱水反応および2-エチルへキセン-(1)の異性化反応を行ない,副生物の成因について一部検討を加えた。
  • 高橋 武雄, 笠原 文雄, 西出 英一
    1963 年 66 巻 2 号 p. 235-237
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アルギン酸プロピレングリコールエステル生成反応における有機溶剤(メタノール)中のナトリウム塩(酢酸ナトリウム,塩素酸ナトリウム)の影響について種々検討した。メタノール中におけるナトリウム塩の影響は著しく,アルギン酸とプロピレンオキシドとの反応モル比は1:3で良好なエステルが得られ,そのエステル化度は
    酢酸ナトリウム>塩素酸ナトリウム
    の関係にあり,ナトリウム塩添加量の増加にしたがい,エステル化度は高くなり,溶液性状は向上する。
    更に,メタノール中のナトリウム塩がアルギン酸とプロピレンオキシドとのエステル化反応におよぼす役割については,アルギン酸のカルボキシル基がナトリウムにより部分中和されて,そのエステル化反応が均一に進行すると共に,メタノール中のナトリウム塩の存在によりプロピレンオキシドの加水分解( プロピレングリコールの生成) が強く抑制され,プロピレンオキシドを節約しうることを認めた。
  • 船久保 英一, 守谷 一郎, 戸嶋 直樹, 永井 利一
    1963 年 66 巻 2 号 p. 237-241
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ベンゼン,ナフタリン,アントラセンの各誘導体17種について,黒鉛化カーボンブラックに対する吸着等温線を測定し,吸着機構について検討した。
    黒鉛化カーボンブラックに対するこれら溶質の吸着性は,シリカゲルやアルミナの場合と異なり,無極性溶媒系よりも極性溶媒系においてよく吸着し,また,極性基が置換したナフトールやナフチルアミンの吸着性はメチルナフタリンよりむしろ小さく,シリカゲルやアルミナの場合と比較して全く異なる結果を示した。黒鉛化カーボンブラック系において吸着熱を測定したところ,2kcal/molという価を得たし,また,吸着分子のすべてが,常温で容易に脱着されるという実験結果を得たことは,本系の吸着が「物理吸着」であることを強く示唆する。
    アルミナやシリカゲルに対する芳香族化合物の吸着性が,分子化合物形成と類似の「化学吸着」として理解できるのに対し,黒鉛化カーボンブラックにおいて,このような電荷移動を伴う相互作用のないのは,前者においては,例えば表面シラノールのような電子受容性の基が存在するのに反し,後者においては,そのPz軌道が,網状高分子のために,互いに重なり合って吸着剤分子内で安定化しているために,被吸着分子と作用し難いことによるものと考えられる。
    なお,このような物理吸着の系においても,立体効果の影響が認められた。
  • 阿部 竜二
    1963 年 66 巻 2 号 p. 242-246
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ポリオキシエチレンノニルフェノールの炭酸カルシウムと,カーボンブラックに対する吸着等温曲線を測定し,これらの活性剤および粉体の親水性親油性と吸着との間の関係を研究した。(1)炭酸カルシウムに対しては,活性剤により吸着しないもの,Langmuir型および多分子層型の吸着を示すものがある。その中Langmuir型のものが粉体の分散に効果があった。これらの吸着はCMC以上の濃度で起こり,また活性剤分子の吸着断面積は非常に小さい。このことはミセルの吸着を仮定することにより説明される。(2)カーボンブラックに対する吸着等温曲線は全部Langmuir型であり,これらの活性剤の吸着断面積をAとし,オキシエチレン数の公称値をnとすると,次のような関係が導かれた。
    46.7・n0.74=A
    いずれの粉体に対しても,オキシエチレン数の異なる活性剤を種々混合した場合の吸着等温曲線は,この混合物のオキシエチレン数の算術平均値と同じオキシエチレン数を有する単独の活性剤と同じような吸着等温曲線を示した。
  • 紙尾 康作, 児嶋 真平, 大門 宏
    1963 年 66 巻 2 号 p. 246-249
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    触媒として有機金属化合物を使用するアルデヒドの重合について研究した。この重合には重合の限界の温度があり,その温度以上では重合はおこらない。アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,ブチルアルデヒド,イソブチルアルデヒド,トリクロルアセトアルデヒドの重合限界温度はそれぞれ-30,0,-30,-15,40℃である。この温度以上では重合体の解重合が認められるので,この限界温度は天井温度に相当するものであると思われる。
    重合温度が高くなるとともに副反応は増大し,天井温度以上の温度では副反応のみが認められる。したがってアルデヒドの重合は十分低温で行なう必要がある。
  • 河合 和三郎
    1963 年 66 巻 2 号 p. 249-252
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    プロピレンと極性ビニルモノマーとの共重合を行なう目的で,プロピレンとアクリロニトリルとの共重合反応を試みた。触媒としては,トリエチルアルミニウム-オキシ塩化バナジウム(V)(AIEt3-VOCl3)およびトリエチルアルミニウム-(AIEt3-BF3OEt2)を用い,重合は耐圧ガラス反応管中で行なった。AlEt3-VOCl3系の場合には共重合体は,最初のモノマー混合比によらずにそのアクリロニトリル含量はほぼ一定値をとり, しかもアクリロニトリル単位が多い。一方,AlEt3-BF3OEt2系(空気を含む)の場合には,モノマー反応性比が,r1(アクリロニトリル)=0.8,r2(プロピレン)=0.1とした場合の理論曲線によく一致することがわかった。更にこの値から, プロピレンのQ=0.12,e=-0.262と計算された。この値は, アクリロニトリルと共重合可能であることを裏づけるものである。
  • 上田 一郎
    1963 年 66 巻 2 号 p. 252-256
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    塩化亜鉛・塩化ナトリウム水溶液中でアクリロニトリルを塩化銅(II) (CuCl2)・塩素酸ナトリウム(NaClO3)・亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)系開始剤により重合すると,過硫酸塩開始剤の場合にみられた微量のCu2+による分子量制御作用が起らず,高分子量のポリマーが転化率よく得られる。このポリマー溶液から,紡糸して製造した繊維を塩化アンモニウム,塩化ナトリウム,尿素の水溶液で短時間煮沸すると,繊維中に含まれている亜鉛,銅は容易に除去され,白度の高い,カチオン染料に強い親和性を有する繊維が得られる。
  • 田中 順太郎, 相川 禎一, 高橋 高子
    1963 年 66 巻 2 号 p. 256-258
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    テルペン類の重合反応のうち,モノテルペンについては研究が行なわれ,生成物の用途も開かれているが,セスキテルペンについては,ほとんど行なわれていない。そこで,天然に比較的多量に存在するセスキテルペンの一種d-ロンギホーレンをとりあげ,その重合反応および生成物を検討した。数種の触媒を使用したが,モノテルペンの重合に多く用いられている塩化アルミニウムが,d-ロンギホーレンに対しても最も効果的であり,二量体を主とする固体の重合反応物をつくることがわかった。溶媒としてトルエンを用い, 塩化アルミニウム触媒によって, 触媒量, 反応温度, 反応時間と生成物の収率との関係を検討した結果,収率は最高約70%までであった。これは異性化反応が同時に行なわれるためであると考えられる。
  • 武久 正昭, 安本 昌彦, 保坂 義信
    1963 年 66 巻 2 号 p. 259-263
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    回分式反応によるエチレンと四塩化炭素の放射線テロメリゼーションについて既に報告したが,流通法反応装置の設計計算を行なうため回分式ならびにエチレン定圧下における反応の差異を明らかにする目的で実験を行なった。
    定圧反応では回分式と異なり反応によって誘起される圧力降下は反応系内に送入されるエチレンによってつぐなわれるが,このときエチレン中に含有される反応禁止剤(酸素)も同時に反応系内に送入されるため反応速度の線量率依存性が回分式のときの0.63乗より高く0.78乗に増加した。反応速度は反応圧力40kg/cm2程度までエチレン圧力に従って増加するが,この程度の圧力で頭打ちの傾向を示す。反応温度の上昇は初期反応速度を増加させる。しかし四塩化炭素の高反応率のところでは逆に低温の方が反応速度が大である。50℃,40kg/cm2では約6Mradの照射により四塩化炭素は100%反応し,照射を続行するとさらに反応が続くことからこのときはテロマーに対するテロメリゼーションが起っていると推定される。生成テロマーの平均重合度とエチレン反応量との間には直線的関係があり,反応の進行にともなって増加する。またn=2テロマーの収率は低温で増加する。
  • 浜島 求女
    1963 年 66 巻 2 号 p. 264-268
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    メタクリル酸メチル単量体,およびこれに0.04~0.2mol/l の濃度に有機低分子化合物を添加した系のガンマ線の照射重合を約3×1018eV/ml/hrで,10~30℃で行なった(この線量率は前報の約1/5になっている) 。1)純単量体の重合速度および生成重合体の分子量は,照射温度と照射線量率に依存し,純単量体の全重合反応の活性化エネルギーは4kcal/molとなり,この値は前報の結果よりも大きい。重合速度は線量率の1/2乗に比例して増加するが,生成重合体の分子量は線量率の増加とともに減少する。2)添加物を少量共存させると,この添加物が単量体の重合反応に影響を与え,添加物濃度を0.1mo/lとした場合のRE値の大きなものから順に並べると,酸,酸無水物>オキシ化合物>炭化水素>ケトン>エーテル>エステル>含窒素化合物>ハロゲン化炭化水素>ニトロ化合物となる。この順位は前報と多少異なっている。3)添加物の濃度を変化させると,RP値およびRM値,したがってRE値が変化する。しかし照射線量率によってはこれらの値は変化しないことがわかった。
  • 住友 宏, 高椋 節夫, 八浜 義和
    1963 年 66 巻 2 号 p. 269-271
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    60Co-γ線によるアセチルセルロース(CA)-スチレン(St)系の共存照射グラフト重合を行なった。はじめに重合速度およびグラフト効率におよぼす溶媒の種類と,モノマー濃度の影響をしらべた。ベンゼンを溶媒とした場合,(i)CAの存在はStの放射線重合を加速する。(ii)一定線量率,一定線量のもとではモノマー濃度60mol%付近に重合速度の最大がみられる。(iii)グラフト効率は,モノマー濃度の増加とともに増す。グラフト効率はまたベンゼンの場合線量の増加とともに増大するが,CAの溶剤であるアセトンやジメチルホルムアミドの場合には,低線量において高い値を示すが, 線量の増加にともなって減少する。C A フィルムに対するS t のグラフト重合を行ない, ベンゼンおよびアセトンを溶剤とする抽出を交互にくり返し行なって,遊離のポリスチレン(PSt),グラフト重合に与からなかったCA,およびグラフトポリマーをたがいに分離した。PStの分子量は,その生成する場所によって大きく異なり,つぎの順に顕著に増大する。純溶液相<フィルム内溶液相<グラフト相。これは場所によるモノマーの相対的濃度,および成長ラジカルの停止反応速度の差などの観点から説明できよう。得られたグラフトポリマーは組成上PSt分にいちじるしく富んでいる。アルカリケン化によって,アセチル基にグラフトしたPSt,ついで加酢分解によってグルコース基のその他の部分に結合したPStを分離した。これら両PStの結合量には大きな差はなく,共存照射法による場合は,CA分子のある特定の位置に優先的にグラフト重合が起こるということはないようである。
  • 坂田 功
    1963 年 66 巻 2 号 p. 272-275
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    亜硫酸ナトリウムに炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウム,水酸化ナトリウム,硫化ナトリウムなどを添加した薬液を用いて,アルカリ性亜硫酸塩蒸解の速度論的な研究を行ない,その脱リグニン機構について検討した。
    (1)炭酸水素ナトリウム,炭酸ナトリウムを添加した弱アルカリ性蒸解においては,リグニンに結合したイオウはすべてスルホン基で,そのスルホン化度は相当に高い(4~6%S/lignin)。脱リグニンの進行模様は,既報のpH6.3の亜硫酸塩蒸解のそれと類似している。
    (2)水酸化ナトリウム,硫化ナトリウムを添加した強アルカリ性蒸解においては,リグニンのスルホン化はわずかしか進行しない(0.3% S/lig.) 。その全イオウ含量(1~2% ) がスルホン基に相当するものよりも高いことから, リグニンの硫化が起っていると考えられる。脱リグニン速度は弱アルカリ性蒸解に比べて非常に大きい。
    (3)以上の諸点から,弱アルカリ性亜硫酸塩蒸解における脱リグニン反応の機構は弱酸性(pH3~6.3)における蒸解のそれと同じであるが, 強アルカリ性においてはむしろクラフト蒸解のそれに近いものであると考えられる。
    (4)残木粉の収量(同一脱リグニン度で比較)は,炭酸水素ナトリウムの添加のような中性近くでの蒸解が最もすぐれ,他は添加剤の種類によらずほぼ同一で,酸性での亜硫酸蒸解のそれとも大差がない。
  • 万木 正, 栗田 利雄, 荻原 妙子
    1963 年 66 巻 2 号 p. 276-279
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ポリエチレンテレフタレートの皮膜および繊維試料の延伸,加熱処理による結晶性の変化をWakelinらのX線解析法を用いて検討し,密度法による測定結果と比較した。
    ガラス転移温度以上の加熱および高度の延伸により結晶化度が増大することはX線法,密度法どちらからも認められたが,両法の結果が定量的に一致するのは無配向試料を比較的高温に加熱したものに限られ,配向試料においては密度法結晶化度は一般にX線法の値よりも大であった。その理由を非晶領域の分子配向,結晶構造の不完全さなどによるものと推察した。
  • 吉見 直喜, 山尾 正義, 河北 雅之, 田中 誠之
    1963 年 66 巻 2 号 p. 279-283
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    メチロールメラミンの熱硬化反応機構を知るために,加熱試料から発生するガス状物質をガスクロマトグラフにより分析し,また生成樹脂の赤外吸収スペクトルを測定し,この両者の結果から反応機構を検討したところ,つぎのようになった。
    1.メチロールメラミンは130~150℃ では反応性が小さいが,170℃ では顕著な反応性を示した。
    2.F/M=1.0およびF/M=1.8の硬化反応はi式が主体であり,F/M=3.1の場合はi式およびii式またはiii式が同時に起こり,F/M=6.0の場合はii式およびiii式が同時に起るものと考えられる。
  • 吉見 直喜, 山尾 正義, 河北 雅之, 田中 誠之
    1963 年 66 巻 2 号 p. 283-285
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    ホルマリンと有機および無機酸との反応を検討するために,ガスクロマトグラフによりその反応生成物の組成分析を行なった。
    1.新しいカラム,すなわちジエチレングリコールサクシネートカラムで,ホルマリンを精度よく分析できることを見出した。
    2.ホルマリン(16~30wt%)とシュウ酸,酢酸とのモル比0.5~2.0およびホルマリン(16wt%)と硫酸とのモル比1.0程度の場合は,室温から100℃ではホルムアルデヒドと酸との反応はほとんど起らなかった。ホルマリン(30wt%)と硫酸とのモル比2.8付近の場合は,80~100℃ではホルムアルデヒドは消費され,メタノール,ギ酸メチルおよびギ酸の生成を確認した。
    3.ホルマリン(30wt%)と塩酸とのモル比1.3程度の場合は,60~100℃では少量のメタノール,ギ酸メチルおよびギ酸の生成を確認した。それらの分析の結果から,この反応はTischenko反応の可能性が認められた。
  • 吉見 直喜, 山尾 正義, 田中 誠之
    1963 年 66 巻 2 号 p. 286-289
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    サリゲニンの熱硬化反応機構を知るために,加熱試料から発生するガス状物質を,ガスクロマトグラフにより分析し,また生成樹脂の赤外吸収スペクトルを測定し,この両者の結果から反応機構を検討したところ,つぎのようになった。
    1.加熱発生ガスは主として水のみであり,160℃ 以上の加熱では試料1molから1molの水を発生した。
    2.硬化反応は100℃ 付近から起こり,120℃ 付近ではジメチレンエーテル結合CH2-O-CH2が主として起こり,140℃ 以上では反応は主としてオルト位置にメチレン結合-CH2-が起こり,パラ位置にはほとんど反応しなかった。
  • 谷垣 禎一, 坂本 幸男
    1963 年 66 巻 2 号 p. 289-292
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    アセナフテンとホルムアルデヒドとを酸触媒を用いて反応させるとベンゼン,クロロホルムに可溶性の淡黄色の樹脂と反応条件によっては不溶,不融性の3次元化した樹脂とをあたえる。本報ではp-トルエンスルホン酸を触媒として,酢酸中またはトルエン- ジオキサン混合溶媒中でアセナフテンとホルムアルデヒドとの反応を行ない, 反応時間, 反応温度,触媒量,アセナフテンとホルムアルデヒドとの反応モル比などの反応条件の変化によって,生成する樹脂の収率と分子量および不溶化物の生成率にどのような影響をあたえるかを検討し,可溶性で高分子量の樹脂を収率よく生成するための反応条件を探索した。
  • 谷垣 禎一, 下井 昌宏
    1963 年 66 巻 2 号 p. 292-294
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    p-トルエンスルホン酸を触媒として,アセナフテンとトリオキサンからアセナフテン・ホルムアルデヒド樹脂を合成し,得られた可溶部の樹脂について,分別沈殿法より分子量分布を求め,樹脂の生成過程を考察した。その結果反応の初期では分子量分布は鋭い山をもった分布を示すが,それ以後では再配列および不溶化が起こり,分子量分布ははばの広い分布を示すようになった。また反応の後期では不溶物が分解することを認めた。
  • 鈴木 伸, 大石 恭史
    1963 年 66 巻 2 号 p. 294-295
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
  • 1963 年 66 巻 2 号 p. A11-A19
    発行日: 1963/02/05
    公開日: 2011/09/02
    ジャーナル フリー
    These abstracts are prepared for the benefit of our readers abroad to assist them, to form a general idea of the contents of the present issue, written in Japanese by the respective authors. Readers are recommended to refer to the tables, the figures, the formulae etc. in the original papers.
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